- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901947
感想・レビュー・書評
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ちょっとしたことから妙なことに巻き込まれてしまう。
考えられなくもない間違いだなぁ。
ヤバイと思うけど、もう引き返せない。
えー、どうなるの? とグイグイ引き込まれる。
こんなにかっこよく立ち向かえないよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キャプテンサンダーボルトというタイトルのセンスと評判の良さで買った。まぁよく話も練ってるし、文章だって下手ではない。けど読ませない。久々に小説を読んでて飽きてしまった。映画化とかしそうなタイトルとストーリーかな。ストーリーとかその周りの伏線とかはまぁよく考えてるけど、とにかく読ませない。逆の方がよっぽど良い。この手のものが自分の好みではない事がよくわかった。
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2015/03/06
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好きです(^O^)この感じ~
申し訳ないのですが阿部氏の作品は読んだことないんです・・・・・・
確かに伊坂作品にはないような匂いも♡♡
登場人物の名前がフルネームで記されているのも
仙台以外に岩手を駆け巡るのも
共作だからでしょうか
部類としては伊坂作品独特の寓話やおとぎ話ではなく、『ゴールデンスランバー』寄りの
超エンターテイメント!!
戦隊ヒーローに憧れた野球少年たち
彼らは大人になった
そこに子どもの頃に夢見た未来はなかった・・・・・・
十数年ぶりに再会した井ノ原と相葉は謎のロシア人に追われることになる
ロシア人たちの狙いは二人があるきっかけで手に入れた蔵王にある御釜の水
伝染病の病原菌があるとされ立ち入り禁止になっている御釜の水だ
この水が人生の逆転打になると確信した二人はあることを思いつく・・・・・・
しかし・・・・・・・・
彼らが知ることになる驚愕の真実とは!!!
彼らは今を変えることができるのか!!!!
というお話
子どもの頃に感じた幸福感や将来への希望と現在の自分自身のギャップ
本当はヒーローになりたかったふたり・・・・・
んーーーこの切ない感じが物語全体を悲壮感に包んでいいーー感じ
そして、ラスト!!!!!
東京大空襲時に五色沼付近に墜落したとされるB29戦闘爆撃機
五色沼に眠る伝染病の病原菌
公開中止になった戦隊ヒーロー映画
少年時代の野球チーム
現在起ころうとしているテロと国家の秘密
すべてが繋がり!!!!!!!!
おー(゚∀゚)キタコレ
本屋大賞候補作品にもなりましたねー
個人的には『ゴールデンスランバー』の方が好きだけど
とっても楽しい作品 (*^^)v
「現在の自分は過去の自分に誇れますか?」 -
阿部和重さんの著作は「グランドフィナーレ」しか読んだ事ないからなんとも言えませんが、読後感としてはフツーに伊坂さんの新作を一冊読み終えた時のもの。
何も知らずに読んだら伊坂さんの作品としか思わん気がするけどそれは単に自分がミーハーだからなのか?
まあそれはともかく面白かった。
これまた伊坂ワールド特有の、ただ面白いだけでなく
その中にくどくないレベルで、ちょっとした風刺というかアンチテーゼみたいなのが垣間見える。
“村上病はあるけど、ない”
これはお伽噺ではなく、村上病をいろんな言葉に換えて考えてみたら面白いかも。 -
久々の一気読み。疾走感、ワクワク感が最高。緩急の付け方が上手いから読み続けても疲れない。自分の過去・現在・未来をふと考えさせられる物語。また映画化しそう。
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伊坂幸太郎と阿部和重の合作。
昔のヒーロー映画、感染病、東京大空襲時に特命を受けたB29という、繋がりそうもない3つが少しずつ繋がり、真相が明らかになっていく様は圧巻。
ストーリィも壮大で、登場人物も魅力的。ユーモア溢れるセリフの言い回しもクスリと笑う。 -
まず、冒頭。二人の文体がめちゃめちゃ混ざり合っていて、めまいじみた酩酊感に襲われる。「おいおい、このペースで全章書かれたらついてゆけんよ」と思っていたら、そんなのは冒頭だけで、残りはマイルドな混ざり具合だった。どっちが書いているのか、はっきりしない場面も多かった。合作として成功している証拠。
合作といってもいろいろある。ロックバンドのコラボなんかだと、曲の輪郭のよくわからない合唱に落ちてしまう失敗作が多いと思う。でも、この作品はお互いのいいところがちゃんと混ざり、引き出されていた。伊坂のえぐみ的な部分が出そうになると、阿部がさらっと乾いたギャグでさらっていく、みたいな。おかげで読書疲れする暇もなくするする読めた。
しかし、これでいいのか、という気も同時にした。もしも灰汁を完璧に掬い取ってしまったらスープは元の白湯に戻ってしまう。そんな不安感が常によぎる作品でもあった。美しい、物語としての完成形でなくて、ガツンとパンチの利いた主張が聞きたかったら個人作で、となるのかな…。
やむにやまれない事情があって、事件に深入りしていく相葉と井ノ原。その「切実さ」は事件の首謀者側も持っていたものではないか、と私は思う。やむにやまれない事情があったら、人は何をするかわからない生き物。はっきり言っているわけではないが、太平洋戦争やテロといったモチーフが見せているのは、窮地に追い込まれたもう1人の相葉・井ノ原がしでかした事態のようにも見える。
そして、リーダー不在のまま進む物語にも勇気がわく。野球のキャプテンを決めようとしてなすりつけあいになる、ああいう場面は人生の中で誰もが一度は経験してるのでは。現実の世界にはリーダーなんてほとんどいない。ブルーとグリーンあたりでなんとかしなきゃいけないことがほとんどだ。それで、本当になんとかしていくんだから、感動する。
結論としては、軽快なテンポと重厚なテーマがバランスよく組み合わさった、喉ごし・後味ともに隙のない作品でした。
2015.1.26追記
「切実さ」を持った人間がしでかしかねないことについて、テロや戦争も「切実さ」を持った人間のすることなのではないか、という部分について、近頃のニュースを見て、考えが少し変わったので追記。
本書では「でも、人殺しまではしない」と相葉自身が言っているように、「切実さ」があると人はいろんなことをしてしまいがちなことを示しつつ、それと残忍な行為は無関係であることもはっきり言っているように思う。
戦争加害者側、事件の首謀者側の「言い分」が語られる場面がこの小説には用意されているが、それを聞いても、そこに人殺しが許されるほどの「切実さ」があるようには感じられない。
「そうするしか本当に方法がないのか?」暴力の正当性に関するこうした問いかけは『SOSの猿』、『重力ピエロ』などの伊坂作品でも度々登場するテーマだ。「切実さ」ゆえになにを自分に許すのか、どういう優先順位をつけるのか。ひとりひとりが自分に問いかけなければならない、と作者たちは言いたかったのではないかと思う。