- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163553801
作品紹介・あらすじ
援助交際、分子生物学、戦争、キューバ、心理経済学、近代化の終焉、夢、エクソダス。村上龍最新対談集。
感想・レビュー・書評
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センスの塊だ。タイトルからして完璧な対談集。「存在の耐えがたきサルサ」内容関係無しに興味をそそられてしまうよ。
中上健次、柄谷行人、坂本龍一、河合隼雄、他にも素晴らしい著名人たちが村上龍と語り合う。
本気で日本を憂いている彼らの会話からは強大で偽りのないエネルギーを感じた。唖々、体の先端に衝撃を与えてくれる幾つもの言葉には興奮せずにはいられなかった。厳格で辛辣な言葉からどうして未来を思い描いたのだろうか。彼らは「ホンモノ」なんだ、それしかない。「ホンモノ」から発せられた「ホンモノ」の言葉は間違いなく生きている。憂いに溢れた現代社会だが、仁王立ちで四方八方からの難敵に睨みを効かせる勇気を持つんだ。
読後30分も経過していない今自分でもびっくりするくらい気持ちが高揚している。生きるんだ、「ニセモノ」として生きるなんてゴメンだ。
強く、強く、志の中に自らの拠り所を創りながら。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「存在の耐えがたい軽さ」は高校生のあたしにはとても読めるような本ではなかった。
そしてこのあたしに、存在の耐えがたき軽さを読もうとした時があったということが今や驚きになってしまっている。
大学生のあたしの頭はところてん、茹ですぎたスパゲッティなのである。時は満ちたのだろう、そして今やその潮はどこか遠くの島まで退いて行ってしまった。
今のあたしは村上龍を読む。じょしこおせいの援助交際をよむ。
女子高生は性的接触を求めて援交をするのではなく、経済接触のために行為に及ぶという。そりゃそうだ。なんでそれがわからないのか、あたしゃあんたがわからんよって頭の中でまくしたてる。これはどうやら世代によってうまれた思考の壁は思ったより高いようだ。でもそれを乗り越えようとするおじさん達の行程をのぞいていると、なんとも好感触。彼らは真面目に考えているから。うーん、努力っていいねえ
ミランクンデラで頭を固ゆでにしていた頃をなつかしみながら。
今のあたしは悩むおじさん達を高笑いで見ているよ。形勢逆転ってやつである -
中上健次、柄谷行人など豪華なゲストの対談集。内容も分子生物学から援助交際まで幅広いです。濃い話でしたが面白かったです。