死命

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163813202

作品紹介・あらすじ

榊信一は大学時代に同郷の恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へ-衝撃の展開、感涙の結末。

感想・レビュー・書評

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  • 薬丸岳の「死命」⁡

    猟奇的殺人犯とそれを追う刑事のお話。

    お互いに余命宣告を受ける大病に侵されながらも、命を掛けて犯行を繰り返す犯人と、命を掛けて犯人を追う刑事。

    何故犯人は連続殺人を繰り返すのか
    その根源を求め、さ迷う犯人のルーツは衝撃的w

    終盤に入るとスピード感が増してハラハラしながら読めるかな?

    2014年読破

  • 薬丸岳さんは江戸川乱歩賞をとったここ数年の作家の中では一番好きです。とくに「悪党」はラストが良かった。一気読みでした。今度の作品「死命」も読みごたえのあるいい作品でした。 お互いに癌を宣告された刑事と犯人、余命いくばくもない中での執念、刑事の先立たれ妻とのなれそめを聞いた、娘の気持、ああなんといい心地にしてくれる終盤の話でした。いい余韻を残してラストへ、やっぱり薬丸岳はいいですね。

  • 『友罪』に続き薬丸作品2作目。余命わずかな刑事と殺人犯の話で、暗く重い内容であまり好きな感じではないけど、これまた引き込まれ、一気読みしてしまいました。薬丸岳にハマってしまいそうです。

  • 羨ましい仕事だ。
    おれは仕事で何かを作ったことがない。失うのを見ていくばかりだ。
    夢なんて言えば聞こえがいいけどおまえは甘えているだけだ。
    思うことと、することは違うのだ。
    自分の心と五感を信じればいいんじゃないかね。
    仕事であるということは、自分の代わりは他にもいるということだ。そんな仕事のために、ここまで自分のからだを酷使する必要があるだろうか。
    私なりにずっと考えて出した結論なの。どうすれば後悔しないで済むだろうかって。
    私だって後悔しちゃうかもしれない。どんなことをしても・・・・・きっと・・・・・いろいろと後悔しちゃうんだろうな。きっといろいろ考えちゃうよ。
    死を恐れることしかできない。この世で生きていくことの本当の意味を知らないから死を恐れることしかできない。
    それはあなたが本当の意味で生きていなかったからだ。自分を偽るように生きてきたからだ。だけど、僕は違う。僕は自分の欲望に正直に生きてきた。この世に思い残すことはない。だから死ぬことなんかこれっぽっちも怖くない。
    この世に、天国やら地獄やらの概念が存在するのは、人が人を罰することの限界と、人間という弱くて愚かしい生き物がこの世界でまっとうに生きていくための最後の寄る辺なのかもしれない。
    人は誰でもいつかは死ぬというのに、どうしてこれほどまでに死を恐れるのだろう。それはきっと、死そのものを恐れているのではない。自分が遺していかなければならない大切な存在を思うとき、無性に怖くなるのだ。人を愛した人間は、その人と二度と会えなくなることを怖いと思い、自分にとって素晴らしい場所を見つけた人間は、その存在が消えてなくなってしまうことを怖く思うのではないか。
    きっと、死そのものが怖いのではない。全ては、死ぬ寸前まで、自分の人生という鏡を見せつけられることが怖いのだ。

  • 読みやすく、一気に読んでしまった。
    死期の迫った刑事と連続殺人犯。
    末期でそこまで動けるかなと疑問は残ったけれど、引き込まれる話だった。

  • 私の中では薬丸さん評価ガタ落ちになった作品。
    余命宣告を受けた2者を、善悪2極化で対立させるという設定が面白いと思って読んだのだけど…
    後半で榊の幼少期の虐待体験が発端だと知った後でも、榊の犯罪行為にカケラも同調出来なかった。
    人の心が壊れるとこんな犯罪が生まれることもあり得るよな…この程度は思わせてほしかった。
    「Aではない君と」で薬丸さんにハマり、以降続けて読んではいるが、悲しいかなどんどんガッカリ感が強くなる。

  • 死期が近い警察官VS死期が近い異常性犯罪者。主人公の犯人がどうして犯罪に走ったのか。失われた記憶を犯罪を犯すたびに少しづつ取り戻していく過程が面白かった。幼い頃を知る恋人が何をひた隠しにしているのかも最後まで分からず興味がそそられる。ただただ憎むべき性犯罪者だけで終わらない薬丸氏。はずれなし。

  • 余命を宣告されて殺人を犯す目線からと、その殺人犯を追う余命を宣告された目線で物語は進んでいきます。

    普通は、なるべく長く生きたいと、自分を大事にして生きるのですが、この刑事さんは、自分を犠牲にしながらも犯人を追います。

    それにも実は理由があり……。

    殺人犯側も、そうなるには色々と理由があるのですが、余命を宣告されたから殺人をしてもいいということは許されることではなく、そこら辺もちゃんとしてくれました。

  • 余命宣告された犯人と同じく余命宣告された刑事の命をかけた戦い。蒼井さん…渋い…。

  • 2019.6.24

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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