- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152101860
感想・レビュー・書評
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ノーベル賞作家オルハン・パムクが語る「トルコで反体制派の作家として生きるということ」 | 新作『ペストの夜』で再びトラブルに | クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/302377/
ペストの夜 下 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
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〝ペストは個々の人間に感染し、その肉体と精神を冒し、生命を奪うのに飽き足らず、どうやら人間社会そのものにも感染して変異させ、結果として革命という名の大いなる病変/抗体反応を導いた〟・・・実在した歴史上の人物、小説に登場する架空の人物たち・・・ペスト禍と革命によって命を落とす人間の数の大きさに唖然となる、過酷で冷酷非情な歴史叙情物語。
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著者オルハン・パムクの熱量に圧されて読了した
オスマン帝国末期の世界史にもっと詳しければなお面白かったかもしれない
センチメンタルな部分も多い
パーキーゼとヌーリーがミンゲル島を離れてからの「何年ものちのこと」は物語としての面白さがなく蛇足でしかない -
とんでもない面白さだった…!!
下巻はまさに圧巻で、ページをめくる1秒ももどかしいほど。
舞台はオスマン帝国領なのだけど架空の島、ミンゲル島。
ペストの感染拡大に、宗教や民族主義、個人の野望やら恋愛やらも絡んで、思いがけない方へと突き進んでいく。
架空の歴史だけれど、今現実で目にしているものと重ねずにはいられず、何重にも面白かった。
解説もとてもわかりやすく、一層理解を深められる。
オルハン・パムクは今回初めて読んだのだけど、他の作品もぜひ読みたい。 -
オスマン帝国の終焉に、架空のミンゲル島での激動の歴史やペストとの闘いを寄り添わせる。このミンゲル島の緻密な設定、架空と思えないほど解像度が高く書き込まれている。地中海の島で住民はギリシャ正教徒とイスラム教徒が半々の宗教や文化の違いがあり、市井の人々の生活や島の地理まで、今も世界で最も小さい独立国の一つとして旅行できそうなリアルさだ。ペストという疫病が島を襲う。「本書に記されたさまざまなことが(略)どことなく見覚えがあるように感じられたのだとしたら、それは偶然ではない、意図されたことである。」もちろん2023年の読者は世界を襲ったコロナウィルス、世界の混乱やロックダウンを想起する。2019年以前ならできなかったレベルで共感できる。パンデミック鎮圧に奮闘するヌーリー医師とパーキーゼ姫の、リアルなようでファンタジックな波乱万丈の一生にも引き込まれる。パムクの新たな名作。
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率直に言ってまったく合わなかった。架空の島と架空の民族、架空の歴史を題材にした物語であることに全く抵抗はないが、繰り返される後世の架空の史家や民衆からの視点の描写、しっくり来ればディティールのリアリティを際立たせてくれるはずの言葉の一つ一つが、私には逆に「つくりもの」感を際立たせ、読んでいて虚しくなってしまった。登場人物たちの行動もピュアでナイーブにすぎると感じてしまい、貴賤を問わずその生まれや立場、職業に見合った生々しさがほとんど感じられなかった。といってもノーベル賞作家、私個人の感じ方の問題ではあろうが…楽しめず残念。
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面白そうで全く入れず