グロテスク

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2436
感想 : 369
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163219509

感想・レビュー・書評

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  • 自分は読みづらかった。
    堕落なのか。

  • 壮絶で、ディープでどんどん読み進んでしまったが疲れた。後味悪い。殺人事件をモチーフにしていりから、救いがなくて当然なんだけれど。

  • 東電OL殺人事件をベースに書いた話。
    語り部は「私」であったり、殺害されたOLの和恵、殺害犯などたくさん代わり、
    色んな視点から事実・・・というよりも「当事者たちにとっての真実」を晒していく。

    登場人物は年を追うごとに、悪い方向へ変化していく。
    美鶴のぶっ飛びかたが見もの。
    ラストで、「私」が語り終えてからユリコの息子と渋谷に出かける くだりは、無くてよい。

    美鶴以外の登場人物はすべて、他者に興味がない人物ばかりで、興味のなさ加減を見ているだけでもヒジョーに楽しめる。

  • おもしろい。すごい読むの時間かかっちゃった。ゆりこと姉と和恵とみつる。

  • とある姉妹とその周囲の女性たちのお話、姉妹の姉視点で話は進む。ともかくどのようにしてグロテスクになってしまったのか、淡々と綴られている。 とにかく長い、内容もあって読み疲れた。

  • 昼は淑女で夜は娼婦。成績優秀で有名大学を卒業、大手企業で総合職に就きながらも、夜は娼婦として体を売っていたOLが殺された「東電OL事件」。

    リアルタイムでは知らないけど、彼女の不可解な行動は、多くの人の関心を集めたようだ。作家もまた然り。中村うさぎ氏も彼女について書いていたし。

    桐野夏生氏らしい、生々しい心理描写にゾッとしつつ…
    エスカレーターの女子校特有のあの雰囲気がまたリアル。。


    主人公、その美貌の妹ユリコ、地味な同級生の和恵、3人の語りと日記で進行する物語。 ユリコと和恵を殺したチャンの供述もあるが。

    救いがない…こんな風に終わるとは…。体を売ることで自分を特別な者と思い込んだ和恵と、男がいなければ生きていけないから娼婦になったユリコ。

    結局はユリコに皆依存しているような。怖いなぁ…

  • これが現実、これが日本。外人に勧めたい。

  • 鬼才過ぎて恐ろしくなりました
    読み終わってトラウマになるような強烈な作品です
    もう少し大人になってから読めばよかったと思います
    ただ、桐野さんの才能には毎度驚かされます

  • 桐野夏生、初めて読みました。
    こんな話、普通の作家には絶対書けないなあと思う。技術的にどうこうという話じゃなくて、こんな感情を、ここまであけすけに、醜悪に、描くのではなく映しとったように表現できてしまうのって、すごいとしか言いようがない。
    容姿に学歴に、劣等感に羨望にプライド。もともと和恵の事件の元ネタになった事件に興味があり手に取ったのですが、ここまで自分が想像していた「彼女」に近いかたちで和恵が描写されているとは思っていなかったので心底ぞっとした。虚構だけど、限りなく「ほんとう」に近いんだと思う。550ページほどの本でしたが開始50ページあたりから既に胃が引き絞られるような感覚の中で読みました。和恵は、容姿に、学歴に、自意識に、社会に、ジェンダーに敗れてしまった未来の私のifだ。読んでいる最中ずっと、吐き気すら伴うような嫌悪感が止められなくて、それは最終的に自己嫌悪に向かう。
    文句のつけようがなかった。でも、だからこそ二度と読まないと思います。というか、読めない。あー気分悪い。(もちろん褒め言葉)

  • とても「女」な作品。
    私自身が女だからか、共感できる点があり(共感したくないんだけども)、えぐられた。

    章によって語り手?が変わるため、飽きずに読めた。

    しかし肉地蔵が辛かった…。
    久しぶりに引きずられた。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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