- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163692302
感想・レビュー・書評
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読む前は歴代の政治家それぞれの特徴を列挙するもんだと思ってたんだけど、実際は小泉・安倍両氏に関する記述がほとんど(その意味で、章の分け方はおかしい)。
予想とは違っていたけれど、この対照的な二者に絞ることで、それぞれの言語感覚とか修辞技法とかがとてもよく理解できる作りになっている。
いやそもそも、僕にとって両者はポピュリズムを歩むという点で「似た者同士」だったので、こんな感じにその違いをあらわにされただけで、ちょっとした知的興奮があった。
自分が何か口頭で伝えるときの言葉づかいを考える際の、重要な示唆を与えてくれた本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小泉はプロの政治家なのだが、素人のように話している。
小泉は、彼らの言葉ではなく、国民にとって身近に感じる私たちの言葉で国民に向かって国民の皆さんが主人公だと語りかけた。
安倍はカタカナ語を多く使った。カタカナ語の持つ新しさ、若々しさ、新鮮、モダン、スマート、知的といった肯定的な印象を与える働きがある。
田中角栄の言葉は即興的なものだが、だからこそ聞き手との心理的距離間を少なくし、親しみやすい政治家というイメージを聴き手に植えつけるのに成功したといえる。 -
小泉純一郎氏と安倍総理大臣のスピーチ(応援演説、所信表明など)の語尾や用法などから、どうして小泉は人気もので安倍はそうでないかを分析したものが主な内容。
でもこの本、政治家の話ではないごく日常の会話を解説した<P21-28>がためになった。
へえ、そうなのか、そうだったのか「目から鱗」
立ち読み推奨 -
政治家の言葉を使い方が、如何に大きなインパクトを与えるかを説いた本である。
言葉の働きには、「単に情報を伝えるリポート・トーク」と、
「聞き手と心理的繋がりに重きをおくラポート・トーク」がある。
日本人は、ウチの世界・ホンネの世界に親しみ、安らぎ、安心、信頼を見出す。
このウチ・ホンネを演出する「ラポート・トーク」こそ必要である。
「政治的な雪崩を起こすのは、書かれた言葉ではなく、話される言葉の魔力だけだ。」
更に、「コード・スイッチ」や「念押し」によって「ラポート・トーク」は威力を増す。
「小泉の弁舌」と「安倍の弁舌」の違いを例として、あげていたが、今回の選挙結果の原因の一として説得力があった。
政治の世界に、関わるものの一人として、自戒・自省させられた。 -
丸裸は大袈裟。歴代首相の各演説や答弁における語尾の特色と、それが首相のイメージにどう影響するのかとか、リポートトークとラポートトークをまぜると人々の共感を得やすいとか、竹下首相のあの白痴みたいなしゃべりは、彼なりに分かりやすく話そうと努力していたんだといった話。安倍さんと比較して小泉さんは上手かったという著者の分析は、そうなのかもしれないけれど、個人的には安倍さんの話し方のほうが好きなので別にこのままでいいと思う。立ち読み。
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斜め読み。リポートトークとラポートトークの理論は色んなところで使えそう。