教会で死んだ男(短編集) (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300622

感想・レビュー・書評

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  • 短編なので事件発生から解決まで随分とスピーディーではあるけれど、長編に負けないくらいの満足感があるのが流石クリスティーと思う。人々の情に弱いので『クラブのキング』『マーケット・ベイジングの怪事件』辺りがお気に入りで、『二重の手がかり』『呪われた相続人』の容赦の無さが最後まで面白かった。

  • 翻訳が違和感しかない。
    話は面白いのに残念。

  • 一番印象に残ったのは「洋裁店の人形」
    これは探偵は出ない怪奇もの。題名からして日本だったら市松人形の毛が伸びる的なものか、と想像する。洋裁店のイスにふと気がつくと布製の人形がすわっていて、いつからあるのか店員やなじみ客は分からず、しかも場所を移動している、気味悪がって店長は仮縫い部屋に閉じ込めるがいつのまにかお気に入りのイスに座っている。・・はては呪いの惨劇が発生か?と思いきやそこはクリスティ、胸に刺すオチをつけてくれた。女の子に「ほんとに、あたしは、好きなの。このお人形もそういってもらいたいのよ。かわいがってほしいと思っているのよ」

    ポアロもの11編は全編ヘイスティングスの語り。ヘイスティングスの語りだと、回想という形になるので、落ち着いて静か。この語り形式が好きだし、読みやすい。のちの中編や長編の原型となる短編が3つある。

    ・戦勝記念舞踏会事件 The Affair at the Victory Ball (1923年)ポアロもの。
    ○潜水艦の設計図 The Submarine Plans (1923年)ポアロもの。(短編「謎の盗難事件1927」短編集『死人の鏡』収録の原型)
    ・クラブのキング The King of Clubs (1923年)ポアロもの。
    ○マーケット・ベイジングの怪事件 The Market Basing Mystery (1923年)ポアロもの。(短編「厩舎街の殺人1936」短編集「死人の鏡1936」収録と非常によく似ている)
    ◎二重の手がかり The Double Clue (1923年)ポアロもの。ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人が宝石好きとして登場(短編集「ヘラクレスの冒険」の「ケルベロスの捕獲1947」でクラブ地獄の経営者としてポアロと再会。ポアロは派手で大柄なこの夫人が好きだ、と表現されている)
    呪われた相続人 The Lemesurier Inheritance (1923年)ポアロもの。
    ・コーンウォールの毒殺事件 The Cornish Mystery (1923年)ポアロもの。
    ○プリマス行き急行列車 The Plymouth Express (1923年)ポアロもの。(長編『青列車の秘密1928』と同じプロット)
    ・料理人の失踪 The Adventure of the Clapham Cook (1923年)ポアロもの
    ・二重の罪 Double Sin (1928)ポアロもの。
    ・スズメ蜂の巣 Wasps' Nest (1928)ポアロもの。
    ・洋裁店の人形 The Dressmaker's Doll
    ・教会で死んだ男 Sanctuary (1954)マープルもの。

    1951,1961発表
    2003.11.15発行 2016.10.15第4刷 図書館

  • 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)

  • ポアロの短編第一作が収められている。ゴルフ場殺人事件からアクロイド殺しの間に発表された短編がほとんど。短編は取ってつけたように終了するので、面白くない。

  • 【戦勝記念舞踏会事件】【潜水艦の設計図】【クラブのキング】【マーケット・ベイジングの怪事件】【二重の手がかり】【呪われた相続人】【コーンウォールの毒殺事件】【プリマス行き急行列車】【料理人の失踪】【二重の罪】【スズメ蜂の巣】【洋裁店の人形】【教会で死んだ男】。エルキュール・ポアロが11編、ミス・マープルが1編、ノンシリーズが1編収録されています。 

    地味な事件を扱った作品ばかりですが、【潜水艦の設計図】は【謎の盗難事件】、【マーケット・ベイジングの怪事件】は【厩舎街の殺人】、【プリマス行き急行列車】は【青列車の秘密】の下敷きになったとされる作品ですし、【二重の手がかり】ではポアロが唯一想いを寄せた女性が登場するので、ファンなら逸早く押さえておくべき一冊だと思います。
    マイベストは一番出来の良い【マーケット・ベイジングの怪事件】です。

  • ちょっと時間が足りなかったので、全部読めたわけではない。
    借り物。
    そもそもミス・マープルが読みたかったので、タイトルにもなっている「教会で死んだ男」のみを読んだ。

    教会で男が死に、その死を見取った女性が、男の死と死後に起こったことに疑問を覚え、名付け親でもあるミス・マープルに相談したことから謎解きが始まる。
    舞台はチッピング・グレルホーンで、担当刑事はクラドック。予告殺人と同じ村が舞台。

    短編なので、それ程難解な展開はない。

    面白かったとかそういう感想以前に、返却期限が迫っていたのでそればかりが気になったところが印象的。
    何時ものごとく、主人公であるはずのミス・マープルは完全にサポートに回っており、男の死に行き当たった女性がメインを勤めている。

    余談だが、ジョーン・ヒクソン主演のドラマ、ミス・マープルに出演するクラドック警部が、正統派イケメン。
    舞台は別の村(セント・メアリ・ミード)だが、鏡は横にひび割れてでクラドック警部が出演し、その際にミス・マープルを叔母さんと言っている。

  • 13篇の短編小説。
    読みやすいし面白い。

  • 何度読んでもあきない、ポワロもの。マープルもの、一編。その他、一編。
    時代劇のわかっているけど、見ちゃう、みたいな感覚と同じ。

  • ポアロものを中心にした短編集。
    なぜ、ポアロもの以外を入れたのかの趣旨の説明がない。

    短編ものでは、似た作品があったり、重複して収録していたり、
    単行本、文庫にするのであれば、収集の方針を示して欲しい。

    「クラブのキング」は、終わり方が解せない面もあった。
    警察ではないとはいえ、犯罪に対する対応方法は、どうなっているのだろう。

    ポアロの性格からすると、長編の方が合うような気がする。

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