沈黙のメッセージ (ハヤカワ・ミステリ文庫 コ 6-1)

  • 早川書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151709517

感想・レビュー・書評

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  • 本シリーズのスピンオフ作品、『WIN』が読みたくて。
    これまたいつ辿り着けるのかわからないけど、本筋のシリーズ1作目から追います。

    元FBI捜査官、現スポーツエージェントという異色のキャリアの主人公マイロン・ボライター。学生時代はバスケットボール選手として名を上げんばかりだったが、怪我によりその道が挫かれ、なんやかやで今に至る。

    目下交渉中なのは、花形学生フットボールスター、クリチャンのプロ契約。
    チームオーナー陣があの手この手で契約条件を引き下げにくるところを茶化した物言いで、鼻にもかけず一蹴。
    いやいや、いくらなんでもそれじゃあまとまるものもまとまらないんじゃあと思うが、プロの契約交渉とはそういうものなのか、どちらもギリギリのところで見切りをつけず腹の探り合いが続く展開(マイロンのタフガイぶり、嫌いじゃないです)。

    というスポーツものの中に紛れ込んでくる、過去の失踪事件。
    クリスチャンのかつてのフィアンセ、キャシーは1年半程前に謎の失踪を遂げている。
    プロ契約目前ということのときに、彼女のヌード写真が掲載されたポルノ雑誌が彼女の直筆のメッセージと共にクリスチャンの自宅に投函される。

    これは吉報なのか、はたまた契約を前にしたスキャンダルの火種なのか!?
    キャシーの姉はマイロンの元恋人ジェシカということで他人事ではない。
    その上、ジェシカの父アダムは最近強盗事件により他界している。
    マイロンは、この偶然では済まされない過去の再燃に、いったいどういうことなのか友人のウィンと調査に乗り出す。。。

    ウィンのクレイジーさがいい。
    マイロンとウィンの関係はC・J・ボックス猟区管理官シリーズのジョーとネイトの関係に似ているが、マイロンはより自信家でおふざけ気味、ウィンは都会風に洗練されているが、それ故にその残虐性が不気味に煌めく。

    シリーズが進むとFBI時代の話とかも出てくるのだろうか、楽しみ。
    あれ、でも未訳の作品も多いな。
    もしかして最後まで辿り着けないパターン!?

    とりあえず読めるところまで読んだら『WIN』に言ってみよう。

  • 97年の作品。スポーツエージェントを生業にする主人公が相棒ウィンと共に少女の失踪事件、殺人事件を解決するミステリー。軽いけどツボを押さえていて500ページあっという間に読めた。
    主人公はイケメンで元バスケの選手で元FBI、ウィンはお金持ちで狂気の武闘派と、このコンビならと言う安心感もある。勧めてくれた友人に感謝。

  • スポーツ・エージェントのマイロンは、プロ入りを控えたフットボール選手クリスチャンの契約金の交渉を請け負った。ところが、オーナーはクリスチャンが恋人の失踪に関係があると疑い、契約金の引き下げを要求する。マイロンが調べると、彼女の父親が数日前に殺されたことが判明した。その直後、クリスチャンのもとに当の女性のヌード写真が…ナイーヴでセクシーなヒーロー誕生。アンソニー賞に輝く話題の新シリーズ!アンソニー賞・最優秀ペイパーバック賞受賞。

    25年ぶりに再読。軽いタッチだが、しっかりとしたフーダニットだった。

  •  ハーラン・コーベンという作家には、様々な新しい試みをやってやろうという独創性への渇望と、意気込みがとても強く見受けられるが、四半世紀前のデビュー作である本書には、その思いのたけがたっぷり過ぎるくらいにぎっしりと詰まっているように見える。

     文体としては、軽妙で読みやすく、三人称なのだが、もしこれが一人称であれば、ロバート・クレイスのエルヴィス・コール・シリーズにすごく似てそうだ。メタファー、体言止め、ユーモア。

     しかし、主人公は私立探偵ではなく、スポーツエージェント。FBIに一時在籍した経験を活かしての探偵もどき、といった少し世間離れした職業に着いている。

     また、エルヴィス・コールにジョー・パイクというスーパーな相棒がいるように、こちらのシリーズ主人公マイロン・ポライターには、ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世(通称ウィン)というややこしくも過激で超リッチな相棒がいる。

     テンポが良いためにロス発ニューヨーク行のフライト中に読めてしまう、とそんな宣伝文句が訳者あとがきで紹介されてもいるのだが、そう、読みやすいのは確か。

     しかし実は、ぼくとしては、登場人物が多過ぎて、ストーリーが複雑化するととたも難解に感じられた。こういう場合、ぼくの場合、Excelで人物関係図などを整理して一望しないと、スムースに楽しめないという歯がゆさがあるのだ。

     特に最終の畳み込みのシーンなどは理解しづらいと思った。外国人名では特に名前が覚えにくいからかもしれないが、関係者が多い作品は時に頭の中を整理したくなってきます。とは言うもののExcelのない出先で読んでいるので、これは長大な巻頭人物表を何度も見返して脳内整理で何とかしました。次はこうした場合、白紙を広げて手書きの人物表をつくろうかな?

     関係人物が多いだけに、本書は、プロットの凝り様、時系列なども広く複雑化してゆくのだが、作者にしてみれば最初の長編作品だから、力みに力み、凝りに凝ったのだろう。

     しかしこの作者の良さは、やはり語り口であり、文体であると思う。そしてヒーローの人間味、脇役の個性もとても魅力的だ。最近作3冊ですっかりこの作者が気に入ってしまったぼくとしては、第一作からしっかりこの人を追いかけようと好奇心満々で今後も挑みたい。

     すっきりした主人公の行動と、予想を覆してゆく意外な捜査展開。個性的で魅力的な脇役たち。家族愛や友情。そして何よりも正義感。主人公のキップの良さは何ものにも代え難い。今はすっかりベテランとなったハーラン・コーベンだが、この時期の若い時代のチャレンジングな作風にも、より着目してゆきたいと思う。

  • 図書館で。
    エージェントって日本ではあまり耳にしない職業だけれども、アメリカだと作家も出版社とのネゴはエージェントが行うと前に本で読んだのでメジャーな仕事なのかなぁなんて思いました。日本だとコンサルっていう方がわかりやすいのかなぁ?ちょっと違うのか。

    犯人を一周回ってこう来たか、と特定するのはなかなか読ませる展開だなぁと思いました。結局きれいごと言っても、男性には自分の妻や彼女は貞淑で居てほしいんだろうなぁと思ったり。
    まぁでも被害者の彼女も親への反発とはいえ、全部自分に損な行動は控えた方が良かったんだろうけどねぇ。まぁそういう後先考えない行動がティーンエイジャーなのかなぁ。

  • ちょっと主役がキザったらしいが、なかなかの人物描写。シリーズ読もうっと。

  • 友達イチオシの♪
    サクッと面白かったっす☆
    登場人物が多めなのと、主人公が元フットボール選手&元FBIで、顔良し・ガタイ良し・喧嘩強しと完璧すぎて逆に魅力が薄いけど、相棒がその分壊れてて濃い味なのでまあ許すってな感じです♪
    今後のウィンのキチガイぶりとマイロンの味調整が楽しみっす☆

  • スゴくおススメです!!

    ふと気になるシチュエーションを思い出して
    なんの本だっけと思いながら本棚を引っ掻き回して
    一部読み返すなんてことはよくあるのですが
    このマイロンシリーズは現在7冊あるすべてを
    数回読み返しています。

    表紙のイラストは私の中のマイロンのイメージとは
    懸け離れていていまひとつ好きになれないけど
    ウィンもエスペランサもとにかく大好き。

    私を虜にしておいて続編が出てこないのはなんで?(泣)

  • 最近、無性に昔のミステリーが読みたくなって。ハーラン・コーベン再読月間状態。

  • スポーツエージェント、マイロン・ボライターシリーズ。
    スポーツエージェントなる職業についてもわかる(?)ミステリ。表紙イメージに引きずられるせいか、脳内キャラもイケメン風になります。

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