夜のアポロン

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 早川書房
3.56
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本棚登録 : 286
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152098504

感想・レビュー・書評

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  • いつ読んでも新しく思えるのだけど、かなり前に書かれたものなのかな。
    世界観に浸れる貴重な作家さん。
    まだまだ作品を送り出して欲しい。

  • 短編集16編
    忘れられていた原稿がみごとに蘇って読むことができた幸い.どれも素晴らしく皆川ワールドである.特に表題作,兎狩り,死化粧が好きだった.ほたる式部秘抄は軽妙でシャレっ気があって結末が明るくこういうのもいい.

  • 「沼」、「致死量の夢」、「雪の下の殺意」が心ひかれました。女、だけじゃないけど、人が隠してたのに、持て余して、どうにもならなくなった感情が染み出てくる瞬間とか、壊れてく瞬間ってこんなんかなと、一般論として怖くもあり、納得してしまう自分に怖くもあり。装幀と表題がロマンチックです。

  • 単行本未収録の16編の短編集で、『夜のリフレイン』と対をなす。
    なので初出は1976年〜1996年の「小説宝石」をはじめとする諸誌。

    年代順に並べられているが、嫉妬からサーカスのオートバイ乗りと一緒に事故死で心中しようとする表題作が一番鮮烈。前半は嫉妬がテーマになっている作品が多い。
    少女ための私立更生施設の寮監からみた収容生の話「魔笛」は、不条理と憎しみをもっと深めて長編になりそうな物語。
    終わりに近づくにつれミステリーの傾向が強まっていくが、皆川博子はミステリーより不条理、不可思議の物語が好き。

  • 主に1980代に書かれた短編を収めた短編集。

    「夜のリフレーン」と対になっているらしい。

    昭和の香り高く、近年の著者の作風とはやや違い濃厚で湿り気が強く、「性」と「死」がモチーフとなっている。

    最後に納められた一編は最近のもので、他の編との対比が面白い。

  • 多彩な作風で、どれも暗く怖く、美しい。

    『はっぴい・えんど』が◎

  • 2019/5/10(金曜日)

  • 女の情念が渦巻いている。
    ぐるぐるぐる。
    どろどろどろ。

    幻想小説の成分は薄め。
    女たちの重い感情をたっぷり味わえます。

  • 初期作品群が中心の未単行本化の短編を集めた第二弾。こちらはより「こういうのも書いておられたんだ」というまっすぐなミステリや官能色強めなものもあり、やはり作者の懐の広さを感じるものばかりでした。
    表題作や「致死量の夢」、「魔笛」あたりが艶めいていて個人的にはとても好きです。幻想混じりというより、人間の業の深さをえぐった話が多いように思います。「死化粧」は謎解きとしての物語の面白さのほかに、飄々とした語り口が良い意味で「らしくなく」、凄く新鮮でした。
    近作の技巧と知識と幻惑さが極まった長編作品はもちろん大好きですが、こういった過去作品があってそれらがあるのだと思うと、大袈裟のようですが確かな「歴史」を感じられたような気持ちにもなれました。

  • 角川書店から刊行中の『夜のリフレーン』と対になる短編集。
    並べて見るとうっとりする……。
    『死化粧』『閉ざされた庭』が好きなのだが、『兎狩り』も捨て難い。ううむ。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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