サロメ

著者 :
  • 文藝春秋
3.75
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本棚登録 : 2015
感想 : 246
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905891

感想・レビュー・書評

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  • 凄い本だ。原田マハさんの本はたくさん読んでいるけど、これはベストスリーに入る。愛する男の首が欲しいと願ったサロメ。表紙は、サロメがヨハナーンの首に口づけをするシーン。なんて狂気に満ちているのだろう。間に挟まれる黒いページが、舞台が暗転したようにも、物語に死が訪れたようにも感じられ、ゾクっとする。装丁は大久保明子さん。

  • 面白かった。
    最後にちゃんと「フィクションです」って書いてあるんだけど、
    ホントにあったことだと思ってしまう。
    ほとんどはピアズリーの姉、メイベルの視点で描かれていて、
    ページの間の真っ黒のページが劇場の幕を思わせる。
    サロメを観客として見ている気分になる。


    サロメを読んだことはないのだけれど、
    サロメって言うと必ずピアズリーの絵を思い浮かべる。

    文庫って何でピアズリーの絵が表紙じゃないんだろう。
    他の国の本はどうなっているんだろうと思った。

  • 刺激的で、ドキドキし、焦り、不安で、物語の中で溺れるような
    そんな感じでずっと読んでいた
    ネットで見たオーブリー・ピアズリーの絵は不思議で
    その不思議さがこの小説を支配しているような気持ち
    すごい時間を過ごしたけれど、疲れた

  • 2017年早々凄い本が出た…
    何この愛憎劇は…
    オスカー、ビアズリーを中心に皆んなの2人へ対する愛と言うより所有欲が凄まじくて地獄のような展開に。
    世紀末のロンドンで、2人が天才同士、男同士にも関わらず深い関係だからこそ起きた歴史の一幕。
    史実はどうか分からないけど、もしこれが本当の話だったら凄い事件だなと思った。
    人間誰しもサロメになり得る…
    泥沼っぷりが最高でした。

  • オスカー・ワイルドのサロメをモチーフにした物語。戯曲も小説も知らなかったけれど、とても興味深く読むことができた。原田マハ作品から知る芸術家たちの生涯はとてもドラマチックで(創作だとわかっていても)さらに深掘りしたくなる。
    今作は画家のオーブリーよりも姉のメイベル視点で描かれているのも、入り込みやすかった理由なのかも。

  • 欲しいものはどうしても欲しい。

  • まるで自分もその時代にいてその現場を目撃しているかのような臨場感
    美しいのか醜いのかも分からない

  • 感想
    他者の首を要求する。美女のために権力者は狂い、賢者は惑う。太古から繰り返される道理。そこから外れることはできない。美術も同じ。

  • 19世紀末イギリスの
    退廃的な世界の
    ミステリー
    映画のようだった

    市のリユース文庫にて入手

  • 妖しくて、生々しくて…でも、ページをめくる手が止められない。そんな本だった。

  • 主人公がやることなすこと怖かった、人に尽くしてるようで全部自分のためで、なのに自覚してない。
    よんでてはらはらする

  • 全く知識がなく読んだため、話の内容が難しく感じた。登場人物それぞれが野心的で、苦しいくらいだった。

  • オーブリーはもちろん魅力的だが、知的で品があり野心家で美しいメイベルに惹かれずにはいられない

  • 初読みの作家さん。
    オスカー・ワイルドは知っていたが、オーブリー・ビアズリーに関しては予備知識なく読み始めた。
    入り込めるか心配していたけれど、すぐに夢中になって読了。
    恋に狂ったサロメは誰だったのか。

  • 懐かしのロンドン ヨーロッパを舞台にした物語でした。

  • 「業」に入れば「業」に従う人たち。

  • この街は、つくづく不思議な街である。新旧様々なものがせめぎ合いながら、肩を寄せあって共存している。建築、芸術、風景、そして人間。古いものと新しいものが、互いにつぶし合うことなく生きながらえているのだから
    男色家の餌食になったいかがわしい弟を持つ女優は表舞台に上がるな

  • 原田マハさんのアート小説はもう緻密だ。読んだ後に必ず登場人物を検索してどこからがフィクションなのだろうかと問いたくなる。サロメは吹奏楽で出会った作品だったが、そんな話だったとは。そしてビアズリーの姉をサロメと重ねて描くだなんて、面白かったです。

  • ビアズリー姉弟のお話。サロメといわれると、個人的にはモローが出てくるけれど、ビアズリーの異質さは感じる。
    途中から姉とサロメが重なって見えてきて、ぞくぞくする。
    2020/10/30

  • 言葉では聞いたことがあったサロメ、聖書の一節に登場する美姫


  • かつて天才画家と謳われたオーブリー・ビアズリーの研究をしている甲斐は、文学者オスカー・ワイルドの研究者である女性から折り入って見せたいものがあると手紙を受け取る。
    ビアズリーとワイルドと言えば当時世間を騒がせたサロメだが、彼女が持ってきたそれはサロメに関する見たことがないビアズリーの絵だった。

    これは創作の、いわばおとぎ話のようなものであると頭ではわかっていても、原田さんの描く物語はまるで本当にそんなことがあったのではないかと錯覚してしまう。
    サロメの愛憎劇に負けないほどの、愛と嫉妬に満ちた物語に圧倒されっぱなしだった。

  • 世界観に引き込まれる本。
    中身はこれでもかというほどどす黒い。
    人間は誰しも怪物になりうるのだろうか。

  • 原田マハの本はいつもながら読み始めると止まらない。実在の人物が主人公で流れもわかっているのに一気に読まされてしまう。

  • 「サロメ」の挿絵画家と、著者と、女優の
    ドロドロすぎる愛憎劇。

    姉の執念、恐るべし。

  • 【いちぶん】
    その逆もいえる。つまり、ピアズリーの挿絵があったからこそ、〈サロメ〉は永遠に人々の記憶に残るものとなった、と。
    (p.13)

  • 誰の心にも潜んでいる罪深きものへの興味、怖いもの見たさ。人間の原初的な感覚に、オーブリーのナイフはまっすぐに切り込んでくる。彼の〈サロメ〉をひと目でも見てしまったら、もう逃げられなかった。(285ページ)

  • 今まで読んだ原田マハとはちょっと違う、怖い印象の一冊。
    ロンドンの空気感と、拗れている人間関係と、主人公の行動がマッチして中々にダーク。
    登場人物のことを知らなかったので、この本の内容に大分引っ張られそうなくらい、登場人物たちのキャラクターが立っていたように思う。

  • 最後の余韻がいい!!

  • 良くも悪くも淡々としている。自分があまりこの画家に惹かれないせいか?

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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