- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901275
感想・レビュー・書評
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涙が止まらない。
桜庭小説の集大成と感じるくらい今までのいろいろな小説のいろいろな要素を持っていて、でも今までになかった要素もたくさん持っている。
一章が濃くて重くて惹かれ過ぎて二章、三章の印象が薄らいでしまったのが残念。
一章が本編で二章、三章がサイドストーリーという扱いだったら納得できたのになぁ…。
洋治が切なくてつらい…。
主要キャラがほぼ全員男性って珍しいなぁと思った。女の子に化けてたといえ男の子主人公でも桜庭節炸裂してたので男の子主人公もいけるんだなぁ…。これからの作品が楽しみ。
しかし時代設定というか世界観が良く分からない…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Message body
なんだろうね
一樹の書く作品は胸に響くよ
特に一樹が描く家族には
『ちいさな焦げた顔』は号泣しながら読んだよ
洋治はきっと満ち足りて燃えたんだろう
愛するものを守れる誇りで
長い間生きてきてムスタァと暮らして、梗ちゃんを育ててさ
ムスタァも梗ちゃんを愛して愛して、暖かくなったんだろう
幸せだったんだろう
梗ちゃんと離れるのも寂しくなかったんだろう
それは火だから
最後に燃え続けた火に再会してムスタァはどんなに嬉しかっただろうか
自分が拾って何よりも大事に育てたから
人間の家族以上に愛に溢れてた
泣いたよ
久しぶりに
他の2編はバンブーの話だった
類類は洋治を処罰した
国を出る時からの仲間だったのに
類類にとっては姉の考えは絶対だったのかな?
大好きな姉の代わりをし続けて変わってしまったのかな?
洋治は類類のことも類類の姉のことも知っていた
自分たちが作った法で裁かれるのは本望だったのかな?
洋治の寿命は近そうだったけど
少し、萩尾望都のポーの一族に似ていると思った -
アジアンテイストの吸血鬼のお話。桜庭さんの真っ黒なお話を期待して読んだ最初の方ちょっとがっかりしたけど、最後まで読んでとても良かった。自分より大切な誰かのために全て受け入れるそういうお話。
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人の生き血を吸い、生きたままの肉を食らう食肉植物バンブー。
一家惨殺の生き残り「梗」を無償の愛で育てる「ムスタァ」と「洋治」。 もう、最初から引き込まれた。
有りがちな話しだけど……優しいバンブー2人の愛情と悲しい別れに涙です。生きてる事、血が通ってる事の素晴らしさ。
人間の愚かさ。
何て感想を書いていいか分からないほど、私には良い本です。
バンブーの温かい愛が凄く良くて、消滅していく洋治とムスタァが、ただ、ただ悲しくて、でも温かい……そんな一冊でした。
生きて行くって嬉しくて愛しくて、悲しくて辛くて、欲深いね。 -
バンブー、の物語が三作。
ちゃんと繋がってます。
不思議な世界なのですが、リアリティを感じてしまいます。
疲れた時に、私は読みたくなる桜庭さんの作品。
また、何か探して読んでみます。 -
生きることは、変わること。悲しくても辛くても、火を絶やさず前に進むこと。
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人間の血を飲み長く生きる竹の妖怪、バンブーの話。洋治の運命がせつない。洋治が海を渡って人間から逃れる前から、赤い詩集によって自分の運命を悟っていたのかもしれない。
バンブーたちの体は冷たそうだけれど、梗ちゃんとのやりとりや関わり合いの中で、バンブーの気持ちのあたたかさを感じた。 -
生きろそなたは美しい