風化する女

著者 :
  • 文藝春秋
3.47
  • (4)
  • (11)
  • (11)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 79
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163258003

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • れい子さんは、一人ぼっちで死んでいった。

    会社の、部署は違ったが、互いに昼休みを一人で過ごしているのをきっかけに
    仲良くなった、れい子さんは
    43歳で独身のまま、突然死んでしまった。

    生真面目だけど、仕事が暇なときには、13階の誰にも使われていないトイレで居眠りしたり

    普段は化粧っ気もなく地味なのに、下着は黒や赤のスケスケだったり

    他の会社の子たちが私服の靴はおしゃれな割に、会社の靴はだらしないのを嫌ったり

    よく旅行に訪れていた北海道にいたひげ面の男の人の正体だとか

    誰かに好かれることもなかった、孤独なれい子さんの足跡。

    他短編。学生時代に仲の良かった譲くんとサラちゃんと私。
    「海行き」は、なんだか甘酸っぱくて切ない。

    れい子さんみたいな人は、会社では浮いちゃうだろうなあ。
    それでも惹かれてしまう人柄なんだろうなあ)^o^(

  • 中編2編。どちらも少し寂しい小説です。1編目は孤独死した43歳の職場の同僚の軌跡をたどる話。2編目は仲良し男女3人組の10年前から現在をたどる話。
    同じ年生まれの作家なので、小説に描かれている時代の空気や背景がよくわかる。私達の世代は孤独を怖がらない世代なのかなぁと思います。だからこそ、その寂しさが理解できて、心がチクッときました。

著者プロフィール

1976年生まれ。2006年、『風化する女』で第102回文學界新人賞を受賞しデビュー。2022年、『あなたに安全な人』で第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に、『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』などがある。


「2023年 『夜のだれかの岸辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木村紅美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×