- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150774592
感想・レビュー・書評
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こいつは時価五十万ドル、いやそれ以上かーー私たちは忍び込んだコルキャノン邸で、世界に五枚しかないという超希少コインを手に入れた。たった一時間の仕事としては上出来だ。と喜んだのも一晩限り、翌朝コルキャノンの妻が撲殺死体で発見され、なんと私に殺人容疑が! その上、第二の殺人が起こり、問題のコインが消えるにおよんで、私は犯人捜しに乗り出すことに。小粋な泥棒探偵バーニイ・シリーズ、絶好調の第四作。
原題:The Burglar Who Studied Spinoza
(1980年)
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泥棒は哲学で解決する
解説/柿沼瑛子(翻訳家)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
泥棒バーニィの4作目。
思いがけない展開。
前作で泥棒稼業に巻き込んだランチ友だし、キャロリンが相棒になっていた。
手下というか、弟子といった方が良いか。
そのキャロリンの情報で盗みに入り、
貴重なコインがを入手するが、
侵入先の妻とコインを預けた故買屋が殺される。
面通しで不合格となり、逮捕されなかったバーニィだが…。
死んだ友人から盗みはしないのに、
ベッドでは寝れるんだとか、
海岸の崖じゃなくて教会で犯人を指摘するんだとか、
容疑者を外に出せるってどんな警察?とか面白かった。
今後「ダイナミック・デュオ」はどうなるのか。 -
すっかり本屋が板に着いたバーニイと言いたいところだが、もちろんそんなはずはなく前作から新たに相棒となったキャロリンとともに富豪宅に忍び込む。ところがそこはすでに無法者によって荒らされた後。それでも手つかずだった隠し金庫から途方もない希少コインを手に入れる。そこから事態は急転し、帰宅した家主の妻が殺されたり、コインを持ち込んだ故買屋が殺されたりして、またまたバーニイが追われる羽目になり、やむなく自力で事件の解決をとなるというおなじみのパターン。犯人は意外なところにいて、被害者の葬儀の場で牧師ならぬバーニイが集めた関係者を前に謎解きをする、というサービス満点の結末に。マンネリにならないように工夫はされているのだけれど、安心の平均作という以上でも以下でもないというところか。ストーリーよりもバーニイとサブキャラとのやりとりのひとつひとつをにやにやしながら読まされる。刑事コロンボをつい毎週みてしまうみたいなものだな。
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泥棒バーニイ第四作。
原題"The Burglar Who Studied Spinoza"。
コレクション関連の蘊蓄が読んでいて面白い。
こういう収集ものははまってしまいそうで、
怖くて手が出せない。
もちろん先立つものもないので心配もいらないのだが。 -
かなり前にふたつのシリーズを1冊ずつ読んで、それっきりになっていたブロック。久しぶりに手に取ってみた。
タイトルでわかるように泥棒が主人公で探偵役なのだけど、ルパンのような雰囲気では全くない。主人公バーニイは、なんというかそれほどたいした悪党でもないし、義賊なんかではもちろんない。だいたい、泥棒をやる動機をちょっと語っていたりするんだけど、それが腹立たしくなるような動機だったりする。ただ、なんというか、憎めないのである。
事件そのものは典型的な巻き込まれ方。やましいところのある仕事をしているのだから、そういう展開になるのはわかる。泥棒がぱっと探偵役になる展開を期待して読んでいるとちょっと拍子抜けした。解決しようと宣言した時には、どうやら彼の頭の中では解決していたらしい。が、そもそも職業が泥棒だから、どうやって犯人をやっつけるかって問題が残るから、その辺りの手順がおもしろい。おもしろいというか、「?」な気持ちのままバーニイの行動につきあわされて、さいごに、ああそういうことねって思う。その過程は犯人捜しよりもおもしろかった。
泥棒をやるってことへの倫理的な感覚はどうなのかなっていうのが気になるところ。っていうのは、案外さばさばと、告白をしてしまったりするから。泥棒でなければ巻き込まれない事件、泥棒でなければ見つけられない手がかり、泥棒でなければできない解決方法、なんてうまく組み立てられている物語だから、カミングアウトしなくてもかまわない、すっきりとした結末が欲しかった気がする。
2004/9/8 -
ローレンス ブロックの泥棒シリーズ。
田口俊樹さんの訳がすばらしいのか、とても読みやすいです★
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バーニイとキャロリンのランチのメニューっていつもすごくおいしそう。だいたいサンドウィッチなんだけど、日本だと食べれなそうなものが多い。
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古買屋さんが素敵。泥棒って、盗む価値をしるために教養が必要だって気付きました。