双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

著者 : クリストファー・プリースト 古沢嘉通

• 早川書房 (2007年4月1日発売)

感想・レビュー・書評

[Sakamoさんの感想 · 2015年11月23日]

面白く、少々疲れました。史実にのっとてもフィクションとノンフィクションの間がわからず、理想かパラレルワールドか。時間も交錯し繰り返される現象。立体的な小説、という感じがしすごいです。

[baxさんの感想 · 2014年10月12日]

［　内容　］
１９９９年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、第二次世界大戦中に活躍した空軍大尉Ｊ・Ｌ・ソウヤーの回顧録のコピーが持ちこまれる。
グラットンは、次作の題材として、第二次大戦中の英国首相ウィンストン・チャーチルの回顧録のなかで記されている疑義―英空軍爆撃機操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者であるソウヤーなる人物（いったい、そんなことが可能なのか？）―に興味をもっており、雑誌に情報提供を求める広告を出していた。
ソウヤーの回顧録を提供した女性アンジェラ・チッパートン（旧姓ソウヤー）は、自分の父親は第二次大戦中、爆撃機操縦士を務めていたと言う。
果たして、彼女の父親はほんとうにグラットンの探しているソウヤーなのだろうか？作家の棲む現実から幕を開けた物語は、ジャックとジョーという同じイニシャル（Ｊ）をもった二人の男を語り手に、分岐したそれぞれの歴史の迷宮をひたすら彷徨していく…。
稀代の物語の魔術師プリーストが、ＳＦ、ミステリにおける技巧を縦横無尽に駆使して書き上げた“もっとも完成された小説”。
英国ＳＦ協会賞／アーサー・Ｃ・クラーク賞受賞作。

［　目次　］


［　問題提起　］


［　結論　］


［　コメント　］


［　読了した日　］

[piyoさんの感想 · 2014年1月3日]

１５０頁程度で挫折。
歴史分岐を扱ったSFとのことだが，
舞台となるのが二次大戦ころのヨーロッパなので，
私の乏しい世界史知識では，
正直，何が「正しい」歴史なのかわからない。
物語自体も，扱っている事柄自体は派手なはずなのだけれど，
誰にも感情移入できず，
「なんだかわからないままなんだかわからない話が延々と進んでいく」感がどうにもツラい。
ヤケクソになって「解説」のネタバレを読んでみたが，
ネタバレを読んでもやはり理解できそうになかったため挫折。
解説を読む限り，たくさんのミスリーディングが散りばめられているようだが，
知識がないとミスリーディングにも引っかかりようがないという…。
私には早すぎた。

[jazzsambaさんの感想 · 2013年4月30日]

奇術師ほどの新鮮な楽しみはなかったが、やはりプリースト。よく練られている上によく作り込まれている。改変ものになるのかな。やはりしてやられた。

[真白さんの感想 · 2012年8月25日]

非常に凝った小説で、混乱とか錯綜とか常にそのような波に飲まれつつ、年月や場所や歴史に操られているようだった。

[kaonioさんの感想 · 2012年8月23日]

「双生児」（クリストファー・プリースト：吉沢嘉通 訳）を読んだ。たまらなく面白い。しかしこれほど混乱させられた小説も久しぶりだな。読んでいるうちにどこまでが史実でどこからがフィクションなのかが混沌としてくる。あるいはすべてがまやかしなのか。とにかく新鮮な驚きをもたらしてくれる。

[no73mさんの感想 · 2012年1月23日]

歴史作家・スチュアート・グラットンのもとに持ち込まれた一つの原稿。「英空軍爆撃機操縦士にして良心的兵役拒否者」という矛盾した評価を受けたJ.L.ソウヤーが残した手記に記された真実とは…。
リーダビリティの高さに釣られグイグイと読み進めるうちに、同じイニシャルを持つ双子の物語の齟齬にモヤモヤ感が募っていく。この虚実曖昧な語り(=騙り)がもたらす幻惑感がタマラナイ。
そして最後にあの二人も”双生児”だと気付かされた衝撃ときたら……ｗ。仕掛け、構成の妙にもうならされる傑作。

[yt-pocoapocoさんの感想 · 2010年9月18日]

ふーむ。読んでるうちにこんがらがってしまった。

舞台は第２次大戦中。ヨーロッパ。
１卵生双生児の兄弟の物語。

宇宙船でも未来でもないけれど、ＳＦということになるらしい。
絡み合うストーリ。途中で、あれ？と思うのは史実とのパラレルワールドだから。

不思議な本です。好みは分かれるかも。

[willisさんの感想 · 2009年10月15日]

史実の部分がどこまでか。読み応えあり。

[ふじのさんの感想 · 2008年10月15日]

2008.10
世界史を知っていたほうが楽しめた