オレがマリオ

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163828107

感想・レビュー・書評

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  • 震災時のこと、住まいを石垣島へ移した時のことなどが描かれる。
    たった31文字で紡ぎ出される日常の苦悩、安堵、喜び…。
    どれも鮮やかに表現されている。
    それは、万智さんが、子どもを表現するのは瞬間的に刺身のように、大人を表現するのは熟成させたソースのように、言葉を使い分けているからだろう。

    個人的にはあとがきが好き。
    「コロコロコミックをめくるときの顔に感じる風が好き」
    息子さんも詩人ですね。

  • 棺桶の中の息子を撫でやまず凄まじきかな母というもの

  • 本当に息子さんのことが好きなんだ、と思う。

  • やっぱり天才

  • 東日本大震災で被災した俵万智のむすこの一言を
    5・7・5・7・7できれいに現されていて感動する。
    (むらさき)

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • ロマンチックの天才だと思いました。これでもかってくらい情熱的な短歌です。
    プラスチックとか星の砂とかコンビニの店員とか、現代っぽい単語をこれほど登場させてもポエミーに聞こえるのはすごいのではないですか。
    空とか星とか薔薇とか言っとけばロマンチックに聞こえると思うのはまちがいって思いました。
    ロマンチストって生活の達人なんですね。

  • お母さんだぁ。

  • 「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ
    「おばあちゃん次は何色?」子は問えり 米寿をベージュと聞き間違えて

    この人の感性の瑞々しさ。
    普遍的な「子ども」の持つ感性の瞬間のきらめきを美しさを17文字に切り取ることの困難と美しさを見る。

  • 映画「小さき声のカノン」の上映後に監督の鎌仲ひとみさんと俵万智さんの対談があり、それでこの本のことを知った。

     「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ

    俵万智さんの息子さんがされる素敵な表現についてツイッターで知り、俵さんをフォローするようになった。息子さんの表現も素敵だけど、それをさっと「刺身」にして出せるところが「歌人」なのだろう。

    なぜわざわざ三十一文字という表現方法を選ぶのだろう。しかも字余りがあったりして必ずしもそこにおさまらないのに。その歌が詠まれた背景を知らない読者には何のことかわからないことも少なくないのだ。歌集として歌の並べ方、句読点の打ち方…歌心のない私にはわからないことだらけ。

    わからないこと。疑問。余韻。想像する余地。短歌にはそういうものが大事な要素なんだろうか。恋の詩もいくつかあり、これは本当のことなのかなぁなんて下衆の勘ぐりをしてしまうw。

    対談でお見かけした俵さんは目がくりくりしていて、ユーモアのある話し方が魅力的な方だった。原発事故が起きて、何が本当のことなのか判断するのがむずかしくて、とりあえずできるだけ安全な道を選びたいと子を連れて西へ逃げる。「あなたが仙台を去ることは『仙台が危険だ』というメッセージになっているのですよ」と非難されても。

     子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え

    「小さき声のカノン」で見たように様々な選択をした人達がいる。どの人も様々な状況を鑑みて最善と思われる選択をしたのだ。

    短歌はたぶんそれを聞いた人が何か感じることがあればいいんだろう。
    ということで私の心にピンときたものを少し抜き書き。

     まだ恋も知らぬ我が子と思うとき「直ちには」とは意味なき言葉

     「ただいま」を言え言え言えと言われれば「ただいません」と返すおさなご

  • 図書館の返却期限がきたため途中までしか読めてません。
    島ののんびりとした雰囲気と震災の悲しさが層をなして心に波が押し寄せます。

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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