グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice 9)

  • 早川書房
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本棚登録 : 736
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153200098

作品紹介・あらすじ

子どもの頃から失読症でものを覚えるのに苦労している私は、どのようにして認知科学の博士号を取得し、グーグルのCIO(最高情報責任者)まで務めたのか。押し寄せる情報に対処するには、まずは社会や自分自身が課す制約をうまくかいくぐって、脳にストレスを与えないことだ。また、情報はクラウドに預け、整理するのではなくて検索する術を身につけること。いま世界が注目する情報の達人が、自らの体験を交えながら、「整理術の原則」を伝授。またGメールやグーグル・カレンダーなどの知る人ぞ知る活用法も公開する。

感想・レビュー・書評

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  • この本を手に取った理由は2つありました。
    1つは、グーグル社についての情報収集を行うこと
    もう1つは、デジタル情報の整理に汲々としている現状をなんとかするため

    正直に言えば、それら2つの目的は、十分に果たされませんでした。
    グーグル社の元CIOとはいえ、書かれている内容はご本人の体験談に基づいた普遍的な事柄であり、
    デジタル情報の整理については、まえがきから「この本はHow to本、Tips集ではない」と自ら語られている通り、
    具体的なノウハウは脇役として添えられている程度です。
    従い、タイトルから上記のような目的で購入を検討されている方は、別の本を当たられたほうが妥当かと思います。

    しかし、その前書きから引き込まれ、目的を忘れて読みふけってしまう本でもありました。
    グーグル社のCIOといえば、情報の取り扱いのプロ。
    情報の波に飲み込まれることもなく、完璧に整理された頭脳で、効率よく仕事をこなしているのだろうと思っていたら、そうではなく、
    失読症であるがゆえに、通常の人より多くの苦労と試行錯誤をしながら、自分なりの整理術・仕事術を確立してきたというのです。
    そんな著者なので、自分のやり方は普遍的なものではなく、読者個々人が 自分にあったやり方を見つけることが重要と繰り返し説きます。
    よって、この本は自己啓発本として読むべきでしょうし、その意味で、大変良書だと考えます。
    (ちなみに、『参考までに』と自身のやり方を惜しみなく開示してくれていますので、自分のやり方を考える糸口も得られると思います)

    何よりも気に入った点は、文章の明るさとフランクさ。
    持病のこと以外にも、著者の人生に起こった悲劇的なできごとが、情報整理の重要さを物語る挿話として描かれますが、
    わざとらしさも説教くささもなく、読みやすく、勇気付けられる人も多いと思います。

  • 古い本であるがゆえに内容もどこかで見たさもの。
    そして何より読みにくい

    これだったら他の整理術を、読んだ方がいい

  • 情報整理術なんて人それぞれ立場や仕事が違えば変わってくるから、役立ちそうなところをつまんで自分なりの方法をみつけるしかないなぁ、と改めて思った。

  • 1

  • 筆者は、元Googleの最高経営責任者。
    なので、一般的なLifeHack本とは違うという期待を持っていた。

    以前読んだ「リファクタリング・ウィットウェア」はHow to よりもHow it worksに主眼をおいた認知学的な内容がとても新鮮だった。

    この本の第一章は、それに近い内容。
    ただし、全体的には、解説というよりも、自分の経験談だ。

    本書に書いてあるように、情報の整理方法は万人で異なり正解がない。
    だから、「脳がどう認知するか?脳にとって負担にならない方法はなにか?」
    という本書のコンセプトは正しいけど、ベースの部分が浅いまま、中盤のツールの説明になり、この部分が決定的に退屈だったし、本書の目的とも異なるんじゃないかなと思った。

    ただ、筆者が情報の整理を真剣に考える切っ掛けとなった「妻の死」のいきさつは、すごく身につまされる生々しい内容だった。たぶん、本書のコアはそこだろう。

    就職活動中の学生や、入社間もない20代の会社員に進められる。

    プライベートと仕事の関係が、現代ではまったく異なっているという部分の解説は僕も同意する。

  •  情報整理術の本も「グーグル」の4字を冠した本も腐るほどあるわけだが、本書は著者の1人(ダグラスのほう)がグーグルのCIO――最高情報責任者をしていたという点がミソ。

     つまり、グーグルの「中の人」自らが、グーグルなどを利用した情報整理術を説く一冊なのだ。「きっと、有象無象のITライターが書いた本よりも深い内容に違いない」と期待して手に取った。

     が、かなり期待外れ。
     何より、本の構成がものすごく中途半端で、的が絞れていない。
     これは、情報整理術の実用書であると同時に、情報についての著者の「哲学」を開陳した書でもある。また、著者自身の思い出を綴った自伝的エッセイでもあり、上手な記憶法のコツを説いた本でもある。

     いったい、著者は何の本が書きたかったのだろう?
     実用書なら実用性に徹するべきだし、逆に高尚な情報哲学の本が書きたいのなら実用性は削ぎ落とせばよい。自伝が書きたかったのなら、最初から自伝に的を絞ればよかったのだ。著者は子ども時代から失読症に苦しんできたのだそうで、にもかかわらずグーグルのCIOにまでなった半生は、じっくり書き込めば感動的な読み物になっただろう。

     情報整理術の本に中途半端に自伝的要素を持ち込んでいるものだから、実用書を期待して手に取った私には、随所にある「自分語り」がウザくてたまらなかった。

     肝心の情報整理術についての記述も、Gメールやグーグルカレンダーの上手な使い方などというありふれたもので、すでに使いこなしている者にとってはなんら新味がない。

     それと、アメリカン・ジョークというか、笑いを狙ったヒネリが文章の随所にあるのだが、それがけっこう寒くて鼻白んでしまった。

  • 2010/03/05

  • 情報整理の本も少し読み飽きたのでこの本を最後にしばらく読まないことにしよっかな。

    制約を無視すべきケース
    週に1回情報を見直す日をもうける

    この2つが参考になった。

  • 図書館

  • "3部構成になっている。各章の終わりに著者がいいたいことがまとめてある。
    心に残ったものを抜き書きしておく。

    P1 自分を客観的に見つめなおす
       1.自らの脳を探る旅  物語で記憶する。記憶したものをどう使うか意識して。
       3.自らの制約と向き合う 制約には2種類(思い込み、現実的)。この違いを見極めろ。
       4.目的を明確にすることが重要 目標が分かれば、重要な行動、必要な情報が見え効率が増す。

    P2 新時代の整理術を身につける
       5.検索が重要なわけ 検索は新時代の整理術の基本。
       カレンダー、Gメール、紙とデジタル情報の活用など様々なツールを紹介している。

    P3 大小さまざまな困難に打克つ
       最後のまとめに整理術の原則20
       1.脳の負担が少なくなるよう生活を組み立てる
       2.なるべく早く、情報を脳から追い出す
       3.ながら作業は、効率を低下させる
       4.物語を使って覚える
       5.いつもの習慣が常に正しいわけではない
       6.知識は力ではない。知識の共有こそが力である
       7.思い込みの制約ではなく、現実的な制約をくぐりぬけろ
       8.自分自身に心から素直になる
       9.制約を無視するケースを知る
      10.エンジンをかける前にどこにどうやって向かうか明確にする
      11.目標の達成方法に幅を持たせる
      12.情報を整理するではなく検索する
      13.本当に記憶に必要なものだけ記憶する
      14.大きな塊を小さな塊に分ける
      15.週一回、重要な情報を見直す機会を設ける
      16.完璧な整理術などない
      17.後の検索のためにデジタル情報にはキーワードを追加する
      18.文脈の変化を見越してメモをとる
      19.文脈の似た仕事をまとめて行う
      20.仕事とプライベートはバランスではなく融合させる

    最後に載っている筆者のお勧めツールも参考になる。
    デスクトップ検索は、クイックシルバー(Mac)
    メールは、Gメール
    その他の通信ツールは、アディウム
    オンライン・バックアップは、ドロップボックス、ウィンドウズ・ライブ・シンク
    ToDo管理は、シングス
    ウェブブラウザーは、モジラ・ファイアフォックス、エックスマークス
    などなど

    マッキントッシュのPCを買いたくなった。"

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