黄金の烏 八咫烏シリーズ 3

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900957

作品紹介・あらすじ

八咫烏が支配する世界〈山内〉を揺るがす危険な薬と人喰い大猿。故郷の危機に敢然と立ち向かう世継ぎの若宮と元近習・雪哉は危険を顧みず――。 2012年『烏に単は似合わない』で、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞した阿部智里。翌年に受賞作と対をなす『烏は主を選ばない』を上梓。人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界〈山内〉を舞台に、次の統治者である日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補の姫君たちを巻き込んだ権力争いを波乱万丈に描ききった。本作『黄金(きん)の烏』もやはり山内を舞台にした、壮大な和製ファンタジー。しかし宮中を飛び出し、そのスケール感は飛躍的にアップした。 物語は世継ぎの若宮と、郷長のぼんくら(とされる)次男坊が、危険な薬〈仙人蓋〉の探索にでかけるところからはじまる。不穏な気配を漂わせた旅先で、何と彼らが出会ったのは、人を喰らう大猿だった! 壊滅した村の中でたったひとり残されたのは、謎の少女・小梅。――いったい僕らの故郷で、なにが起こっているのだろう? 山内の危機に際し、若き主従は自らの危険を顧みず、事件のヒントを持つと思われる暗黒街の支配者のもとに出向く。そこで雪哉に課されたのは、未知の隧道の先にある物を持ち運ぶことだった。深い暗闇の底での冒険の末、雪哉が見たものとは? スペクタクル満載の本作は三部作の最高傑作にして、新たな展開をも予感させる意欲的な書き下ろし大作。「世界に通じるファンタジー作家」を目指す、阿部智里の才能にますます心奪われる一冊となっている。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目。八咫烏の世界に人喰い大猿が!
    若宮と雪哉が前作に引き続き活躍していて、引き込まれながら読んだ。
    特に大猿の居場所をつきとめに行く場面は、ハラハラしてしまった。
    黄金の烏とは?という部分にも触れられていて、今後に繋がっていくんだろうなと思った。

  • 雪哉の故郷に八咫烏を食らう猿が現れた。日嗣の御子たる若宮は雪哉と共に、八咫烏世界の安寧の為、尽力する。

  • 八咫烏を喰らう謎の大猿から故郷を守るべく、雪哉は再び若宮と行動を共にすることになります。
    この猿は一体どこからきたのか、猿に襲われた村で唯一生き残った少女は敵か味方か、そして"真の金烏"とは何者なのか…。
    いくつもの謎が錯綜する中で、物語がさらに奥行きを増したシリーズ3冊目でした。

    裏社会のボスを振り向かせた雪哉の機転ににんまり。
    とっさにあれだけの口上ができるなんて、さすがです。
    あいかわらず将来が楽しみな少年です。

    『烏に単は似合わない』で若宮の妻となったあの方も、今回は何度も登場します。
    "真の金烏"がどんな存在かが明らかになればなるほど、若宮の妻はこの人しかいなかったんだ、と確信させられました。

  • 薬害の原因追及の旅に出た若宮と、お伴の少年。訪れた村で人食いの大猿に遭遇し、生き残りの少女を拾う。
    二巻よりも初っ端から事件性が強くなっており、ミステリアス感漂う。

    …と思ったが、今巻はいまいち期待はずれ。星3.2ぐらい。
    アイデアはいろいろ注ぎ込んでいるのだが、見せどころがいまいち弱いな、と感じた。

    八咫烏シリーズなので、無理矢理タイトルに烏をいれたのだろうが、真の金烏の意味がラストで明らかになったものの、それをもっと説得力あるシーンで演出できればいいのに、惜しい。

    猿の謎や人間界など、残された謎が置き去りで、まだまだシリーズが続く予感があるが、いささかボリュームダウン。主人公の少年が目標を持ったというところが救いかな。

    全体に人気のキャラクターをさして見せ場なく使い回しているような、よくある漫画やラノベの引き延ばしのような扱いがかなり気になる。あと、前巻では面目躍如だった若宮の兄貴、主人公の引き立て役であの扱いは少々酷い。澄尾とか路近とか、武人たちをもっと活かせばいいんじゃないだろうか。

    真犯人の動機も薄っぺらい。真犯人が登場人物の頭数を揃えたところで意外な人物が…というこれまでのパターンでなくて、読者に先を読まれたくないあまりに唐突にとってつけたように出した感じで、ミステリーとしてはあまり出来がよくなかったのが汚点。

  • 雪哉………!!!とにかく雪哉がめちゃくちゃかっこよかった。
    八咫烏の存在は物語の中では人間とは全く関係のないフィクションなのかと思っていたが、ここにきて人間が八咫烏の世界とどのように関わっているのかが分かってとても面白かった。今まで曖昧だった「金烏」の正体や役割が明かされ、それを知った雪哉の行動に惚れた。どんどん立派になっていくのがなんか寂しい…

  • 八咫烏シリーズの続きが出ているのを知り本屋に向かうとハードカバー。諦めて買わずにいたものの、後日本屋を訪れ立ち読みしたら面白そう…。だけど文庫がいい…と思い諦め買わず。

    それから2日後諦めきれず本屋に行き買ってきました。ハードカバー。
    文庫が出たらまた買うし!いいんだこれで!

    と、諦めきれずについ買ってしまう程面白い八咫烏シリーズ。

    今回の主人公は再び雪哉。
    第一弾、第二弾が朝廷編とするならば、今回は山内編といったところだろうか。
    今回、ストーリーの主軸は「人を食らう大猿」探しですが、今まで気になっていた伏線も解消。

    山内とはどこにあるのだろうか?
    真の金烏とはなんなのか?

    前巻、前々巻同様「最後の最後」に判明する。

    個人的な感想だが、この「人を食らう大猿」の出現、この言わば「敵」の存在自体が今後のストーリーの伏線な気がしている。第三巻全てが伏線。と、ちょっと大胆な予想。

    また、三巻まで読んで思ったこと。
    一巻目が桜花宮視点、二巻目が若宮側視点の同時間軸の話となっていたので、一巻がメイン、若宮がサイドストーリー…と思っていたが、
    むしろ二巻がメイン、一巻は序章だったんではないだろうか…

    このシリーズは長く続きそうなので、リアルタイムで読めることをうれしく思う。

  • 今回もハラハラ・ドキドキしながら読み進める。まだまだ続きが楽しみ。雪哉の成長も。

  • 978-4-16-390095-7
    C0093¥1500E.

    黄金の烏 (きんのからす)
    八咫烏シリーズ 1部3章

    2014/07/20.第1刷

    著者:阿部 智里(あべ ちさと)
    発行所:株式会社 文藝春秋
    装画:苗村さとみ.

    カバー袖より
    八咫烏の一族が支配する世界”山内”で、仙人蓋(せんにんがい)と呼ばれる危険な薬の被害が報告された。
    その行方を追ってたびに出た、日嗣の御子たる若宮と郷町のボンクラ次男 雪哉が、最北の地で発見したのは、なんと村人を襲い、喰らい尽くした大猿だった。
    生存者は小梅と名乗る少女が一人だけ。-
    一体、この世界で何が起こっているというのだろう?-------------

    =目次
    用語説明
    人物相関図
    大山大綱

    序章
     1 垂氷郷
     2 少女
     3 藤の矢
     4 深層
     5 涸れ井戸
     6 不知火
    -----------------

    んー・・・。
    私の読解力不足なのか、イマイチ不完全燃焼で終わった。

    井戸の中の声の主は逃げて終わり。
    猿は言葉が通じない、しかし井戸の中のものは、会話が可能。
    なぜ御内詞(みうちことば)が話せたのか?猿だったのか、否か。

    小梅の母、初音はその後どうなった?
    初音の今の夫はどうなった?
    この二人は「捕縛された」とだけあるが、その後の具体的な話はない。
    死刑に処せられたのか、別の刑罰なのか。

    小梅はどうなった?どこへ行った?小梅も「捕縛された」の?そのあとは?

    一番最初の 序 にある 「あたし」ってのは初音だったんだね。
    明るい髪色の娘 というとすぐに東家の浮雲の娘(あせび)を思い出してしまうけど、これは違ったな。あせびは父親が明るい色の髪色で、母の浮雲は黒髪だ。

    物語の終盤、若宮と宗家の面々、さらに垂氷の雪哉がクローズアップされた。
    雪哉は故郷を守るために、金烏に忠誠を誓い、金烏の傍にいるために「勁草院に入った」。

    雪哉ファンには、盛り上がる終わり方だが、小梅はどうなったの?
    井戸の声は? この巻は、布石と設定だけか?

    表紙絵も分かりづらかったな。
    1巻の単の時はやられたな~って面白かったけど、3巻のこれは え?で終わっちゃった。

    次の4巻は 雪哉の勁草院の暮らしが中心かな。 

    -----
    タイトルが 黄金の烏 なので、
    この一冊は、金烏って「こういうヤツです」っていうお話でした。
    表紙には3人の人物が描かれていて、それぞれ気にしていたのですが、タイトルと絡めてみたら、金烏のエピソードでした。(若宮個人の話ではなく)
    文庫版の表紙には金烏が藤の弓を引いている姿なので、そちらのほうが良かったな。


    次の第4巻のタイトルは「空棺の烏」 「空棺」とはなんのことだろうな。

    ※紙媒体のメモあり

  • この世界観にハマってしまった。
    面白いの一言に尽きる!

  • 今までの3作の中で一番好き。
    2日くらいで読み切れるところもいい。
    早く次を読もう。
    近所に八咫烏という居酒屋の看板を発見。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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