アルバムをひらく猫〔トラ猫ミセス・マーフィ〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 15-8 トラ猫ミセス・マーフィ)
- 早川書房 (2009年1月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151707582
感想・レビュー・書評
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高校卒業から20年。記念の同期会が近づき、ハリーたちは準備に奔走中。そんなある日、同期生たちに謎めいた手紙が届く。そこには「あなたは決して老いない」というメッセージのみが。単なるいたずらだと一笑に付すハリーだったが、賢いトラ猫のミセス・マーフィは不吉な予感を覚える。はたせるかな、在学中に人気者だった男が射殺される事件が起き、同期会には暗雲が……人間たちにはまかせられない。動物探偵団始動。
原題:Pawing through the past
(2000年)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一作目だと思って読んだら違った……。
普段海外小説をあまり嗜まないこともあり、カタカナの名前を覚えるのに悪戦苦闘。
陰惨な殺人現場を想像して「うへぇ」となりながらも、動物たちのやりとりが可愛らしくて和みました。
最後はどんでん返しがあり、面白かったです。 -
トラ猫ミセス・マーフィシリーズの第8弾です
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さて、内容はといえば、話としては面白いんですけども、事件の方がちょっとおざなりというか、今ひとつな感じでした。途中経過はいいんですけど、解決の部分が。
ハリーが狙われる動機が弱すぎます。毎回、ハリーは犯人に襲われることになっているんですが、そのためだけに無理やり狙わせた感があります。
たしかに犬猫たちのアクションは見せどころの部分ではあるんですけども…デニーの顔を見たから、というのはむしろ好都合じゃないのかな。もう一人いるのに気づいたとか、ロンの顔を見たとかいうならわかるんですが。
そもそも、この復讐自体が、遅すぎると思うんですよね。20年も経つ前に、どうして実行に移さなかったのか、納得できる理由が明示されていませんし。
ところで、、ブレア。登場が華々しかったわりに、いてもいなくてもどうでもいいキャラになり下がっていませんか。登場当時は、ハリーといい感じになるのかフェアのあて馬かという立場だったはずなのに、あっさりと単なる友人の位置に収まった上に、ほとんど出てきませんし。
それより、フェアとよりが戻りそうになってますね。ハリーもまんざらでなさそうな。
いつの間にそんな感じになったのでしょう。今回、そういう雰囲気になっていてびっくりだったのですが、読み逃した巻の中に何かがあったのかな。
フェアも、どうして浮気をしたのかと問いただしたいくらいにハリーを想ってますよね。まあ、よりが戻るならそれはそれでもいいんですけど。でもハリーの性格からいって、難しそうですよね、それは。 -
高校卒業20周年の同期会の準備の最中に同期生たちに謎めいた手紙が届く。
やがて同期生たちが1人、また1人と犠牲になっていく。
と言うことで、今回は同期会が舞台。
日本と違ってアメリカの同期会がかなり大掛かりなことにびっくり。朝から翌日の朝食までイベントがびっしりだったり、様々な企画を考えて実行したり。
ただ馴染がないものだからイマイチぴんとこなくて、作品の世界に入り込めなかったのが残念。
準備の大変さを主人公のハリーが嘆いたり、そのせいで周りが険悪になったりというのが、ね。
ミステリ部分は途中で犯人の目星が付いてしまうあたりが惜しいかな。
ミスリードされてるんだけど、素直に釣られない程度ではあった。
何より本作はハリーの3匹のペットたちが普通の動物に戻っていたのが嬉しい。
事件を捜査しながらもご飯に誘惑されたり、あれこれ遊んだり。
前作は3匹がポルシェを運転すると言うありえない展開だったので本作を読むのを躊躇っていたのだけど、以前の雰囲気に戻って一安心。
コレで安心して次作も読めそう。よかった。 -
トラ猫ミセス・マーフィーシリーズ第8弾。
高校卒業20周年の同期会にからんで起こる殺人事件。相変わらずの、どろどろ人間関係(^^; ミセス・マーフィー達、動物目線のせいもあり、「ニンゲンって・・・(-_-;)」って思っちゃうことの多いシリーズ。
みんなの飼い主ハリーも、決して欠点がない女性ではないけど、元夫の浮気相手と、ちゃんと顔を突き合わせてるのは充分偉いと思うけどなー。狭い街だから、どうしても‘和解’は必要なのかな。狭くたって関わらないで済む方法もありそうな気がするんだけど。元夫フェアとよりを戻すのは、私はオススメしないんだけどなぁ。
お気に入りのブレアがあんまり出てこないパターンの時は、好きになれない話のことが多いんだけど、今回は面白かった。しかもブレアがあんなんだし・・・。ちょっと見損なった。
今回も、ミセス・マーフィー達が大活躍♪
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はやみねかおるの『卒業』を読んだあとすぐに、これを読んでしまった。素敵な思い出に満ちた虹北学園卒業生が、この本のような騒ぎを起こしたら厭だなあ。『アルバムをひらく猫』のほうの高校の卒業生たちは、20年目の同期会前後に泥沼のような連続殺人に巻き込まれるのであった。若さとは実に残酷であり、心の傷は時を経ても癒えない。起こるべくして起こった事件なのかもしれないけれど、次の同期会には誰も出席しないんじゃないかという気がしてきました。