パーネ・アモーレ: イタリア語通訳奮闘記

著者 :
  • 文藝春秋
3.61
  • (5)
  • (9)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 57
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163575902

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 田丸さんがマルチェロ・マストロヤンニさんの通訳をされている番組を見たことがあります。マストロヤンニさん自身のお話も面白いのでしょうが、田丸さんの訳は面白すぎ!このエッセイ集には田丸さんのそうしたユーモアと頭の回転の早さ、人柄のよさがにじみ出ています。田丸さんは米原万里さんのとても親しいご友人でもあったということですが、扱う言語の持つ文化とご自身の性格というのはマッチするのか、とても開けっぴろげなエッセイです。「若くて美人の通訳しか雇わない」というスポーツ選手の通訳に行った話、超有名デザイナーの通訳について、「商品を身に着けて」と一式もらった話とか…いかにもイタリア、という軽やかでフェロモン系の話が続きます。文体は本当に軽やかです。そういった点では、塩野七生さんの対極をいくのかなぁとも思います。いかにイタリアがアモーレの国とはいうものの、ビジネスや政治の話も挟んでぴりりと引き締めることも忘れません。厚みのある本ですが軽やかに読めてしまいます。でも、しっかり残るところは残るのでこの☆の数です。

  • イタリア語通訳の著者が仕事を通じて知り合ったイタリア人、フェリーニ監督やマルチェロ・マストロヤンニなど間近に見た大物たちとのエピソードを楽しく綴ったエッセイ集。通訳としての奮闘エピソードも豪快。サクっと読めるので渡航前の機内で読むのによい。

  • 紀伊国屋に頼んでいた田丸公美子さんの本『パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記』の本が入荷したと連絡があり、購入しました。「パンと愛と夢」があれば生きていけるイタリア人。「米と仕事と哲学」で生きている日本人。そんな二つの対照的な文化を取り持つのに不可欠なのが通訳。日本最強のイタリア語同時通訳と謳われる著者が明かす、爆笑エピソードの数々。広島出身のトップレベル通訳者、タリア語会議通訳・翻訳家の田丸公美子さんの『イタリア通訳奮闘記』です。
    こちらのとても痛快なコラムに楽しくて、思わず笑ってしまいます⇒
    http://www.a-nb.com/italia/back_number.html

  • 1970年前後に東京外語大でイタリア語を学んだという内容からすると,その分野では草分けの大ヴェテラン.さぞ此の道は大変だっただろうと察せられる.何せ,私がイタリア文化会館でイタリア語を一寸齧った1980年時点でさえ,まだ和伊辞典というものは出ていなかったのだ(笑).今では信じられないような話だが,たぶん日本で初めての本格的なものは,実に1980年代後半に出た坂本鉄男博士の和伊辞典ではなかっただろうか.いや今でも自分はそれを使ってるんだけど.
    内容は軽く読めるエッセイで,特にあれこれ言うようなものは無い.序でというと何だが,朝倉めぐみのイラストは大変に雰囲気があって宜しかった.やはりこの人はイタリアものを描かせると巧いなぁ.

全14件中 11 - 14件を表示

著者プロフィール

(たまる・くみこ)
広島県出身。東京外国語大学イタリア語学科卒業。イタリア語同時通訳の第一人者であり、エッセイスト。大学在学中から来日イタリア人のガイドを始めた。著書に『パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記』『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ 』『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』『 シモネッタのドラゴン姥桜』『シモネッタの男と女』イタリア語通訳狂想曲 シモネッタのアマルコルド』などがある。軽妙で味わい深いエッセイのファンは多い。

「2014年 『シモネッタのどこまでいっても男と女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田丸公美子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
和田 竜
村上 春樹
村上 春樹
東野 圭吾
桐野 夏生
湊 かなえ
白石 昌則
三浦 しをん
桐野 夏生
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×