出会いなおし

著者 :
  • 文藝春秋
3.55
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本棚登録 : 1740
感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906201

感想・レビュー・書評

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  • 冬の寒い朝にぬくぬくの布団から抜け出せないような雰囲気を持つ心地よい短編集。個人的には「カブとセロリ」「むすびめ」「青空」が印象的だった。「青空」はその瞬間の話よりもそこで語られる妻との別れのくだり。「最後の1週間は意識もなかったから、どこで別れを告げたかのかすらも曖昧のままだ」とか「やりたいことをやらせてやれなかった罪の意識が作用して」などの部分が切実に刺さったから。短編集と言う事もあり本屋大賞にノミネートはされなかったけど次作品にも期待。

  • 2018.1.16
    どれもよかったーー面白かった。なんだろう、うまく言えないけどこの読み終わったあとのいい感じは。
    日常を切り取って描いた短編集は、どれもその人その人の内面をよくうつしていて。短編集ってあんまり好きじゃないことも多いけど、これはなんか、この長さがよかった。
    「出会いなおし」っていうタイトルがまた素敵。まさしく、「人は会うたびに知らない顔を見せ、立体的になる」がしっくり。「カブとセロリの塩昆布サラダ」が特に好きだった!

  • かぶと大根と話が面白かった。

  • すごく良かった!
    「カブの塩昆布サラダ」って名前だけですごく美味しそう…私も食べたい…。

    どの短編も良い!!
    「年が進むほど慌ただしくなる」って、確かにそうですよね。

    短編って、登場人物に感情移入することなく読み終わってしまう作品もあるけど、森絵都さんの作品はキャラが良い。だからすぐ感情移入できちゃいます。

    「みかづき」に続いて本当に良かった。
    新作が今から楽しみです。

  • 出会いをテーマにした6つの短編。
    6つの作品それぞれが、違った個性をもっているため、全体として立体的な作品になっている。

    特に、標題作の「出会いなおし」がいい。
    ーー年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になるーー
    この言葉、噛み締めるほど味が出る。

    もうひとつは「むすびめ」から、
    ーー理解しあうために必要な年月もある。人は、生きるほどに必ずしも過去から遠のいていくのではなく、時を経ることで初めて立ち返れる場所もあるのだーー
    うん、時を重ねることは悪いことばかりじゃないね。

    そして、「テールライト」の不思議な構成。
    ラストに掲載された、「青空」の孕む希望。
    適度な重量感と、軽快さと、清々しさを味わえる作品。

  • 大好きでした。
    短編小説が6つ。出会いなおしが一番好き。
    ユーモアのある表現も好きでしたし、物語の展開もありきたりでなく、でもワクワクしました。

  • 表題作「出会いなおし」と他の短編
    同様に 出会いなおしを描いている感じでした。

    カブと大根の話がよかった。

    ちょっと長い「テールライト」はよく意味がわからなかった。全部別の話として読めばよい?

  • 意外にも著者初読み。
    ブクログでのレビューがとても良かったので、読んでみた。短編集なのだが、私はどれも何が伝えたいことなのか、いまいちよく分からなくて、全ての作品が中途半端にしか感じなかった…多分、作者さんの好みの問題かなぁ。

  • 失敗しても年を取ればまた同じ人と出会い直せばいいのかぁ。しみじみといいお話が6編。
    イラストレーターと編集者の「出会いなおし」が好きでした。変わっていく相手を受け入れていけるっていいことだな。男女でも必ず恋愛関係になる必要はないし、遠くでずっと思い続けるって素敵なことだと思いました。
    小学校の時気まずく別れたままの2人が同窓会で再会する「むすびめ」も良かったです。

  • 最後のお話が、一番心にズンと響いた。
    もちろん、その他の話もそうだけど。

    何処かで踏ん切りをつけて前に踏み出すのは並大抵では出来ないって事ですかね。納得です。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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