- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098504
感想・レビュー・書評
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いつ読んでも新しく思えるのだけど、かなり前に書かれたものなのかな。
世界観に浸れる貴重な作家さん。
まだまだ作品を送り出して欲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集16編
忘れられていた原稿がみごとに蘇って読むことができた幸い.どれも素晴らしく皆川ワールドである.特に表題作,兎狩り,死化粧が好きだった.ほたる式部秘抄は軽妙でシャレっ気があって結末が明るくこういうのもいい. -
「沼」、「致死量の夢」、「雪の下の殺意」が心ひかれました。女、だけじゃないけど、人が隠してたのに、持て余して、どうにもならなくなった感情が染み出てくる瞬間とか、壊れてく瞬間ってこんなんかなと、一般論として怖くもあり、納得してしまう自分に怖くもあり。装幀と表題がロマンチックです。
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単行本未収録の16編の短編集で、『夜のリフレイン』と対をなす。
なので初出は1976年〜1996年の「小説宝石」をはじめとする諸誌。
年代順に並べられているが、嫉妬からサーカスのオートバイ乗りと一緒に事故死で心中しようとする表題作が一番鮮烈。前半は嫉妬がテーマになっている作品が多い。
少女ための私立更生施設の寮監からみた収容生の話「魔笛」は、不条理と憎しみをもっと深めて長編になりそうな物語。
終わりに近づくにつれミステリーの傾向が強まっていくが、皆川博子はミステリーより不条理、不可思議の物語が好き。 -
主に1980代に書かれた短編を収めた短編集。
「夜のリフレーン」と対になっているらしい。
昭和の香り高く、近年の著者の作風とはやや違い濃厚で湿り気が強く、「性」と「死」がモチーフとなっている。
最後に納められた一編は最近のもので、他の編との対比が面白い。 -
多彩な作風で、どれも暗く怖く、美しい。
『はっぴい・えんど』が◎ -
2019/5/10(金曜日)
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女の情念が渦巻いている。
ぐるぐるぐる。
どろどろどろ。
幻想小説の成分は薄め。
女たちの重い感情をたっぷり味わえます。