ミッドナイト・バス

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900063

感想・レビュー・書評

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  • ある程度大人になったから受け入れる事が出来るようになった小説だと感じた。

  • 夜行バスの運転手である主人公の利一。とその元妻や息子や娘やその他おおぜい。じんわりくる。とても映画的だと思った。

  • 2017_11_21-103

  • 何かにつまづいた人ばかりの家族小説でした。この方は少ない文で人の感情変化を表すのがうまいので、登場人物の心情変化を楽しみました。

  • 根は優しいけれど優柔不断で不器用な40代後半のバツイチ男(利一)の物語。父親同様東京の仕事を辞めて故郷に帰ってきた息子(怜司)の人生。夢に向かって歩む娘(彩菜)の人生。別れた元妻(美雪)との再会。そして徐々に心を通い始める二人。付き合っている歳下の女性(志穂)との別れ。メインのストーリーに並行して長距離バスの乗客たちの人生が優しいタッチで描かれる。最後にようやく自分の人生を歩き始めようと決意する。「走り続けたこの先にはいつだって、きれいな朝が待っている。」

  • 一度バラバラになった家族の話。

    どうして妻は子どもをおいて行ったのだろうと思っていたが、
    読み進めるとそれなりの理由があった。

    出ていく母を見送ったことは、
    子ども達が寂しかったろうと思うとたまりません。

    でも、どうしても、
    この物語に出てくる主人公と元妻は好きになれなかったなぁ。

    責任を取ることを恐れている男は
    決定的なことをしないで、
    責任を回避しているようにしか思えなかった。

    16年前も今も。

    今の恋人にさえ、
    自分から別れておいて、
    今更、追いすがるような生き方が腹立たしい。

    でも、こういう人、モテるんだよなぁ、
    あー、ムカつく。

    「愛情ではなく愛惜」という言葉は、
    さすがくぐさりと刺さった。

    それは私も中年だから。
    そして、そんな私も責任回避が上手なのかも。
    モテないけどね。

  • もう一度。願いをこめて、利一はバスを走らせる。
    もう一度、人生を前に進ませよう。
    ー高宮利一


    最期はそれぞれが再スタート出来て良かった。

  • 白鳥は家族で飛ぶ
    大きな群れではなく小さな家族が
    心を合わせて海を渡ってくる
    どうして人は、うまくやれないのだろう

    どんな大きな橋もビルも
    1人では作れない。
    ましてや生きている人間の人生
    ツライ時に時に助けを求めるのは
    きっと恥ずかしいことじゃない
    (本文より)

  • 不安定な時に読むものではないが、だからこほ読んだ方がいいのかもしれない。
    夜行バスの運転手、別れた妻、息子と娘、皆何かにつまずいている。夜明けはくると言われても、遠い。
    2015/9/24

  • 利一の優しさはあまりにも大雑把過ぎて、もっと人には繊細に接してあげればいいのにと思う。
    不器用だと心を欲している人には何も伝わらず損だ。
    バラバラになった気持ちをうまく繋ぎ合わせるのは難しいことだけれど、他人ではない家族なら時間はかかっても望みは捨てないでいたい。
    最後の方は、一筋の光が見えた気がして救いがあった。
    利一さんが選んだ道が良いか悪いかは別として。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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