聖女の救済

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163276106

感想・レビュー・書評

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  • 久々にガリレオシリーズを読みました。ドラマ化されてから初のガリレオだったので、やはりドラマのイメージが頭にちらつきますね。ちらほらと遊び心のある文もあり東野氏は執筆中どうだったのか気になるところです(笑

    今回は、容疑者が女性であること、非論理的な命題に対して如何に答えを出すか、がキーだと感じました。トリック自体は、冷静に考えると平凡というか、ある意味反則とも言える内容なのですが、その答えに至るプロセスが非常に読み応えがあって楽しめました。こういった論理的なストーリー展開はガリレオシリーズの真骨頂ですね。

    また、本の帯ですが、ミステリと理工学を紐づけてあれ程、人を惹きつける様な文章を生み出すのは本当に素晴らしいと思います。

  • 探偵ガリレオ・シリーズの長篇2作目。やっぱりどうしてもドラマの影響が抜けず、湯川も草薙も俳優陣の姿形で読んでしまいますね(笑) 内海刑事もなんだけど、彼女はドラマと原作で性格が違うので脳内で演技補完しています。面白い…!    

    IT企業社長の真柴が毒によって死んだ。第一発見者の若山宏美は妻・綾音が経営するパッチワーク教室の助手であり弟子だったが、実は真柴とは不倫関係にあり、真柴が予約した店に現われず電話に出ないため家に行き、ダイニングで倒れている姿を発見したのだった。
    傍に落ちていたコーヒーとフィルターから亜ヒ酸が検出されるが瓶などは見つからず、毒殺と断定されたが混入経路が判明しない。綾音は実家の北海道にひとりで帰省しており、侵入した不審者も見つからない。
    内海は直前に子供が出来ないことを理由に離婚話を受けていた妻・綾音を疑うが、混入方法が分からない。ひと目で綾音に惹かれてしまった草薙は、そんな後輩刑事に対して、いつも以上に反発する。
    内海は湯川に助力を仰ぐが、導かれた方法…それは『虚数解』だという…。
    理論的には考えられても現実にはありえない、その方法とは?

    草薙が!恋を!!というので、つい笑ってしまったが(失礼な)。
    それでも草薙は草薙でよかった…と読み終えて思いました。だってさぁ!そうでなければあの「容疑者Xの献身」はなんだったの?!って思いかねなかったですからね。よかった…。
    実験等の派手さは無いんですが、見つからない混入経路、真柴夫妻の結婚1年間のいびつさ、登場人物らの心理描写…すべてに惹きつけられてスイスイとページをめくる手が進みました。特に綾音の描写が…立ち居振る舞い、すべてが自然でありながら意図を探してしまうんです。(実際に伏線はかなり貼られている)さすが…と唸らずにはおれません。
    毒殺トリックは、実はとてもシンプルなのかもしれません。ただし、ありえない。逆説でありながら、「殺人」という真理に近いのかもしれない…
    考えてみるとタイトルは、とても深い意味合いですよね…。綾音はきっと、ずっと聖女の微笑みを浮かべながらパッチワークをしていたんだろうなぁ…

  • ふつうの人間は、どうやって人を殺すかに腐心し、労力を使う。だが今回の犯人は逆だ。殺さないことに全精力を傾けた。

  • 申し訳ないですが、トリックとしての複雑さはそれほどは無いと思います。が、それはあくまでも結果を知ってからの感想であり、これをこの状況で持ってくるとゆうのは、やはりすごいと思います。読む価値は充分にあると思います。

  • なかなか面白かった。色々人間模様が。

  • ガリレオシリーズ。知らずに読み始めました。
    最初、どんどんどんどん惹きこまれました!
    まさかの完全犯罪。
    そんな昔から作戦を練っていたとは・・・
    女の執念はすごいですね。

    トリック的には簡単だったような。
    (詳しく原理は分からなかったけど、何を使ってどう殺したかはすぐ分かりました)

    中盤からちょっと退屈になったので、星は3.5☆

  • 面白かった。
    草薙刑事を応援したくなる物語。

    どうでもいい話ですが、なぜか、読みながら新人の女性刑事を演じるなら真木ようこかなーと思った。

  • ■男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。湯川が推理した真相は-虚数解。理論的には考えられても、現実的にはありえない。

    ■■面白かった。長編で肉厚な文章は、だけどすごく読みやすくて上手い。人間関係とか、映画とか二時間サスペンスにして見たくなる感じ。トリックと犯人には脱帽。そうか、それで聖女の救済かと、物凄く納得させられた。圧巻でした。

  • 長編かつ未映像化であるせいか、シリーズここまでの中で最も堪能できた。広島行きのエピソードには、思わずニヤっと。ただ、あの夫妻が何故結婚するに至ったのかが、よくわからない。明日の新幹線で読み直してみるか…。 

  • 東野圭吾作品は結構当たりハズレがあり、ガリレオシリーズは型が決まっているので、比較的ハズレないものだが、この作品はひどい。。謎ときが強引過ぎる。ガリレオシリーズで最も駄作。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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