- Amazon.co.jp ・本 (669ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163809809
感想・レビュー・書評
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生徒からも同僚教師からも絶大な人気を誇る理想の教師・蓮実。
ハスミンという愛称も相まってこんな教師がいたらなぁと思わせる。
しかし彼は人を殺めることに何の感情も抱かないサイコパスだった。
俗に言うシリアルキラーとマス・マーダラー。
蓮実聖司という男はどちらに当てはまるか。
前半は蓮実聖司という理想の教師像をとことん見せられる。
蓮実のその実直なスタイルにいつしか読み手側は
蓮実聖司という男の魅力に引き込まれてしまう。
所々で見せる殺戮者としての顔も、一つの彼の魅力と見てしまう。
しかし、後半に進むに連れ、この殺戮者の顔が前面に出てきて
初めて我々は彼の真の姿に恐怖する。まさに彼の教え子たちの様に。
確かに後半になるに連れ、無理な設定やお粗末な展開もある。
しかし、だからといってこの作品の品位を損なうものではない。
これほどまでに、創作の中の登場人物に恐怖したことはない。 -
好悪はともかくもいきいきと闊歩するサイコパスキャラの造型が素晴らしい(やってることが素晴らしいのではなく・・・)。40人近くの生徒ひとりひとりの性格や考え方の描きわけ、一筋縄ではいかない同僚教師たち脇役のキャラにも惹かれる。事件が起こる前のエピソードのくだりでもグイグイ読ませるストーリーテリングはさすが。文句なしに面白い。好悪はともかく・・・。
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グロい、吐き気がする
でも、それを感じさせる描写、展開見事…
胸糞な内容なのに読み始めたら止まらなかった
作者は天才 -
2012/7/16一気に読み切った。面白い。★5
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『つまり、感情の動きには、論理と同様に、法則性があるということだ。
人間の感情は、他人から認められたい、とか、求められたい、というような、基本的な欲求が、その根底をなしており、軽んじられたり攻撃されたと思えば、防衛反応がはたらいて攻撃的になる。その逆に、相手の好意を感じたときは、こちらも好意的になる。
要するに、まったく感情というものが欠落している人間がいたとしても、きわめて高い論理的能力を持ち合わせていれば、感情を模倣することは可能だということだ。』
新年早々、強烈な一作。めちゃくちゃ面白かった。サイコパス怖いなぁ〜。
他者への共感能力が著しく低いおいらからすると他人事ではないなぁ〜。 -
蓮見先生の心情描写がとても細やかでハラハラ具合がとても伝わった。二回読むことは多分ないけど、読んだ時のハラハラドキドキ感は忘れないと思う作品。