<トリイ・へイデン文庫>シーラという子--虐待されたある少女の物語 (ハヤカワ文庫 HB)
- 早川書房 (2004年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151102011
作品紹介・あらすじ
お世辞にも清潔とはいえぬ姿に敵意むきだしの目。シーラは6歳にして傷害事件を起こし、トリイの特殊教室に送られてきた。決してしゃべろうとせず泣きもしない。ときに怒り狂い金切り声をあげ大暴れする。だが実は、ずばぬけた知能の持ち主で、心身に深い傷を負っていた…。暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿を描いた感動のノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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2022.10.18
何で神様は彼女にこんな試練を与えるのか…
という環境にいる女の子の急成長から目が離せませんでした。
その勇敢な姿がとても胸をうちます。
幸せになってほしい。 -
これはヘヴィですぜ。(2004.7.17HPの日記より)
※2004.7.2弟からプレゼント
2004.7.17読書開始
2008.1.19売却済み -
シーラという6歳の女の子の話。はじめは、とても特殊学級のクラスに入れないだろうと思っていた子だが、とんでもない。ものすごいIQのもちぬしであった。作者、トリイもはじめはてこずっていたが、心からシーラを思いやっている姿から、シーラも心を開いていく。
しかし、悲劇がシーラをおそう。途中で涙が出そうになるのを、シーラがかわいそうで、しばらくページを進めるのをためらったぐらいだ。ひさしぶりに深夜まで読み続けて、眠くて仕事がはかどらなかったぐらいよい本だった。 -
教室で起こるドラマは涙する程に優しく、胸を締め付けられる程に痛い。シーラとシーラを取り巻く人々の変化は、私の変化でもあった。
個別支援級や障がい児の見方が変わった。トリイのような教師になりたい。 -
中学の時に買ったものを再読。子ども、人には、様々な生き様、体験があるのだと改めて思った。その体験から人にどのような影響を与えるのかも。
一番読んで印象に残ったのは別れへのシーン。
続編も読みたい。 -
障害児教室から見放された子供たちを受け持つトリイのクラスに、6歳にして傷害事件を起こしたシーラが送られてきた。
艶のない髪、敵意剥き出しの目。決して喋ろうとせず、泣きもしない。
知的障害児と思われたシーラに高い知能が備わっていると気づいたトリイは、彼女の為に尽力するが……。
貧困と虐待に傷ついたシーラと、満身創痍になりながらも彼女に手を差し伸べ続けたトリイ。
ふたりが深い絆で結ばれてゆく姿を描いたノンフィクション。 -
かなり昔読んだが強烈なインパクトで覚えてる。
人間について考えさせられた。 -
「私は泣いた
あなたは待っていてくれた
私の涙がすべて
歓びに変わるまで」
わずか6歳にして
3歳の子に火をつけるという
犯罪を犯した少女シーラ。
州立病院に空きができるまで
彼女は巡り巡って
トリイのクラスへやってきた。
敵意に満ちた目。
絶対に見せない涙。
固く閉ざされた心。
献身的な教師と少女の成長を描いた感動のノンフィクション。
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まるで物語のよう。ノンフィクションでありながら、とても読みやすいです。
ボロボロの少女、シーラの成長を願わずには読めないこの1冊。シーラが嬉しそうな場面ではどこでも、私まで嬉しくなってしまいました。