双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088154

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  • 偽史ものSF。
    一卵性双生児である二人の男の、少年時代から青年時代を描いた物語。
    時代は第二次世界大戦下のイギリス・ドイツ。

    SFっぽくない。(私がSFをよく知らないだけかもしれないが、、、)
    純文学的な深みがある。
    ノートをとりながらじっくり読みたくなる。

    形式的にもかなり凝ったつくりになっているが、破綻がない。
    いや計算された破綻が意図的に仕組まれており、読者は完全に物語に没入することができない。
    物語自体がかなり面白いので、物語にのめりこんでしまうのだが、意図的に仕組まれた矛盾が、物語にのめりこむことを許さない。
    何も考えずにただ物語を楽しみたいのに楽しませてくれない感じが、頭に程よい負荷を掛け、心地よい。
    そんな感じの小説です。

  • 第二次世界大戦前から後、ある双子の兄弟の物語。行きつ戻りつ平行する世界。
    最初の1頁目にちゃんとヒントがあるのに勘違いして読み進め、どうしてこの小説がアーサー・C・クラーク賞を受賞したのかいぶかしんでいた、大間抜けな私。
    ただ、同じ歴史改変ものでいえば、広瀬正『エロス』のほうが格段に面白いと思う。

  • 第二次世界大戦で良心的兵役拒否者でありながら現役の爆撃機操縦者だった人物がいたというチャーチル首相の記述に興味を抱いた主人公はノンフィクション作家。これが双子だったからというだけならそれまでだが、プリーストがそれだけで終わらせるはずがない!?幻想なのか、ねじれた関係の中にちらっと見えるのはあり得た未来なのか、双子の人生の不思議。

  • 第三次世界大戦、手紙、手記でパラレルワールド交差する

  • 読んでみたいSFのNo1に輝いた作品だったような。
    あっさりとした表紙・背表紙はこの小説にぴったりとくると読み終えた後に関心。
    二人の主人公(双生児)の並列?世界。構成がおもしろかったとおもう。
    [2008/5/19]図書館で借りる

  • 先に解説を二回読んだ。それから本文を1.5回読んで、読み終わってからもう一回解説を読んだ。結論。面白かった。解説に書いてあった、読書は受動的な娯楽ではなく、能動的な努力だ、って。まさにその通りです。みなさんもどうぞ。

  • 現在生きている中で、幻想ミステリーではこの人の右に出るものはいないだろう。

  • ほへ???
    読み終わってからキツネにつままれたような気分になりました。
    頭がこんがらかったけど、面白かったです。混乱部分を解明しようとするだけ、ヤボかなぁ、とも思えました。
    ラストは結構好きです。よく分からなくても雰囲気が伝わってくるようでした。

  • ぼーとして読んでました。話のつじつまの合わないところは、最後に大どんでん返しでもあるのか、誰かの夢で終わるのかとか思いながら。でもどんどんパラレルワールドになって行き、これが悪夢的で面白くて、結局何も判らず、解説読んで少し判明。

  •  なぜ、ドラえもんが、のび太のところへやってきたか覚えているだろうか。 のび太の子孫にあたるセワシは、ご先祖様がふがいなかったもので、未来で苦労を強いられている。 それで、ご先祖様に立派になってもらおうと(そうすれば未来が変わりセワシの境遇も良くなる)、子守ロボット・ドラえもんをタイムマシーンで連れてきたのだ。 ということは、これ以後、ドラえもんがいなかったのび太、ドラえもんがいるのび太、二つの世界が存在することになる。 クリストファー・プリースト『双生児』は、構成に凝った小説だ。 まず、双子の一人・ジャックの回想で話は進んでいく。ボート競技イギリス選手としてベルリンオリンピックに参加する1936年とイギリス軍の爆撃機操縦士としてドイツの街を空襲する任務にあたっている1941年、この年を始まりとする二つの物語が交互に繰り広げられる。 普通このスタイルの小説は、A、B、A、B、A、Bと話が進んでいき、最後にそのA、B二つの話が融合する。 ところが、この『双生児』では、二つの物語が融合したところが、全体の物語のまだ半分でしかない。 このあと、双子のもう一人・ジョーの側から語られていく。 ここから、ドラえもんのいなかった世界、ドラえもんのいる世界、というわけだ。 凝りに凝った構成もさることながら、どうなるの、と思わせるミステリアスな展開。第二次世界大戦の行方も絡んでくる。 このようなSF、ミステリー、文学がクロスした海外小説、わたし他にも読んでいる。 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』。 どちらも、大おすすめの傑作だ。 そして、『双生児』。この三作には共通点がある。どれもイングランドが舞台(みんな早川書房でもある)。 大当たり続きの、イングランド小説。もっともっと読みたくなる。あ、藤子SFも久しぶりに読みたいな。

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