陰陽師 酔月ノ巻

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 519
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817200

作品紹介・あらすじ

今をときめく太政大臣・兼家の首から下が行方不明に!?道満の仲介で鬼との双六勝負に挑んだ兼家だが…。晴明と博雅が、都の怪異を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 秋の夜長に、この作品をゆるりと楽しむことは本当に贅沢だと感じました。お酒を飲めない私でも、晴明の家の庭を愛でながら、簀子で盃を酌み交わしたいと思ってしまう。今作は、比較的短い話が多い。中には道満のみのものも。妖たちが悪さをするというよりも、どこかもの悲しい話が多かった。一番印象的だったのは牛怪。

  • 久しぶりの陰陽師。
    清明様も好きだけど、なんといっても博雅様が好き。
    もし男の子が生まれたら、博雅にしようかと思ったくらい。
    この時代もちろん電気もなく、夜 清明の家の縁側で 月の明かりで頼りに酒を飲んでいる2人の姿がとても素敵に思えてくるのでした。
    清明にとっての博雅のような、博雅にとっての清明のような友がいたら、その友とこんな風に酒を飲みながら語り合えたら、本当に幸せだろうと思って読んでいます。
    そして陰陽師を読むたびに、何よりも怖いのは人間の欲だと思い出させてくれます。適度の欲は必要だけど、度を越えた欲を持ってはいけません。
    また次の作品を楽しみに待ってます。

  • 安定の面白さ。だが安定し過ぎで物足りない気も。たまには冒険もして欲しい。

  • いつものようにほろほろと酒を飲み、ことばを交わし、呪や鬼と対峙する博雅と晴明。永久機関のようにいつまでも同じように繰り返していくだけのふたりのやりとりは、同じ花が二度と咲かないように、同じ風が二度と吹かないように、やはり毎回違っている。とくに今回、当たり前のように彼らも少しずつ齢を重ねて年をとっているんだと実感した。具体的にそのような描写があるわけではないが、確かにそう感じさせるものが本作にはある。

  • 9編を収録。
    シリーズ最新刊。

    安定した世界だが、格別ぐっとくる話がなく、残念。

    季節の移ろいを感じながら、お酒を飲む場面は、毎回ながらみやび。
    二人とともに、ゆったりとした時間を過ごしたくなる。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-5969.html

  • 今回がシリーズ12作目、作者が書き始めてから25年目の作品だそうです。ずいぶん時間をかけて書いてるんですね。

    印象に残ったお話2つの感想を書いておきます。

    いつも悪役?のようなイタズラして喜んでいる謎の人物である芦屋道満が珍しく人助けをするお話があり、面白かった。
    助けても要求するのは大金ではなくお酒というところが彼らしい。


    ひこぼし、織姫が地球上に降りてきて、星が行方不明になるお話。牽牛と珠(牽牛の浮気相手)が和歌の中に隠れている、なんて優雅!

    前にもお経の中に人が隠れていたり、文字になってしまうというお話があったけれども、発想が面白い。

  • 山月記、織姫と彦星、今昔物語のパロディなどなど今回も面白い

  • 一番好きなのは、新山月記かなぁ。悲しくて、美しかった。
    乙姫は、突っ込みどころ満載。良いのか、乙姫。って思った。良いんだろうな。
    夜叉婆あ、分かるんだよな。子供が心配で、死に切れない気持ち。

  • 道満が敵役だけでなく、自ら働いている。もっとも自分のために動いて晴明に後始末をしているのを楽しんでいる感じだが。 首大臣は首になった兼家の行動がおもしろい。

  • 安倍清明と源博雅の物語が詰まった短編集。 今回は二人が主人公ではなく、蘆屋道満が主人公の話が二話もあり、新鮮であった。 お気に入りは「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」と「新山月記」。 前者は蘆屋道満が主人公の話で、これまた面白い。 後者は山月記を踏まえた話で、山月記を改めて読みたくなった。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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