アキハバラ@DEEP

著者 :
  • 文藝春秋
3.50
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本棚登録 : 1399
感想 : 237
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163235301

作品紹介・あらすじ

電脳街の弱小ベンチャー「アキハバラ@DEEP」に集まった若者たちが、不眠不休で制作した傑作サーチエンジン「クルーク」。ネットの悪の帝王にすべてを奪われたとき、おたくの誇りをかけたテロが、裏アキハバラを揺るがす。

感想・レビュー・書評

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  • 上手いなあ。盛り上がりを裏切らない。

    衣良さんは、まっすぐでひたむきな人物を書くのが得意なんだと思う。
    不器用で問題児なんだけど、どこか純粋な部分を大事に守っているキャラクター。
    作りたい・やりたいことが透けて見えるから作為的にも思えるんだけど、読んでいると納得させられてしまう。どこまでも客観的で冷静。多分、冷酷なキャラクターを正確に描写できる人なんだろうなと感じる。
    迷いや感情的な温度を感じないのに、読者に共感を呼び起こす。

    わざとらしさと自然体という対極を両立させる器用さが、衣良さんの特徴で、強みで、弱点かと勝手に思っている。
    この作風で次はなにを書いてくれるのか、変化はあるのか。
    気になってしまう。…結果、次作も読むこととなるのでしょう。

  • 石田衣良の時代感覚がすごい!
    秋葉原とそこに通うおたくたちを、すごく正確にとらえてる気がする。

    語り手が変わってておもしろい。
    けど最初と最後はそのせいでのめりこみにくかったような・・

    中盤がいちばんおもしろかったな。

  • とあるネット上の賢者によって、秋葉原に集った若者たちが、「クルーク」と呼ばれる画期的な検索エンジンを作る。
    これを大手ネット企業グループの総帥が狙い、強制的な手段により奪われる。
    そこで、彼らはこれを奪還するために、明るいテロを起こす……というのが筋書き。

    アキバに詳しい人間に取ってみると、少し物足りないが、ストーリーとしてはありそうな内容。(また、キャラクターもよく居そうな人間)
    アキバという少し曲がった匂いのする街の様子をうまく描けているし、技術屋の健康より出来たものを愛する性癖もよく現れている。

    ただ、後半のご都合主義的なあっけない結末は少し……。
    それでも、エージェントとも言えるクルークの仕様は、題材としては非常に興味深い。未来を少し垣間見たような気がする。

    ちなみに、今の秋葉原は、この匂いが薄くなっている。
    個人的には非常に残念だと思う。こういった本の中でしか、その匂いを嗅ぐことはもう無いのかも知れない。

  • アキハバラ@DEEPが一から作った成長する検索エンジンクルーク。だが、クルークは盗まれてしまう。6人は奪還作戦を決行するが…。 石田さんの描く弱い人たちの強さがとてもかっこよかった。アキラは最初から強くてかっこよかったけど、弱いページとタイコが自分の弱さを武器に戦うシーンにどきどきした。

  • 前半は専門的な用語についていけなく退屈したが、巨悪に立ち向かう後半は楽しめた。今まであまり知らなかった新しい視点の小説。

  • 石田衣良

  • ひとりひとりではか弱すぎる6人が、補い合いながら世界を凌駕するものを作り出すお話。
    アキハバラだからできるんだ、っていう雰囲気。

    AIとか謎だけど、なかなかおもしろかった。

    強すぎるアキラといつの間にか肉体派になったボックスに惚れる。

  • オタクが頑張る話だと思ってたけど違った。普通の青年達が頑張る話だった。読んでいて面白かった。あきらの漫画みたいなキャラと強さも良かったけど、グローブ付ける前からボックスのキャラが何か好き(^o^)火投さんの元彼の奮起にワクワクした。イズム、、結局君らは人の心がわかるのわからないのどっちなの?(多分わかるけど、相手を大事にする所が動くの遅いだけなのかも)

  • 秋葉原のオタク達が会社を興し、画期的なサーチエンジンを開発した所に、業界大手のSBみたいな人が買収を仕掛ける。正攻法でいかないとなると、裏で動きサーチエンジンを盗み出し、何食わぬ顔で来年度に発表するという。そこで アキハバラ@DEEPのネット仲間を通し戦争を仕掛ける。
    なかなか面白い作品である。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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