セカンド・ラブ

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163296203

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛ミステリー。
    ・・・いや、あの最後にゾッとさせられる感じはホラーかも!

    イニシエーションラブでやられたというか、
    何がやられたかもわからないくらいのはめられっぷりだったので、
    正直かなり注意深く読んでました。
    そんな私の薄っぺらい注意深さでも、そこそこ事足りた今回。
    でもやっぱりこの後味。。。
    乾さんならではなんだろうなぁ。

    80年代の空気感。
    恋愛の駆け引き。
    純朴な男。
    謎のある女。
    そして最後に「そうだったのか!」と突っ込まされる。

    わかっちゃいるけど、また他の作品も読んでみたくなってしまう!

  • 仕組みや構成は素直にすごいと思った。
    それを自分で理解できず、イニシエーションラブに続き解説サイトに頼ってしまいました(^-^;
    恋愛メインの話でサクサク読めたけど後味が悪い。
    正明が報われなさすぎる…
    マユも悪い女だったけど春香は理解できないくらいの悪女やった。
    乾くるみさんの本は恋愛の話のほうが私は好きだな。
    あともう少し他の本も読んでみようかな。

  • ★★☆☆☆
    理由が足りないし、独白は違うな。
    【内容】
    1983年元旦、僕は春香と出会う。僕たちは幸せだった。春香とそっくりな女・美奈子が現れるまでは。

    【感想】
    傑作「イニシエーション・ラブ」と同じような、ビックリシリーズ。
    イニラブには遠く及ばず。たしかにビックリして第1章を読み直しました。でも内容を書くとネタバレしちゃうのでこの辺で。

    個人的には、理由が足りないと思し、独白も残念だ。

  •  女性に縁の無かった主人公・里谷正明は、先輩に誘われたスキー旅行で、春香と出会う。清楚な春香と付き合うことになった正明は、頑なだった心がどんどん変わっていく。甘酸っぱくも幸せな日々に変化が訪れたのは、春香とそっくりな女・美奈子と出会った時だった。清楚な春香と大胆な美奈子の間で揺れ動く心。
     本作だけでも十分楽しめるが、できればシリーズ前作に当たる『イニシエーション・ラブ』(http://booklog.jp/users/tomiyadaisuke/archives/1/4167732017)を前後に読まれることをオススメする。

    ※以下は、前作『イニシエーション・ラブ』を読まれた方のみお読み下さい。



























     今回もやられました。

     『イニシエーション・ラブ』と違って、冒頭で結婚式の話が書かれていたので、だいたいのネタはわかったつもりで読んでました。が、最終パラグラフを読んだ時、今回も「やられた!」となりました。
     恋愛ミステリというジャンルになるそうですが、こういう叙述トリックは作り手の頭の良さに感服しちゃいます。最後のどんでん返しも、爽快に騙されて清々しいです(変な表現ですが)。
     レビューの中には「『イニシエーション・ラブ』の驚きを期待して読んだが、それには及ばなかった」という意見が散見されます。確かにそれはその通りで、『イニシエーション・ラブ』と比較した時、どうしても驚きは一段落ちてしまいます。だから、これから読まれる方は過度な期待を抱かずに読むのが良いかと(じゃないと、勝手に期待しまくって読んで、勝手に裏切られて勝手に怒る、というせっかくの読書が台無しになってしまいますから)。

     ミステリは読み慣れると、途中で仕掛けがわかっちゃうそうなので、そうなると「いっぱい読みたいけど、そうすると楽しめなくなる」というジレンマに陥りそうです(笑)。その点、幸か不幸は私は飽きっぽい乱読派なので、適性距離を置いてミステリとお付き合いできそうです(笑)。
     でも、本当にやみつきになりそう。乾くるみ作品は他のシリーズも読んでみようと思います。


    ※以下は、本書を読まれた方のみお読み下さい。



























     序章で思いっきり仕掛けをバラしたと思わせつつ、実はそれ自体が最大のミスリーディングだった、というのには上手いなぁと感嘆しました。
     最後のオチはミステリとしてはちょっと反則?とも一瞬思いましたが、オチに対する振りは本編の中でなされていたので、十分アリだな、くそう、ちゃんとヒント出してあったんだ…と気持ちよく悔しがりました(笑)。

  • イニシエーション・ラブに続く2冊名。

    冒頭の正明の視点にまんまとハメられながら、ラスト2行のトリックというイニ・ラブパターンの構成。

    要所、要所に散りばめられた伏線のキーワードを思い返して
    反芻しないと最後の2行で語られていることに瞬時に気がつけない。

    なぜ、春香(美奈子)は正明の気持ちをもてあそぶ必要があったのか。
    大学3年で元カレを自殺にまで追い込んだ過去を後悔しているのに、
    なぜこのような2つの顔を持って騙し続ける必要がったのか。

    技巧にイニシエーション程のインパクトもなく、純粋に恋愛に向き合う青年をもて遊ぶ魔性の女という名の行為が後味悪い。

  • 「イニシエーションラブ」を読んだので、一応続編。確か再読だと思うんだけど、全然覚えてなかった。そして、全然面白くなかった。何かちょっと昔の設定なんだけど、1983年でこんなに貞操観念って厳しかったっけ?その頃子どもだったからなー。分からんわー。主人公の正明も春香も全然好きになれない。で、どこらへんがだましどころ?なの?

  • また仕掛けに驚かされた!
    ただイニシエーション・ラブが秀逸だった分、多少あっさりしたものに感じてしまったけれど…
    でもどうしてそのような行動を撮ったのか、この後どうなったのかが気になる。

  • オチはすんなりと分かりました。
    読んでいるときはどうして突然そんな話に?と軽く違和感をかんじましたが、中盤で出てくる「みえる」発言が伏線ですよね。
    そして、事あるごとに「強さ」を強調するやりとりも。

    現実ではありえない話かな。
    いくら双子でも、恋人関係で気付かないかな~。
    それに、電話番号も教えてもらえないとか不信感感じるでしょ?とか。いろいろ粗探し的に読んでしまう部分もあり。

    ・・・やっぱり乾さんの描く女の人は好きになれない。っていうか、乾さん、よっぽど女の人に酷い目にあわされた事でもあるのかしら?


    【『イニシエーション・ラブ』の衝撃、ふたたび。1983年元旦、僕は春香と出会う。僕たちは幸せだった。春香とそっくりな女・美奈子が現れるまでは。良家の令嬢・春香と、パブで働く経験豊富な美奈子。うりふたつだが性格や生い立ちが違う二人。美奈子の正体は春香じゃないのか?そして、ほんとに僕が好きなのはどっちなんだろう。】

  • 2012年8月14日読了。対人関係が苦手な工場労働者・正明が先輩に連れられて行ったスキーで絶世の美女に出会い恋に落ちるが、彼女(と、その家族?)の秘密を知ってしまい・・・。傑作「イニシエーション・ラブ」の作者による続編的ミステリということで期待大で読んでみた。純情な男性の一人称による恋愛小説という全体のトーンは似ており(ラストで明かされるヒロインの性格の悪さも)ラスト2行でどんでん返しがあるのも一緒だが、「え、そこを引っ掛けるのかい!?」と拍子抜け。ミステリを読み込んでいて、「こんな俺を騙せる新しいトリックを見事仕掛けてみよ!!」という上級者ならいいのかもしれないが・・・これをやるなら、もっと序章の設定を強調して途中から読者が違和感を覚えるようなつくりにすべきだったのでは・・・?と思うがそうするとオチが読めてしまうのかな、ミステリは難しいね。

  • 驚くという意味では、最後のページでがつんとショックを受けたので、たしかに、やられた!というか、背筋がゾッとした。

    改めて序章を読み返すと、なるほど、そういう意味だったのかとまったく違う風景に見えてきた。でも、ミスリードとは言え、ちょっと微妙な表現もあったなー。これってどうなんだろう。

    すっきりしないのは、彼女の行動の動機が不明なこと。それが全然出てこないので、薄々そうなんだろうなと思っても、「でも別にそんなことする理由がないし」と思ってしまうのだ。結局最後まで分からないまま。
    濃いキャラの倉持さんもあまり存在意義がないし、主人公も真実を知って、なにもそこまでしなくても…。
    読者を「ひっかける」ことに力を入れるあまり、登場人物の動きが不自然になってしまっている気がする。

    彼女の性格が悪すぎで、それに振り回される主人公がかわいそうで、後味が悪かった。
    でも、なんだかんだ言っておもしろかったし、この手の作品があったらまた読んでしまうかも。

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乾くるみの作品

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