- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163225807
感想・レビュー・書評
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今泉文吾探偵シリーズ 5
歌舞伎役者・岩井芙蓉の家が火事になり、当時、寝ていた妻の美咲が被害に遭い、未だ、昏睡状態のまま。
岩井芙蓉と美咲の夫婦仲は、冷えていて、芙蓉に疑いがかかるが、芙蓉には、アリバイがあった。
名家の御曹司である芙蓉。かたや努力でのし上がった国蔵。ライバル同士で、対照的な二人は、言葉も交わさない。
美咲と、親しくしていた国蔵は、火事の真相を突き止めて欲しいと、今泉探偵に依頼する。
美咲と、芙蓉・国蔵を巡る謎が、今泉探偵によって、明かされる。
小さい頃、日舞を習っていて"お染久松"のお染を踊った事があり、お師匠から"色気が無い"と言われたことが、懐かしく思い出された。
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今泉探偵シリーズ5冊目。今回も梨園が舞台で、内容も今までと同じく二人の人間の視点が交互に描かれている。一方はお馴染み小菊ちゃん。もう一方はこの物語の軸になる歌舞伎の女形・岩井芙蓉付きの番頭(チケットの手配案内など裏方の仕事をする人)玉置実。実の方は一年前から話が始まっている。
好きになっても決して振り向いてくれない人への愛情。近くにいるのに遠い存在。このシリーズの前作同様とても切ない内容だった。実は芙蓉さんは国蔵さんの事が好きなのでは!?と途中から思っていたのだが、考え過ぎだったようだ…三浦しをん作品なら、そうなってただろうな(笑)
今泉探偵シリーズは今のところこれで終わっているが、是非また読みたい。次回作期待しています。 -
歌舞伎シリーズ
女型を演じていると心まで女性になったりするのかな
歌舞伎の切ない物語だった
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今泉探偵シリーズは何でか読んでしまう。歌舞伎の切ない世界が体験できて、非常に良い。
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歌舞伎役者の話。過去の事件の真相を解明する。
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★3.5
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芙蓉さんは國蔵さんが好きなのかと思った。
深読みしすぎだった。 -
ブクログで映画の話をするのもアレだけど・・
俺は映画の『脚本』を語る時・・
タランティーノの【キルビル】と【レザボアドッグス】を《基準(ものさし)》にしている・・。
んじゃ・・
それを『小説』に置き換えるとどうなんだ?て話(V)o¥o(V)
『小説』なら・・
赤川次郎さん『三毛猫ホームズ』や宮部みゆきさん『淋しき狩人』を《基準(ものさし)》にしてるんよね(^O^)
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道成寺と言うので・・
歌舞伎に関する書き物だとは分かるけど・・
この書き方・・ストリーミング?には度胆抜かれた((+_+))
赤川さんは赤川さん。
ユリはユリ。
宮部さんは宮部さん。
バラはバラ。
それぞれがそれぞれだから・・
比べたりする悪癖は無いんだけど・・。
これは秀逸・・。
新しい?興味深い?物語の進め方にただただ感嘆(*^^)v
素晴らしいです!!!
ただ・・
・・誰にでもかれにでも薦められる書籍では無いですね(+_+)?
主題が歌舞伎だし・・。
歌舞伎に興味が有る方のみ!!!
是々非々に・・q( ^・^)p -
歌舞伎のシリーズ。歌舞伎の内容を知っていればもっと楽しめるのかもしれませんが、知らなくても十分楽しめました。途中まで「道成寺」ではなく「道明寺」だと勘違いしてました…
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頻繁に現在と過去の書き分けがあって、今いつの話で誰が話しているのか少し混乱しつつ物語は進みます。いくつかのパターンを思い浮かべつつ読み進めて、明かされる寸前にあぁそうか、となる感じ。うまく道を示されている感じがあります。セリフの伏線も歌舞伎と絡みつつ回収して、メタに走ることなくまとめる。やっぱり読んでて安心する作者です。衝撃的に謎が明かされてという風ではありませんが、丁寧な書き味が読んでいて伝わります。
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今泉シリーズ。
このシリーズの他の話同様、これも切ないお話でした。
決して自分を愛してくれない人を思う絶望って、どんなだろう。
しかし、巻末にあとがきやらインタビューやらがあるのに気が付かず、まだまだラストまでページが残っていると思い込んでいたのに急に物語が終わる驚きといったらなかった。。
「え!?これで終わり!?」としばし放心。
色々な意味でちょっとガッカリしたのは事実だけど、このシリーズの淡々とした切なさがやっぱり好きなので☆5。 -
歌舞伎を題材にしたミステリー。
引き込まれて一気に読みました。 -
わたしに歌舞伎の教養がなかったことが残念。ミステリとしては、よくできていると言えばできているけれど、すこし恋愛要素が強すぎる気がしないでもない。シリーズ3作目を最初に読んでしまったので、前2作も読んでみたいなー。
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歌舞伎界のお話。歌舞伎に詳しくなくても面白く読める。
この話がミステリでなく進行形で、さらにもっと
人物の独白とかを書き込んでたら、私にはどろどろしすぎて
読めなかっただろうな、と。
淡々とした感じが丁度よい。
が、シリーズの途中から読んでしまった・・w
多分、前の話のネタバレはないんですけどね・・。 -
歌舞伎シリーズも、快調に回数が進む。
小菊と師匠、今泉探偵等、同じみのメンバーで、登場人物の性格などがわかっていると更に楽しめる。
巻末の作者へのインタビュー、他作品の解説にもなっていて、近藤作品の指南に役立つ。 -
梨園(歌舞伎界)を舞台にしたシリーズ物ミステリー。
歌舞伎の人気女形の家が火災にあい、彼の妻が意識不明の重体になった。その裏側を、主人公である役者・小菊と、彼の友人で探偵である今泉が探っていく。歌舞伎の演目のストーリーや登場人物に重ね合わせながら物語が進んでいくのが面白かったけれど、歌舞伎を知らない私には、少し取っつきにくくもあったかも。
それに、これは近藤史恵さんの歌舞伎シリーズの4作目。実は1作目を読んでいないので、登場人物である主人公の小菊や、探偵の今泉の登場シーンを知らない。だからなのか、彼らのイメージが掴みきれないまま読み進んでしまっているんですよね。今度こそ1作目を読まなくては、と思っているところ。
まだ、近藤史恵さんの小説をあまり沢山読んでいないので、巻末の「近藤史恵論」が読めなかったのが残念。いつか、またこの巻末に戻ってこなくては、と、自分へのメモ。
そういえば、2作目の「散りしかたみに」は、顔に傷を受けてしまった歌舞伎役者のお話でした。ワイドショーネタは好きじゃないけど、このところの海老報道を聞いていて、なんか、不思議な気持ちになりました。 -
女の情念。
探偵シリーズなのに探偵の影が薄いところがいい、このシリーズも4作目。
道成寺というタイトルからてっきり安珍清姫伝説と絡めたのかと思いきや、摂州合邦辻が大筋を占めていた。
ただ、タイトルにピンと来る人もいるだろう。(私は最後まで清姫伝説のアノ場面をコロッと忘れていた・・・)
ある意味最大のネタバレをタイトルでやってしまうとは・・・近藤さんも賭けたな。
実の過去視点と小菊の現在視点で話は進んでいくが、途中でこの話は四角関係か、とあらぬ疑惑をかけていた(笑)
それは無いと分かっても最後まで三角関係の疑惑を捨て切れなかった。
結局、一方通行(おそらく)行き止まりだったので良かった・・・(のか?)
三角関係だったらもっと面白いと思ったが、おそらくそこまで話を引っ張ると本筋と離れてしまうだろう。
私のものなのに、決して手に入れられない。