北京大学てなもんや留学記

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163692104

感想・レビュー・書評

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  • 雑多でわかりにくい文章数あったけど
    とりあえず面白かった。
    2007年頃中国人と働いたけど、
    相手が専門出たての18歳とか若かったためか、
    勉強あまりしてなかったのか、
    面と向かって反日な態度を示されたことは一度もなかった。
    だからちょっとそうなの、というとこもあったけど
    確かに中国人てこんな感じだった。
    同室の中国人によく食料を盗み食いされて
    咎めると彼氏にもらった、って見え見えの嘘ついてたことを
    似たようなエピソードで思い出した。
    でもあいつ以外の中国人はみんな凄く優しくしてくれ、
    人懐こくて可愛かった。
    今頃みんな何してるかな〜とちょっと寂しい気持ちになった。
    英語で書かれた中国語の教科書買ってくれたリッキー、
    お金払うって言ったのに友達だからいらない、って
    給料私の方が高かったのに…
    元気にしてるといいな!

  •  『…中国商社』のころと比べると、政治の話が増えた。たぶん大陸に行くとそういうことを考えざるをえないのだろう。

     共産党のせいで人民のみなさんの頭の中はゆがめられているようだが・・・。

     それはともかく、相反することが全部ないまぜになっているのが今の中国なのだろうし、程度の差こそあれ、日本もほかの国もそうなんだろう。善か悪か簡単に分別できないのは人間も同じで、清濁あわせ持ったのが今の国家という枠組みなんだろう。そもそも国家というのも一つの切り口にすぎないから、その切り口でもって、違う切り口を論じるのもよく考えたら無理のある話である。

     そう考えながらも、個々の案件・事象については、きちんと白黒つけるだけの見識を得ておかないとダメなんだろうな。

  • (同作家の『中国人の裏ルール』も含む。。。)
    中国という国は、4000年の歴史とか、世界中で一番の大国と
    自負してるようですが、中華人民共和国(現在の)になってからは
    たかだか60数年。
    もともとは現在の河南省辺りが中華民国発祥の地。
    周辺の遊牧民族と中の漢民族が常に奪い合ってたわけです。
    なので、略奪の歴史なのですね。
    漢民族が支配してたばかりではなく、他民族が領主だった時代も何度かあるし。。。(それも、ひっくるめての4000年だからねぇ~~)
    領土感も全然違うんですね~~。

    日本はと言えば、新植民地にまず日の丸をたてて
    その地の行政を握り日本人も移住させて、
    いちいちまじめに領民に日本語と日本の歴史をを学ばせて
    皇居に向かって挨拶させて、はじめてわが領土になった、
    という気がする。

    中国はと言えば、そんなお金がかかる事は一切しない。
    ママのように子どもを抱え込んで相手の全人格を支配したりは
    しない。自分との接点が良ければOK.
    金を持ってくれば、それで良し。
    中国の領土支配は『広域暴力団組織』のような物、と言ったのは
    『貝と羊の中国人』の加藤徹氏。
    軍隊を派遣し、他国の支配層を武力で脅し、みかじめ代を
    取り立てる。
    清王朝が亡んだ時に、毛沢東は民族独立を叫んで
    周辺国の他民族の独立運動も当初は認めていたらしいのに
    どさくさにまぎれて、一緒くたに!!
    力ずくで中華人民共和国に。
    モンゴルやチベット、ウィグル、南方少数民族などは
    当時は激怒しましたが、後の祭り。
    みなさんもご承知の通り。。。
    だから今でもくすぶり続けているのです。

    そして、中国人は、、、と一口に言えそうですが
    実は世代によってかなり違うようですねぇ~。

    文化大革命、天安門事件この前後で全く違うそうです。
    知識人も立派な方もたくさん殺されてしまいました。
    そして、誰もが知ってはいても、口を開かない時代。
    若者に至っては、知らされていない時代。


    内戦続きで疲弊しきった中国で戦いに勝つには、金がいる。
    毛沢東は当時の上にたつ物すべてから奪うことにした。
    当時に支配者だけでなく、金持ちすべて、上司というだけで、
    小作人でないというだけで、つるし上げとリンチ、虐殺で
    奪いあげた。そこで死んだのは200万人と言われる。
    農民が兵士となった当時。
    あまりにモラル無い兵士の教育に
    文字が読めない農民故、唄で覚えさせた。

    歌詞はつぎのように

    ♪三大規律八項目注意(毛沢東)

    三大規律

    1,行動は指揮に従え
    2,農民はものは盗むな
    3,地主から奪った物は、みんなの物に(ネコババせずに党に提出せよ)

    八項注意

    1,農家の戸板は元に戻せ(ベッドにしてた)
    2,寝藁は括って返せ
    3,言葉遣いはおだやかに
    4,売り買いは公平に
    5,借りた物は返せ
    6,物を壊したら弁償せよ
    7,川の風呂は女のいないところで(裸を見せてからかうな)
    8,捕虜のポケットを探るな(財布を盗むな)

    この唄は時代とともに変化し
    「ゴロツキの習慣は捨て、婦女をからかうな」
    「殴るな、ののしるな」
    「人の畑を荒らすな」
    「そこら中で大便をするな。穴を掘れ」というのも。

    現在でも日系建築会社を悩ませるのは
    建築現場のあちこちのブツ。。。転がってるそうだ。

    初期の共産軍は農民にとって、持てる物から奪うこと。
    武装集団が地主や金持ちをリンチして奪う事そのものだった。
    そして、自分たち農民にも同じ事をする許可をくれ、暴力で援護してくれる、それがすなわち『人民解放軍』
    富裕層へのリンチは文革前から始まっていた!!

    この荒廃した時代『明日は我が身』「自分も共犯者』、、、。
    恐怖と、それから逃れる為、毛沢東への盲目的崇拝をうんだ。

    この事だけではなく中国の歴史は
    殺戮と略奪の歴史。逃げ足が速くなければ生きてゆけない。
    瞬発力が無ければ生きてゆけない。
    文革後、上層部になり富を得たある幹部は、危ないと見ると
    子ども達をまず外国へ、すぐさま財産を持ち華僑へと。
    こんな歴史が今の中国人のDNAに染み付いてるのだろう。

    大陸の戦いに敗れた小柄な敗者。
    行くつく果てが日本だった。
    そこでは、戦いを好まない平和を良しとする女脳文化が
    育ってゆく。受け入れた文化や技術は日本になじむ物だけが
    選抜され、育てられ日本らしく熟成する。
    日本独特とも言える繊細と言えるほどの技術も
    こうして平和だから、連綿と繫がってきた。(なるほど!)
    南方から、大陸から新しい文化や技術、DNAを持った人々は
    混じり育て上げられ、日本人となっていく。
    集団の平和を良しとする価値観は場を知る事に重点を置く。
    日本人の特性はこんな背景があるのかもしれない。

    てんこ盛りのこの本。いかがでしたか?

  • 語学習得、3000時間
    現地でしっかり勉強して2年間

    汚職まみれの中国は民衆に不満が爆発し、遅かれ早かれ自滅するか?

    否、紆余曲折を経て発展していく、

    2007年出版の本であるが、2012年現在、当たっていると思われる。

  • 「中国てなもんや商社」から11年
    対外経済貿易大学で語学を1年、北京大学で語学クラスを半年、
    経済学部で1年半と、3年間北京に留学していた時の様子をまとめたもの。
    書かれたのが10年程前のことなので、急速に変わりつつある現代とは
    さまざまに変化があるこでしょうが・・・

    北大の先生が仰った「一流の学生、二流の老師(ラオシ)、三流の管理」
    というのが読んでいるとよくわかる。
    学生は、全中国内から優秀な学生が、世界からも留学生が集い学ぶ。
    でも、大学側というのは、昔のままで・・・
    履修届や、各種手続きや、授業の変更や、なにからなにまでが
    昔変わらぬ高飛車な事務所の対応で、思うようにすすまない・・・
    ひたすら並んで順番を待つ・・・変わらないのだなぁ
    現代の反日についてや、礼品(賄賂)や、北京暮らし実情やら・・・
    おもしろかったし、考えさせられもした。
    相変わらず、どこか読みにくい文章だったりするのは、作者のアジなのか・・・
    ま、なおさずに出版されているんだから、そうなんでしょうが・・・
    気になります。

  • もう一度読もう。同じシリーズも時間があればぜひ。

  • 体験がそのまま赤裸々に書かれているのでリアルです。
    少々前の本なので日進月歩に変化する中国の姿は現在また違ったものになっているかもしれませんが、本書ベースで考えて間違いはないと思います。

    日本に住んでいれば衣食住でそれほど困ることはありません。
    衣はひとまず置いておいて、農薬漬けの野菜、賞味期限ごまかされた生鮮食品、閉まらないドアに破裂する電球。黄砂入りまくりのマンション。
    食と住の安全を確保することが中国という国で生きるための第一歩とあらためて確信。

    悪いところだけではないと自分に言い聞かせても不安は募るばかり。

    長いけど良い表現。(本書より)
    「中国は複雑で微妙で、偉大でそして困った国だ。豊かであり貧しくもあり、民主的で腐敗している。誇り高くまた謙虚で、礼儀正しく、また粗暴で、知的かつ盲目だ。安定していて不安定で、安全で危険で、清潔でかつ汚い。中国は歴史が長くって複雑なんだ。永遠に明らかにならない神秘の、深い国。誰もこの五千年の歴史を語る資格はなくて、中国では何でも永遠に謎なんだ。いいことも悪いことも、ひともものも...」

  • 著者の谷崎さんが北京大学に留学していた時の体験談。これが中国の実態なら経済や技術の競争面では安心できるのだが、中国の変化は早いので、この本が出版された2007年と今はまた状況も変わっているだろう。日中感の歴史認識はすぐに変わりそうもないが・・・。

  • 第一章、のっけから「これ読んで北京大学に留学したいと思う人いるんだろうか…」なエピソード満載!
    著者自身の体験が本音で綴られています。
    わけのわからない中国、嫌な中国、暖かい中国、国としての中国と、個人としての中国人。

    本音だけに主観を強く感じるので、ところどころ、意識的に距離を置きながら読んだのですが(特に差別感情、反日意識、共産党云々のところは一つの意見を鵜呑みにしたくないので)、体験記としておもしろいことは間違いありません。


    外国語学習者のしての体験談、意見もおもしろく、参考になります。

    若干、文章が読みづらいと感じたのが残念ですが…
    この著者の中国シリーズ、また読んでみたいなと思っています。

  • こんな留学生活、送りたい。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『国が崩壊しても平気な中国人・会社がヤバいだけで真っ青な日本人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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