玻璃の天

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163258300

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  • ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家。事故か、殺人か。英子の推理が辿りついた切ない真相とは。
    昭和初期を舞台にした北村ワールド。表題作のほか「幻の橋」「想夫恋」を収録。
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
    2009年 直木賞受賞の「鷺と雪」と同シリーズ。

    ベッキーさんシリーズは、
    円紫さんシリーズに似た、主人公の少女と探偵役の大人との
    推理が楽しめる作品。
    北村さんの真骨頂とも言える、思いやりや愛情のある、
    温かい空気の流れる会話を 堪能できました。



    『幻の橋』
    祖父の代で仲違いをした家の孫同士が惹かれ合い、両家はなんとか回復するも、
    過去の悲しい事件はもう戻らないという小さな痛みも残る。
    収録3作品の中では 私は一番好きな部分 ▽
    「ご両家の間にも、あなたと東一郎さんとの間にも、橋は掛かるのよ。
     でも、海老塚さんとツルさんの間に掛かる橋はないのよ。そのことを考えてあげて」

  • ベッキーさんシリーズ第2弾。
    北村さんの小説はすごく知的。
    それもとてもスマートなのです。
    品があるわあ。うっとり。

  • 資生堂パーラーの「ミートクロケット」が食べてみたくなった。
    調べてみたら今も名物料理としてあるみたい。コロッケなのに1500円するけど・・・。
    この人の本を読むと、他にも読みたいものがいろいろ増えて楽しい。
    ウェブスターの「パッティ」、ディードリッヒの映画「間諜X27」は今度見てみよう。

  • いかにもちゃんと時代考証してそう。ベッキーさんがスーパーウーマンすぎて、ちょっとなぁ。日常の謎系と思いきや、表題作は本格っぽいテイスト。

  • 街の灯の続編。
    ベッキーさんが相変わらず格好良くてステキだ。

    格差がはっきりしている昭和初期、主人公の考え方はとても進歩的。
    一軍人との会話がとても印象的だった。
    ミステリーと一緒に時代の流れや空気が感じられる本。

  • 円紫さんと私のシリーズの流れを汲むような、北村薫のちょっとミステリー。
    舞台は昭和初期の日本。まだ大日本帝国だった頃の、
    お嬢様とその運転手のベッキーさんのお話。
    語り口は軽やかで、話の進みも軽快。けれど話の筋は非常にしっかりしている。
    前作に当たる街の灯をどうしても読みたくなった。好き。

  • 『街の灯』はこの『玻璃の天』を描くために書いたのかと思えるほどの周到な構成!『鷺と雪』が楽しみ!

  • 「うれー」と二巻目を手に取りましたわ。英子様、後期におなりになって、お友達も皆様なんだか色づき始めましたわね。ベッキーさんが学識が豊で武道も達人であるだけでなく、世故にも長けて居るのには驚きました。 さてもうじき三巻が発売されます。戦争に向かって行く暗い時代にはいることがわかっているので、気楽に読めるか心配です。作者は「大団円を迎えます」とPR誌のインタビューで言っていますので楽しみに待つことと致しましょう。

  • 「ベッキーさん」シリーズ第二弾。ベッキーさんの過去が少し明らかに…。

  • 「街の灯」の続編。
    中篇3作を収録。
    昭和初期が舞台で、前作よりも益々不穏になる世情を背景とした事件を描く。
    柔らかで瑞々しい感性の持ち主を描くことに長ける作者だが、ひやりとするような人間の悪意を描かせても上手い。
    若竹七海といい北村さんといい、心地良さに酔っていると手痛い仕打ちを受けます。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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