- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163187600
感想・レビュー・書評
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書棚より抜き出し、20年ぶりに再読。
『テロリストのパラソル』で史上初!乱歩賞と直木賞をW受賞した著者の3作目。
元暴力団の息子で現在は大手食品メーカーの宣伝課長という、ちょっとありえないような設定の男が主人公。
冒頭、雨の夜酔いつぶれて、風邪を引いた情けない登場の仕方をする。
発熱に耐えながら、会社の恩義ある会長が自殺した謎を明かすべく奔走する。
20年前の作品なのに、少しも古さを感じさせないで読むことができる。主人公や、彼の周りの人物設定がしっかりとされているからだろう。
続編があるようなので、読んでみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本編中堀江がずっと高熱出してるので、全部がインフルエンザの熱で見せられた夢みたいな話だったな。
藤原伊織の小説、出てくる女がみんないい女なのですごい。大原もナミちゃんも佐伯貴恵も、加賀美順子も。
マイクの「ぼくはこの国の連中とは肌のいろがちがう。でも、あんたもそうだね。外側のことをいってんじゃないよ。内側の肌のいろが、あんたは周りとちがってる」はお気に入りハードボイルド台詞。
しかし坂崎との任侠パートだけまるで別の作品みたいな空気感だったな。若かりし堀江との剣道一騎打ちのシーン、BGMが違うというかなんというか…坂崎が絵に描いたような昔気質のヤクザキャラということもあるけど。
そんでもって堀江の思惑を、忠義ですべてを持っていくところもすげーよ…あんたが言うなら仕方ない…そして最後の最後に株を上げる石崎会長の漢よ…(もちろん経営能力のなさと、背任罪は罪だけど)
ところで感性が中学生なので、大原が堀江にキスしたとき「ええー不倫だー!」と声を出してしまったし、勝沼と与田にもヒャー!と声を上げてしまった。
そして貴恵と順子の本当の関係を知ったとき、順子がまだ十三だったという情報でなんというか泣きそうになってしまったわ… -
「テロリストのパラレル」以降、藤原伊織は読んだことなかったが、図書館でなんとなく目についたので読んでみた。ラストは一気に読ませてくれた。自分もオッサンになってきたせいか、渋いオッサンが活躍する作品は感情移入できる。続編もあるので期待。
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ピンチを超人間的な行動で切り抜ける。並みの人間じゃ到底無理だもん。ピンポイントでそこだけ白けてしまう... のだけど、静かに展開されるもの凄いドラマはやっぱり魅力的。
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人の良い会長の自殺を発端に会長が隠してきたプライベート、企業の裏側などを主人公が暴いていく。
こういうハードボイルドを読みはじめてまだ短いのだけどなぜこうも主人公はヤクザと深い関係があり、喧嘩がめっぽう強いのだろう。とふと思ってしまいました。それがハードボイルドの醍醐味なのかなぁ。これからもっと読んで確かめていきたい。
銃撃戦とかそういうのはなく、調査を重ねていき事実を突き止めるのだけど、調査に訪れる場所がこんなに少なくても、そんな重大な事実にいきつけるのかと。主人公がキーパーソンとつながりがあったり、会社ではお偉いさんと仲良しだったりってのもあるのだろうけれども、いいのかなこれで。 -
やさぐれた感じのサラリーマン堀江。退職勧奨に応じて仕事を辞めることにするとこラオから始まる。しかしやさぐれサラリーマンが、実は仕事ができていけんかも強い。男気もある。上司にも信頼されている。実はできるんだよとわかり、事件を解決していくから、うれしくなりついつい読んでしまう小説にだった。実際にはこんなおじさんは、いないなあ。
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面白かった。主人公が一見やさぐれおっさんリーマンなんだけど、実は、、、で、これまた妙に格好良い。でも格好良すぎないところも◎。脇役陣も個性的で魅力的。経済系絡みの事件なので、その辺に疎い人間としては小難しい部分もあったが十分楽しめた。ハードボイルド好きかつキャラ萌え好きな方にはとっておきのオススメ作品だと思う。続編があるみたいなので、そちらも楽しみ。
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この著者の硬い言葉が大好きで、久々に読んだこの作品も問答無用で楽しんだ。
久し振りの硬さなので少し衝撃を受けている。
発熱制限最高。 -
先日、藤原伊織の最後の本を読んだら
懐かしくなったので、また読み直しです
てのひらの闇・・・色々なことに感謝をし
損得ではなく真実究明に危険を犯して向かう
堀江・・・やくざ組長の息子にして、親殺し
の原罪を抱えながらも、鋭い視点が言葉の
嘘を見抜き、真実を暴く
本当にカッコいい!!!
ハードボイルドのカテゴリに他の人が
くることがあるでしょうか!
いや、ない!(反語)
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「ホワイトノイズ」を改題