棄ててきた女 アンソロジー/イギリス篇 (異色作家短篇集)

  • 早川書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088017

感想・レビュー・書評

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  • 「異色」で括られた英国作家短編集。異色成分はそれほど濃くないような感じがしたけれど、それは普段奇想ものを読むことが多いからかもしれない。リアリズム小説多めの人からしたら当然異色だろう。

    以下好み/気になったもの。
    ジョン・キア・クロス「ペトロネラ・パン-幻想物語」。ほっこり系で始まったのに最後にぐりっとくる。
    ロバート・エイクマン「なんと冷たい小さな君の手よ」。オチがわかっていても電話物はどきどきする。
    A・E・コッパード「虎」。ずいぶんバタバタしますね、と呆気にとられるところがあったんだけど、何か気になるから別の話も読んでみたい。読後感にとおくでグリムっぽさがある。
    ミュリエル・スパーク「棄ててきた女」。何が気になっていたのかわかってよかったですね!という気持ちに。ひどい話なんだけど。
    ウィリアム・トレヴァー「テーブル」。なんで「異色作家短編集」に?と思っていたのだけど、トレヴァー爺の剛力は異色と言えば異色。いつもどおり夢中で読んでしまった。

  • 若島正編。13篇収録。

    アンソロジーや短篇集では、収められた作品のうち、たいして印象に残らない作品もいくつかあるものだが、本書は、どの作品も何がしか心に引っかかるものがあって、忘れ難い。

    「水よりも濃し」(ジェラルド・カーシュ)は、思わず笑っちゃう話だし、「煙をあげる脚」(ジョン・メトカーフ)は何とも不可解で。結局のところこれは、手の込んだ復讐譚なのだろうか。たびたび触れられる伯母さんのことが、むしろ気になる「ペトロネラ・パンー幻想物語」(ジョン・キア・クロス)、あれこれ考えてから怖さがくる「何と冷たい小さな君の手よ」(ロバート・エイクマン)、虎の圧倒的な存在感と期待通り(!)の動きが印象的な「虎」(A.E.コッパード)、奇跡的な出来事を、まるでスローモーションを見るかのように描いた「壁」(ウィリアム・サンソム)、そして、ミュリエル・スパークの表題作「棄ててきた女」。一読後、登場人物の異常性があぶりだされるように分かってくるところが、凄い。
    幻覚装置を用いた完全犯罪を描いた「パラダイス・ビーチ」(リチャード・カウパー)も面白かった。

    ネタばらしで読者の愉しみを奪うことなく、的確な解説と著者紹介で期待感を高めてくれる作品紹介は、さすが若島氏、という感じ。

        The Girl Left Behind Me and Other Stories edited by Tadashi Wakashima

       

  • 「異色作家短篇集」<イギリス編>。J・メトカーフ、R・エイクマン、A・バージェス、M・スパークにA・E・コッパード等々、ラインナップが好みすぎて目次を眺めるだけでも興奮してしまう。そしてこういうアンソロジーにW・トレヴァーまで入ってくるとは何て豪華な。
    ロバート・エイクマン「何と冷たい小さな君の手よ」が◎。アトリエにかかってくる奇妙な電話はどこへつながっているのか、ぼんやりと不可解な状況に嫌な想像がどんどん膨らむ。
    ミュリエル・スパーク「棄ててきた女」の毒はちょっと他では味わえない。

  • 2018/12/9購入

  • 今度のこそ、今度のこそ、と毎回期待するものの、海外翻訳ものはやっぱり苦手です・・・(´・ω・`) 読みにくいというか文章が頭に入ってきにくいというか。まあ幻想怪奇系の短編集なんで当たり前といえば当たり前なんですけどね。SFにもそんなに造詣が深くないですし。

    そんななか、表題作は好きでしたー。ミュリエル・スパーク。ふむふむ。他の作品も読んでみようかなぁ

  • 意地の悪い話

    落ちはわりあい丁寧に示してくれているので読みやすい

    色んな人の話が楽しめる。質が高い

    突飛な話はパラダイス・ビーチくらい。

  • イギリス篇ということで超自然モノを期待したけど、SFチックなのや奇妙な味系の話で恐怖はほとんど無し。表題作はオチがわかってしまうものの上司の不気味さがよく出てる。「テーブル」も妙な味わい。後はこれはというような話は見当たらずやや肩透かし。

  • 異色作家短篇集の19巻です。
    アンソロジーイギリス篇です。
    「棄ててきた女」は短いですが、とても面白かったです。
    オチは何となく分かってしまいますが、それでも最後には驚く事が出来ます。
    最後の2行は気に入りました。
    「白猫」は恐怖を感じてしまいました。
    見方によっては何も不思議な事は起こっていないのにそれでも怖いんですよね。
    「何と冷たい小さな君の手よ」も同じく恐怖を感じました。
    「パラダイス・ビーチ」は少しミステリ的に思えました。

  • 若島先生による異色作家短編アンソロジーの2冊目、イギリス編。なんとも言えない英国趣味が溢れる作品が揃っていて、飽きさせない。

    気に入った作品は「パラダイス・ビーチ」、「顔」。少し空いて「何と冷たい小さな君の手よ」といったところ。トレヴァーの「テーブル」と、表題作の「棄ててきた女」は今一、僕の感性には響かなかった。

    うーん、久しぶりに英国作家の短編を原書で読みたくなったなぁ。

  • 顔がよかった

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