スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 1)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300011

感想・レビュー・書評

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  • 英国のミステリ作家アガサ・クリスティー(1890-1976)のデビュー作にして、名探偵ポアロシリーズの第一作、1920年。背後で複数の細かな出来事が絡まり合いすぎていて、全貌を追いきれなかった。純粋な謎解き、というものが楽しめなかったのだと思う。

    「"たいしたことじゃない――どうだっていい。つじつまが合わない。忘れてしまおう"。そんな考え方をしていたら、なにも見えない。どうだっていいことなど、なにひとつないんです」(p66)。

    「想像力を働かせすぎるんですよ。想像力はよき下僕だが、主人には不向きだ。もっとも単純な説明が、いつでもたいてい当たっているんです」(p139)。

    「もしある事実が推理と一致しなかったら、そのときはその推理を捨てることです」(p144)。

  • デビュー作とは知らなかった。作中に過去の事件やジャップ警部とも顔馴染みの記述があるので。何よりしっかりした構成と伏線回収、複雑な人間関係をほどく眼力、どれひとつとっても既にベテランの貫禄がある作品。今回も気持ち良く騙された。

  • クリスティーのデビュー作である本書は、その当時の英国の風景が目に浮かぶ。
    ポワロやヘイスティングズの会話もさることながら、緻密なまでの情景描写に感服します。

    ミステリーの古典の一つとして、とても楽しめました!
    読後の余韻に浸りながら、今度は『そして誰もいなくなった』を読もうかなぁ。

  • とっても読みやすかったし、内容が頭に入ってきやすかった^^ミステリーはやはり面白い。アガサクリスティの言い回しが1920年代に生まれた作品とは思えません。ベルギー人のポアロに国は関係ないと言わせる始末…!アガサクリスティの作品がまだまだ読みたくなりました

    • ミさん
      THEミステリー小説!みんなを疑い続けて続けての結末が素晴らしい^_^誰に揺るがされることもないポアロの活躍が、読んでいて楽しい、次はABC...
      THEミステリー小説!みんなを疑い続けて続けての結末が素晴らしい^_^誰に揺るがされることもないポアロの活躍が、読んでいて楽しい、次はABC殺人事件を読みたい〜〜
      2022/02/05
    • ミさん
      結末気になりぎて半分くらいは1日で読み進めました、楽しい
      結末気になりぎて半分くらいは1日で読み進めました、楽しい
      2022/02/05
  • 関係者一人一人の思惑や事情で証言が複雑に絡み合っていてとにかく混乱した。
    あの2組は幸せになってほしい!大満足のハッピーエンドだった!

  • 1920年.
    新年にアガサ・クリスティーのデビュー作を読了。色褪せないし衰えない、古さを感じさせない。
    ポアロ初登場と言うことで、ポアロのことがよくわかる1冊なのでは。『一組の男女の幸福ほど大切なものはこの世にはありません』粋!

  • 100年前の古典とは思えないほど面白かった

    刑事手続きが現代日本とは全然違うけど、作者が刑事手続きをちゃんと理解していることがよく分かる 日本のテレビドラマとは全然違う

    本格ミステリは2回目読み直すと違う観点から読めて面白いので、再読したい

  •  記念すべきアガサ・クリスティの第一作であり、名探偵エルキュール・ポアロシリーズの第一作目だ。相棒のヘイスティングスも登場し、端役ではあるがジャップ警部も登場する。
     昔一度読んでいる為再読になるが、だいぶ昔の事であり、殆ど初見だ。
     スタイルズ荘における女主人の壮絶な死。
     旧友の元を訪れていたヘイスティングスと女史に恩のあるポアロの再会。
     当時の町の風景や生活様式もありありと感じる事ができ、当時の生活はこの様だったのかと感慨深い。そのなかで、毒という物に対しての扱い、裁判の様子など、現代日本ではイメージする事も難しい。
     事件は明確に提示され、毒殺されている事は全く疑いない。その中で、フーダニットの部分が強調され、歳の差で結婚した主人なのが、二人の義息子なのか、友人たちなのか。という部分にクリスティ特有の驚きを加えている。
     終盤に犯人が逮捕され、しかし物語がまだまだ続いているため何かあるのだろうと怪しんでいたが。つまりドンデン返しとはこういう事であり(多少大袈裟な部分もあるが、やり過ぎでは無い)インパクトとしては絶大だった。ポアロのリアクションを振り返るに、多少違和感がある事はヘイスティングスで無くても指摘したくなるが、許容範囲内だ。
     一度逮捕され無罪になると同じ事件では逮捕されないというルールを上手く活用しており、もしかしたら筆者の考えもあり取り上げられているのかも知れない。この法律があるからこそ、ポアロは逮捕のタイミングを散々気にしており、最後納得がいく。更に今作はデビュー作ということもあり、丁寧に事件内の小さな疑惑を回収し、解説を推理に盛り込んでおりわかりやすくなっている。
     また、犯人らしからぬ人、それでいて犯人であるべき人がしっかりと犯人になっている。こういう描写を入れても実際犯人に気づく事はない。クリスティの凄い所だ。
     再読により印象が大きく変わった作品で、やはり学生時代、理解していない作品が多いと反省だ。ヘイスティングスが何だか滑稽に見えてしまうのは僕が歳をとったからなのだろうか。

  • ポアロ「・・・理由を説明しましょうか。それは、喪に服したこの家で、あなたの目だけが涙で濡れているからです」
    ポアロ「直感と知性はしばしば手を携えて進むのです」
    ふとしたきっかけに、新訳版の全作品が手に入り、刊行順に読むか、シリーズごとに読むか、幸せな悩みで始まる。
    イギリスの田舎町のある富豪家を舞台に、母、義父、息子2人、メイドや医師たちなどの登場人物たちに、まだ若いベルギー警察出身の探偵ポアロと仲間のヘイスティングスを加えて物語が進んでいく。誰が犯人で、どのような背景か、作者が仕掛けてくる仕組みが非常に面白く、最後に驚かされる。
    新訳だからかはわからないが、古臭さは感じない、とても読み応えのある作品。
    アガサクリスティのポアロシリーズ第一作目。

  • オーディブルにて。

    立て続けにクリスティを聴いているけど、相当な古典なのにそれほど違和感が無いのが驚き。事件のからくりに関してでなく、登場人物の心情とその動き、人物像、行動について。人というのはこんなに時代を経てもそう変わらないものなのだろうか。

    ポワロがベルギーから亡命してきたということを今回初めて知った気がする。

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