ガーデン

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906447

感想・レビュー・書評

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  • 2018.5.18 読了


    なんか小難しい話だった。。。

    自分の庭だけを大事にし、ほかの人には興味ない。
    ほかの人とは 理解し合える訳がないと決めつける。

    深く付き合おう、向き合おうとしない。


    理解できるような、できないような。

  • 千早さんの小説は雰囲気が良くて好き。主人公には最後まで寄り添えなかったなぁ。

  • 羽野の言葉は正論で、一般論で、正しいはずのその言葉が悲しく人を傷つける。
    最終的に怒りを感じて手を伸ばした相手は理沙子で、自分の手で負える程度の欲望しか所有しないと指摘されてきっかけとなったのは緋奈。
    だけどタナハシは最初から羽野の根本に関わる部分を羽野に冗談交じりで伝えているのに、タナハシは結局カタカナ表記の脇役でしかない。
    別にタナハシも羽野を絶対的に切実に求めていたわけではないと思うけど、正論で傷つけられた相手はタナハシだったと思う。
    タナハシを思い出す時の羽野は一般論の女性との比較でしか用いてなくて本当の意味では心配してくれてない気がする。
    沢山の願いを持っていると見えるタナハシも根本はきっと切実な大きな願いの枝葉で小さな願いがあると思う。
    印象的な言葉はいっぱいあったけど、タナハシへの感情移入が強かった。
    タナハシにも与えて、与えられる人が現れて欲しいと願ってしまう。

  • タイトルと表紙を見てから読み始めるまで、女性が主人公のお話かと・・・。
    主人公のサラリとした外面と、深いところに根付いた記憶や思い出から形作られた思考の差にクラクラした。
    主人公に寄り添って読み進めたために終盤、第三者から見える主人公の姿にドキリとさせられる。
    多分そういう差異は現実にもあるんだと思う。

  • 開発途上国で幼少期を過ごした編集者の羽野。
    埋められない現地の人たちとの貧困の差、たくさんの南国の植物に囲まれて過ごした経験を通して
    平等ではないこと、どこか他人と距離をとって接していた。

    流行に自分を合わせて、屈託無く話せた同期のタナハシが抱えていた心の病気。
    売れないモデルの年下の緋奈と植物との対話、彼女に言われた正論。

    バイトのミカミさんの守りたくなるような危うさと母性と強さ。
    建築デザイナーの愛人になりきることができずにくすぶる理沙子と出会いと別れ。

    最後まで読んで、羽野さんは結局びみょーな男だな、っていう感想。
    自分は他人とは違う、オンリーワンの自分を他人に理解することなんてできやしないと
    頭でばっかり無駄に考えちゃって、勘違いしちゃってる人だよ。

    なんだかかわいそう!
    理沙子と寝れば良かったのに。

  • 雑誌編集部の羽野君。
    ミカミさん、タナハシ、理沙子さん、緋奈。

    あたしが目指している人間像。

    多分逆だからだと思う。
    グリーンキラーだし、
    ぐちゃぐちゃ色々考えていつも心配ばっかりだからな。

    ラストは、ちょっとびっくりした。


    読んでる感じは、湿った冷たさ。

  • 自己完結している植物男子の話だが、周囲の女性達の厳しい状況が何となく印象的だった。
    会社の女の子たちの、恋愛はもういいからサクッと結婚したい・・みたいなセリフが心に残った。
    今、働いて、家庭を持って、子供を産んで育てることが自然で楽しいと想像できない人が多くなっていると思う。
    なんでこうなったんだろう?

  • なんだか暗い感じの小説だった

  • 観葉植物や花の名前が出てくる度にネットで実物の写真を確かめて、イメージを合致させる楽しみがあった。
    話の内容はそんなにおもしろくなかったけど、何故だか半日で読み終えた。

  • 愛する植物たちに囲まれた部屋を何よりの「居所」として、女性嫌いというわけでもないけれど、介入しない・させない生き方をしてきた主人公。そんな彼のスタンスが、編集の仕事を通じて出会った女性とのかかわりで少しずつゆらいでゆく…

    主人公の周りの女性たちは、ふとしたタイミングでいろいろな理由でいなくなっていきます。けれど主人公はそれに揺らがずに、見送るだけ。陽が陰り影を落とす植物のように、彼は彼のその存在を揺るがせない。

    いたって普通に生活を送っている彼だけれど、逆にそんなひとつ間違えれば崩れそうなたおやかさが、どこかいびつにも感じます。

    そんな彼がとある女性に揺らいで、人の体温を取り戻していくように思えました。

    静かな鼓動を繰り返していた物語が、ふとその動きを速めていく、そういうふうに感じ取りました。艶やかなイメージは今回は薄いけれど、繊細さの増した描写やすっと胸をすくような女性たちの台詞が印象的でした。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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