- Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163824505
感想・レビュー・書評
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2016/11/24 500ページの単行本でしたが、後半からは一気に進みました。何か昔読んだような筋はあったけど傑作。★5
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正義っていうのは
痛みを伴わずに振りかざすことが可能な凶器。
権力者の大義名分。
だけど、爛れた欲望から生まれる悪意に立ち向かえる折れないつっかえ棒にもなるんだよな。 -
ストーリー自体はさすが雫井さんで、
読み始めはスローだったけど後半はぐいぐい読めた。
ただ、どうにもこうにも理解できないところもあった。
最上の家族の心情とか。
松倉の今後をどう考えるべきか、とか。
沖野はどんな人生を送るのかな。 -
警察が犯人と目星を付けたら、そこからその容疑者を犯人にするべくストーリーが組み立てられ、それに沿って証拠集めをしてく。
こういうふうにして冤罪は作られていくんだなーという思い。
それに対して、まっすぐに正義を貫こうとする若手検事沖野。
すっかり沖野に肩入れして読んでいたけど、沖野の正義は貫かれたはずだけど、どうなの。
晴れて釈放された松倉の態度と白川弁護士の言葉。
もう、これ、わたしの中ではどんでん返しとも言える衝撃だった。
沖野がすべてを投げ打って貫いた正義は正しかったのか・・・なんてしみじみ考えさせられてしまった。
もちろん、冤罪は絶対あってはいけないことだけど。
この作品で泣くとは思わなかったけど、沖野と一緒に泣いてしまったわ。-
2018/05/06
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2018/05/06
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東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる―。 (「BOOK」データベースより)
冤罪はこうして作り上げられるのか・・という本。実際こんなことまで起こるのか本当のところはわからないけど、時々ニュースで見る冤罪、こういうこともあるのかも。怖いなぁ。前科とか、日ごろの生活とか、そういうことで狙われるんですね。でもこの物語の中では、時効になったひどい事件の犯人なので、いいぞ、やっちゃえとも思う自分がいました。 -
新刊として発売された直後に図書館で予約。待つこと半年。気長に待った甲斐があったと思える作品。
正義とは何か?なんて考えさせられると言えばそうだが、タイトルからして内容が類推できる。とはいえ、ストーリー展開としては非常に面白く、現実問題として「こんな検事おるか?」「そんな奴おらんやろ!」って突っ込みを入れながらも後半部分はグイグイと引き込まれた。
検察も組織だから縦割りになっているのも分かるが、なんかしっくりいかないものが残った。さらに。時効が成立した殺人事件の犯人。自分勝手な行動が発端となるが、最後の最後まで自分勝手な人物として描かれている部分をみるとちょっと後味悪い作品でもあるが、500ページ以上かつ図書館に返却する時間も気にしながらも珍しく集中して一気に読めた。 -
2014/3/17読了
最上と学生寮で可愛がっていた少女との間にはもう少し何か深い関係があったのではないかと最後まで考えていたが、特段何かあったわけでもなく、松倉を嵌めるために殺人をする動機がイマイチ薄いなぁと感じた。