- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152087799
感想・レビュー・書評
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〃強くあれ、勇気を持て、誇りを持て、恥を知れ〃
記憶が曖昧すぎて定かではないんですが、読み終わってみるとたぶん読んだことある気がしてきました
兎にも角にも大好きなディック・フランシスの『再起』です
2000年に奥さんを亡くして絶筆していたんですよね
外国の男性って奥さんに先立たれると、もうダメ〜ってなる人ほんと多いですよね
んでも2006年に息子のフェリックスに励まされて再び筆を取り、本作が生まれたわけなんですが、実は60歳になるダグマーさんという女性の存在もディックに活力を与えたみたいね
これまた英米人にありがちなエピソードと思うのはある種の偏見なのだろうか
ちなみに一方のディックの方はこのとき85歳、ちょっと笑う、すげーな
85歳でこの物語を生み出せることももちろん凄いのだが
そして、実はこの『再起』からシリーズの翻訳者が菊池光さん(みつと読む)が2006年に亡くなっており、北野寿美枝さんに変更になっているんです
北野さんは光さんのお弟子さんなんですが、やっぱりちょっと雰囲気が変わってしまうのはしょうがないのかな
光さんは大好きな翻訳者さんで、競馬シリーズといえば光さんだったのでちょっぴり残念
もうひとつ、解説はミステリ愛好家として名高い児玉清さんが担当されていて、こちらもうれしい限り、冒頭の一文はその解説から引用
まさにディック・フランシスが描くヒーローが読者に訴えかけているものを正確に言い当てていると思います
その児玉清さんも2011年に亡くなっているんですよね
大好きな人がどんどん亡くなっていく…それだけ自分も年齢を重ねているんだなぁ
「アタックチャ〜ンス!」 -
2000年に奥さんを喪い、断筆宣言をしていたフランシス、6年ぶりの新作。
しかも主人公はシッド・ハレー。これは運命的なことかも知れません。成功した元騎手で今は私立探偵という典型的な設定で「大穴」「利腕」「敵手」と3回にわたって登場して活躍した彼、今回、遂に心から愛する恋人が出来るのです。そのためにマイルドな雰囲気になっていますね。
それが危険を伴う仕事をするハレーにとって最大の弱みともなる。いかにしてそれを乗り越えるか?といった展開です。
いかにもフランシスらしいモチーフをちりばめ、満足のいく出来でした。息子さん、よく励ましてくれました! -
2020/1/4読了。シッド.ハレーが主人公のハードボイルド。難題に直面するシッドを励ましてきた新しい恋人マリーナが暴漢に襲われる傷つく姿は胸が痛くなる。しかし、
不屈のシッドは、解決に立ち向かう。 -
こりゃぁ、シッド・ハレー・シリーズでしょ。面白いに決まってるじゃない!
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いつもながら期待を裏切らない面白さ
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6年待った。もうあきらめていたところに発表された新作。発売と同時に購入し、2007年最初の一冊にすべく、じっとキープしていた。
予想通りシッド・ハレーの物語。ディック・フランシスのミステリの大テーマを端的に表現するヒーローだから、たぶんこれしかないだろうと思っていた。
ハレーの葛藤のもとが、自分の肉体ではなく、愛するものである点。これがこの作品の焦点であろう。確かに、それしかないような気がする。そしてそれに対する作者の、そして愛する者たちの答えも、おそらくそれしかないであろうと思うような完璧な者であり感動だった。
しかし、この物語が結果的にハッピーエンドになったのは、あくまで結果的にでしかないように思う。同じ選択が最悪の結果をもたらす場合は十分に考えられるし、そうなった場合彼は耐えただろうか。
確かに、今までの作品とはごくごく微妙な点で、違いを感じる。そんなことはとにかくも「読むことができた」という幸せに比べたら、ほんとうに微々たるものだけど。
翻訳も変わった。でも、違和感はなし。
2007/1/1 -
あいかわらずタフですな、作者も主人公も。訳者が亡くなったのが残念。でもお弟子さんが頑張ってくださって良かった。
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執筆の協力者だった奥さんが亡くなって、もう作品を発表することがないと思われていましたが、堂々の復活です。新作が読めるだけで、もう幸せです。ビターなユーモアもちゃんとあります。
大変残念だし、あらためて御冥福をお祈りいたします
そして今思うのは、これで野沢雅子さんとか田中真弓さんとか...
大変残念だし、あらためて御冥福をお祈りいたします
そして今思うのは、これで野沢雅子さんとか田中真弓さんとかに何かあったらと思うと震えるね
世界が変わるよ