龍宮

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 325
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163210308

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ川上さんのなかで一番つまらなかったな・・・。荒廃した気持ちになりました。

  • 2003年2月7日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    ひさしぶりにゾクゾクとした短篇集を読んだ。
    不思議な物語を得手とする川上女史の作品である。
    しかも、今回はタイトルからもおぼろげに連想できるように、
    どこか昔話・・・いわゆるお伽話チックである。
    しかも、「昔、昔、おじいさんとおばあさんが・・・」から始まり、
    「めでたし、めでたし」で締め括られる定型ではなく、
    もっと淫靡で、生臭く、一抹の寂しさが漂っているのである。
    本当の物語はきっとこんなふうにタブー性が強かったのだ。
    軽々しく語られ、強引にハッピーエンドに持ち込まれるのではなく、
    大きな声では語れないことを、恐る恐る語り継ぐのだ。
    お気に入りは「島崎」、「轟」。

  • このひとの描くおとぎ話は、
    夢で見た世界みたいな妙なリアルがあって、
    だから好きです。

  • 2008.08.16. 久しぶりに再読。変。変な世界。変というよりは奇妙?でも、いつのまにか、ぬるぬると引き込まれている自分にハッと気づく。

  • おどろおどろしい感じ。
    正直、苦手かも。

  • 芥川賞受賞者の作品を読んでみようと。この本は短編集ですが、鯛やひらめの舞い踊りといった擬人化されたどろりとした感触を持つ作品群です。
    非日常の空気を吸いたい人にはお勧めかも。

  • この人の小説はほぼ好きなのですが、こういう不思議系はいまいちわたしには合わない。

  • 途中で頭が狂うかと思った。狂っているのかと思ったというか、狂いそうになった。それぐらい、本の中のことが本当みたいでこっちにいるのが違うみたいだった。特に「荒神」以降からおかしくなって来た感じがあって、怖い1冊だと思った。それでも、読まずにいられない、中毒チック。やっぱり「センセイの鞄」は違うんだと思った。

  •  ものすごく川上弘美さんらしい小説だと思います。
     8編の短編が入っています。

     すべて、日本か中国のおとぎ話のような雰囲気でありながら、文体は川上弘美さんそのものという感じで現代的。
     普通の人間でない人(?)が出てきます。たとえば、昔は蛸だったという人とか、モグラとか、荒神とか、人かと思えばご先祖さんで何百年も生きていたり。

     話の中に、人間世界の不思議(と、作者が思っていること?)が浮き彫りにされています。

     それから、漢字と言葉が難しいものが沢山出てきました。私は通勤電車の中でしか読む時間がありませんでしたが、電子辞書が重宝しました。

  • 小さな曾祖母。人間界になじめなかった蛸。男の家から海へと帰る海馬。台所の荒神さま。遠いカミの世から訪れたものとの交情を描く傑作短篇集。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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