デフ・ヴォイス

著者 :
  • 文藝春秋
4.12
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本棚登録 : 525
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163808109

感想・レビュー・書評

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  • 『夫よ…』より、先にこちらを読むべきでしたね。とても良かったです。
    コーダという言い方があることを初めてしりました。荒井の生い立ちや、その生い立ちゆえの考え方がとても丁寧に描かれていました。なので、ミステリーなんだけど、ミステリーとしては読まない方が良い感じ。『夫よ…』の逆ですね。
    シリーズということなので、続きも読もうと思うけど、ドラマを見なかったことをちょっと悔やんでます。再放送しないかなぁ…。

  • 悲しすぎる。関わることで救えるところもあり、救えないところもあるのはわかるけど、どうにもできないんやろうか。

  • 読んで良かった。
    お話自体が面白く、ドキドキしながら推理しながら読んだ。サスペンスとしても文句なしに面白い。
    でも、それだけではない人間ドラマ、何より"ろう者"や手話、ろう者の家族に生まれた聴者であるコーダについてわかりやすく書いてある。
    最高に面白いお話を読みながら、ろうに関することも知ることができた。
    そういう障害に関する話なのに、小説としても超一品であることが良かった。

    少し前に、『Coda』という洋画を観た。
    そこで初めてコーダという立場にいる人の存在を知った。考えてみたら当たり前にいるはずなのに、今まで考えたこともなかった。
    その映画でも、この本でも、コーダは家族に通訳という仕事を当然のこととして幼い頃から強いられていて、ろう者の自分達からしたら聴者という理解できない我が子と扱われていた。

    どれほどの葛藤を経験してきたか想像を絶する。

    大学の授業で、目が見えない体験は目を瞑ればできるが、耳が聞こえない体験は絶対にできないと習ったことが忘れられない。それまで目が見えない方が怖いと勝手に感じていたが、体験できない世界のことを簡単に判断できないと気づいた。
    今は、高性能のノイズキャンセリング機能のイヤホンなどで擬似体験はできるのだろうか…

    知らない世界を体験できるから読書をやめられない。まさに、そういう本だった。
    著者に感謝したい。

    • 1Q84O1さん
      せりぐまんさん
      私もこのシリーズ好きです^_^
      ついこの前、シリーズのスピンオフ作品(児童書ですけど)も読みました!
      せりぐまんさん
      私もこのシリーズ好きです^_^
      ついこの前、シリーズのスピンオフ作品(児童書ですけど)も読みました!
      2024/03/24
    • せりぐまんさん
      1Qさん!
      本当良い本ですよね。しっかり調べて、きちんと現実を描いてますよね。
      スピンオフがあるのは1Qさんのレビューで知りました。今度読ん...
      1Qさん!
      本当良い本ですよね。しっかり調べて、きちんと現実を描いてますよね。
      スピンオフがあるのは1Qさんのレビューで知りました。今度読んでみます!楽しみです!
      2024/03/24
  • ドラマがよかったので原作も。違う部分も楽しんだ。続編があるとのことで、そちらも読もう。

  • ドラマ見てから読んでみた!原作の方がより「手話」の世界について書かれていた事、あとがきでの原作者の想いも知れて良かった(*^_^*)

  • サクサク読めた。手話には日本手話と一般的に知られている日本語対応手話があるということなど知らない世界を広げてくれた。

  • オーディブルで読む。

    ろう者の家族のなかで唯一聞こえる子ども「コーダ(Children of Deaf Adults)」として育った元警察官の手話通訳士が、とある殺人事件を追い、最後にたどり着いた切ない真相…

    ストーリー自体がとても心を動かす内容。
    同時にろう者を取り巻く環境への理解を深めることができる意義深い作品。

    コーダ、日本手話と日本語対応手話が異なる言語であること、ろう者に対して聞こえるもののことを「聴者」と呼ぶこと。先天性のろう者と中途失聴者や難聴者との立場の違い、過去に存在した刑法第40条…

    様々なことを考える入り口となった。
    では、出口とは…
    僕も考えていきたい。

    12月16日、23日にNHKでドラマが放映されるそうなので、そちらも見たい。

    ♫交響曲第9番(ベートーヴェン)

  • ろう者、聞こえないが話せないわけではない意味での聴こえない人ということ。手話には、ろう者が昔から使っている日本手話と日本語対応手話の2種類あることを初めて知りました。
    日本手話とは、日本語とは違う言語であり、確かに違う文化、思想を持っているとも言えるのかも知れない。
    障害がきっかけで、理解されない、声をあげられなくて差別を受けるとは、なんと切ない事か。まず、理解することからでも、始めないといけない。

  • なかなか思ったより重かった。
    個人的には、親からすれば「聴こえる」弟は心配いらない、そのぶん「聴こえない」兄を庇護しなければ。というところが考えさせられた。この本では親も「聴こえない」側なんだけど、普通に子育てしている中でも、ついつい何か不自由がありそうな方に肩入れしてしまうことがある気がして気を付けないといけないなと思った。一歩引いて。
    もう一つは、三歳ではしかが原因で聴こえなくなってしまった片貝の語り。
    「両親は、はじめはあらゆる治療を試し、治らないと悟ると何とか聴こえる子に近づけようとした。でも親が手話を覚えることはなく、まともに会話したことさえなかった。」というところ。
    なんとか近づけさせてあげたいと思う親の気持ちはわかるけれども、手話を覚えて会話をしてあげないのは、なんとも切ない。荒井がその人の年齢から普段使い慣れているであろう言葉を想像しながら、使用している手話の種類に合わせて心を通わせているところは素敵だった。

  • テレビで映像化されることを知り原作を読みたいと思いました。元々手話には興味もあり障害児との関わりをもつ仕事もしていたので内容により惹き込まれました。シリーズ化されてるようなので引き続き読んでみようと思います。

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著者プロフィール

京都大学大学院理学研究科教授。

「2004年 『代数幾何学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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