僕が殺した人と僕を殺した人

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906430

感想・レビュー・書評

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  • 一気読み

    なんかスタンドバイミーを観た後の気持ちになった

  • はじめの2、3ページでもう面白いと思った!!
    はまる、無我夢中で読める面白かった。


    ある何かが起こったからそれに対してこうするとか
    因果がすごくはっきりしていた
    そこが印象的であり面白かった
    台湾の人の人格?のようなものなのかなぁ。
    すべての行動に理由を持っているように(つけているように)感じた

    色んな言葉(台湾ならではの言葉もあるが分かる言葉もある)の成り立ちが、ストーリーが話されていて、今使われてる言葉も生み出された言葉も全てにストーリーや何かがあるのだなと思わされた。

    少し残虐的なものもあり、日本の統治時代の台湾なども出てきたから、今まで知らなかった歴史を知れる。
    途中ではっ!っと気づかされるところがあって面白かった
    時代がたくさん飛ぶが、その時代によって生活している場所が異なるなど、するためどこの時代のことを話しているかわかる
    この世界にひきこまれるように読んでいた
    少しだけよくわからなかったジョージオーウェルの「一九八四年」を読んでよかったと思わされた  

  • たまらない少年時代。
    豊かな映画で描かれているような少年時代。
    豊かというのは、優しく温かいと同義ではなく、
    その痛みまで焼き付けられてしまうような、
    そんなフィルムのような豊かさ。

    語り口にすっかり騙された。

  • 米国で起きた連続殺人事件で捕まった犯人とその弁護士。
    二人をつなぐ消えない過ち。
    一人称で綴る物語と、少しずつ明らかになる犯人であるサックマンの正体。
    直木賞受賞作より好きです。

  • 帯の煽りが小川洋子さんじゃなければ敬遠してたかもしれない。小川洋子さんであっても台湾の話という事で登場人物名で読みにくそう…と手を出すのに勇気がいったが、読みだすとグイグイ引き込まれて一気に読み終えた。

    台湾での少年時代の描写は本当に活き活きしていて頭の中に台湾の雑多な景色が浮かんできて映画を観てるよう。それぞれ影ある家庭環境のもと育まれていく友情はそれだけで十分に一つのストーリーであるが、そこに現代が加わることで更に深みが出ている気がする。

    それは、この小説のもう一つの魅力である過去と現在の対比。その対比を際立たせる漢字の使い方と主語の入れ替え。このコントラストを主語の入れ替えを巧みにぼかしながら段階的に切り替えていくことで、どんどん読み進んでしまう流れになっていと思う。こういうパズル的な文章の書き方は推理小説的でもあるかな?と思ったらやっぱりそっち系の作家さんなんですね。

    あと作者は私と同世代かな?出てくるアーティストが全て私のリアルタイムでちょっと楽しかった。一つ難をいうなら引用した小説をネタバレ的に説明するのはちょっとどうかと…

    あと皆さん指摘の通り、私もスタンド・バイ・ミーが思い浮かびました。

  • 1980年代の台湾。親に見捨てられた少年ユン。牛肉麺屋の太ったアガン。継父にいつも殴られ喧嘩っ早いジェイ。ぶつかり合いながら少年時代を共に過ごした三人の運命が、ある事件を境に急変する

    舞台は現代のアメリカに飛び、少年ばかり殺す連続殺人鬼の台湾人が捕まる。三人は、連続殺人鬼、彼を助けようと奮闘する国際弁護士、台湾で成功する実業家になっている。

    スタンドバイミーを髣髴とさせる青春小説でもあり、謎解きの面白さもあった。

  • 想像通りでした。が、
    面白くて一気読みしたいのに
    なかなか時間が取れず、チョコチョコ読み。

    最後がなぁ…

  • 東山さんによれば『流』が光を『僕が〜』が影を強調したとのことで。台湾を舞台に青春と影を。友情と街の雰囲気、ストーリー展開は良かったかなあ。ですが、私のど真ん中にはきませんでした。好き嫌いの問題かなあ。サックマンは誰か判明したあとは、多少引き込まれました。

  • 1980年代の台湾。3人の少年が出会い、かけがえのない日々をともに過ごし、そして別れていった。やがて二十数年後、彼らは連続殺人鬼、弁護士、その依頼人として再び運命を交える。

    連続殺人鬼になったのは誰か?という部分に関して著者は謎解きを重視していない、というレビューを読んだ。
    確かに最も重要な部分はそこではない。
    でもミスリードを誘った上での謎解きも、十分読みごたえがあり素晴らしい。

    それぞれ家庭の影の部分を背負い押しつぶされそうになりながら生きていく少年たち。 何度倒れても立ち上がるのは、動物的な生存本能に突き動かされているから。 絶望の中の一瞬の光を彼らは生きる。

    両親もまた日々の苦しみにもがき続けている。
    親たちの選択がまたその子たちを苦しめる。
    日本よりも家族の絆が強い台湾の、血のしがらみが深く彼らを傷つける。

    「流」以上の、心に届く物語。

  • 30年前、それぞれの事情のもと、絶望し、怒り、それでも家族を愛し、葛藤しながら友と過ごした日々。秘密を、闇を、贖罪を抱きながら別々の道を歩んだ彼らが、30年後に見た現実は?正しいことは何なのか?受け入れること、与えること、罪の重さ、友情。何とも云えぬ読後感だ。

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著者プロフィール

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『Turn! Turn! Turn!』『夜汐』『越境』『小さな場所』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。訳書に、『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)がある。

「2023年 『わたしはわたしで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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