- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163258607
感想・レビュー・書評
-
暮愁先生のもと、俳句を学ぶちゑ・壽子・松太郎。
うるはしき3人の乙女の周りに起こる、さまざまな出来事。
彼女たちは心の内に思う事を、どんな風に俳句に詠み込むのか・・・。
3人3様、性格が全く異なっているので、読み比べてみるのも面白いです。
乙女たち3人の出会い。松太郎さんと妹との悲しい別れ「とら、とら、とら」
女傑が持ち出した大がかりなイベントは・・・「おんな天一坊」
壽子のもとに届けられた秘密の恋文「冬薔薇」
思い上がった句会の新人仲間にぎゃふんといわせる「艶書合」
ちゑに舞い込む縁談、暮愁先生を悩ませる、大手句会の主催就任話。雪解け水のように、人はひとところにとどまってはいられない・・・「春の水」
の5編。
直木賞候補でしたね、この作品。
ラストがどうにも納得できなくて、私も☆3つです。話自体は興味深くて、情緒にあふれ、なかなかわたし好みだったのですが、やはりあのラストはさびしすぎるなぁ(泣)
でも暮愁先生の最後の一句、
百千鳥 この空のもと いづことて
に、ちゑへの愛情を感じてうるうるっときました。
ちゑの
春の暮 うれひもこひも もろともに
という句への返事のようにもとれて、乙女心がキュンときました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和初期、暮愁先生の元で開かれる月一の句会で知り合った、ちゑ、壽子、松太郎は性格や境遇は違うけれど確かな友情を育んでいく。そんな三人に訪れる恋や悩みを俳句に乗せて時代の移り変わりとともに楽しめる一冊。俳句というとなんだか堅苦しいイメージがありますが、句会の様子はとても和やかで楽しそう!句会のルールや季語について学ぶのも良し、暮愁先生のユーモア溢れる俳句に吹き出すも良し(笑)。句会の帰りにお汁粉片手にお喋りに興じる三人娘はまるで女子高生のようで可愛らしくて微笑ましい!魅力的な登場人物たちに思わず頬が緩みます。
-
俳句に使われる季語ってなんて深い意味があるんでしょう。つくづく日本語の美しさ、またその言葉に含まれる意味合いに心が洗われた。
舞台となる日暮里・浅草・日本橋などは土地感があるところなので、尚一層楽しめた。