影裏 第157回芥川賞受賞

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907284

感想・レビュー・書評

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  • 映画化されるのを知って読んでみた、芥川賞受賞作とのことで期待していたががっかりだった。やたらと回りくどい表現を使ったり、場面展開が唐突だったり新しい作風に見せかけようとしているようだが、中身はペラペラだった、よくこんな小説を芥川賞に選考したもんだどうかしているよ。これで映画を見る気はさらさらなくしてしまった。

  • 一人称が「わたし」で、前置きもなしにゲイ設定は流石に主人公の性別で混乱する。

    行間を読めといえばそれまでだが、やや説明がしきれていない感じがあって、「その夜」っていつの夜?のような箇所が多かった。

    LGBTについて細かい説明もなしに出てくるので、みんなそれに混乱する。

    一つ感じたのは、私たちはLGBTが無いという前提で読んでおり、固定観念のもとに読書しているのだなと感じた。

    当たり前に主人公は男だと思っていたが、そういえばLGBTの描写以前に、男であるという描写はなかった。

  • 先に綾野剛と松田龍平で映画化された物を見た。
    映画を見て理解できない部分があったので、原作を読んでみた。が、原作を読んでもイマイチ理解できなかった。

  • 芥川賞作品って自分とは合わないと思っているから読まないんだけれども、岩手が舞台と聞いて読んでみた(^^)思ったほど読むのが辛くはなかったけれど、やっぱり合わないな~(--;)でも二戸が出てきた時は嬉しかった♪

  • 自然豊かで、人々は純朴。
    そんなイメージを岩手に重ねる人も多いように思われる。
     だが、農林水産が主産業の土地でもあり、生活は楽ではない。貧しさと無縁でない人も多い。
    必死に生きぬくために、美しくない、えげつない生き方をする者も居る。そのことを静かに突き付けられた気がする。読後、なにかちいさなトゲのようなものを胸奥に感じた。
    舞台となる土地や、人の匂いを、肌で感じることが出来たためにちがいない。心のやわらかい部分で、感じ取ったように思う。

    作品の舞台は、盛岡とその近郊。
    箱清水、滝沢、夏油、猿ケ石川…。そして、釜石。

    私個人的に身近に感じられる地名ばかりであった。
    なつかししく、あるいは、軽くを胸をしめつけるような感触、せつなさとともに。
    そして、緑豊かな大樹が岸辺に影を落とす、川沿いの風景もまたなつかしく思い出される。

    わたし(今野)は、同僚の日浅と、渓流釣りや呑み会で親交を深めていく。だが、ある日突然、日浅は、姿を消す。会社を退職していたのだ。
    その後(後半)、日浅のもうひとつの生活史が明らかになってゆく。

    日浅は、あまり感心できないマルチ商法じみた営業の仕事に従事し、ノルマに追われ、周囲への借金も重ねていた。さらには、大学4年間の学費もなにかに費消し、卒業証書も偽造していた。
    まっとうでない商売をし、えげつない生き方を歩んできた男であったのだ。

    そんな日浅だが、「わたし」に契約を繰り返し求めたり、金を無心することにはためらいがあったようで、
    そのことは、日浅のある思いを感じさせるのであった。
    あるいは、友情のようなものだったかもしれない。

    本作が提示するのは、輪郭がはっきりしたテーマではない。
    私は、生活の隣にある不穏で不安な空気、ほろ苦い記憶、トゲのような感覚、をうけとめた。

  • 芥川賞、映画化ということで読んでみた作品。
    初めの方の自然、風景描写はとても素敵で気持ちを奪われたが、内容的にはちょっと?
    日浅、謎の人物。
    読後のレヴューで LGBTモノといのをみて、そういう視点で読まなかったから分からなかったのかも?とも思った。
    でも多分再読はしない。

  • 映画を見て、原作を読んでみたいと思って読みました。
    映画と原作は、同じところは同じだけど全く違うところが多くて。
    映画の蛇の場面はなんだったの?原作では出てこなかったし、映画で見た今野の気持ち的な感銘が原作にはまったくなかった(あったけど私には感じられない形で、それを凡人にもわかりやすくするために映画には蛇の場面を入れたのか?)
    どの部分が芥川賞なのか。難しい賞の良さは私には分からないみたい。

    ---- あらすじ ----
    第157回芥川賞受賞作。大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、「あの日」以後、触れることになるのだが……。樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。

  • 実は奥深いのだろう。私の修行が足りず、読み込めなかった。重苦しかった。

  • あまり理解ができなかった

  • 理解しながら読み進めることに苦労してしまった。
    主語がはっきりしていないし、場面も突然変わっていくからだろうか?
    ここにストレスを感じるところからはじまってしまったので、あまり没入できなかった。
    そして他の方の深い考察のような想像も膨らまなかった。相性の問題&自分の想像力の欠如の問題。

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