愛が挟み撃ち

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908045

感想・レビュー・書評

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  •  現代パートと学生時代の回想パートがあり、現代は奥さん、回想パートは旦那さんに語り手が分かれている。回想場面を読んでいると、想定している表現を数段上回ってくる凄い感じがあって、ハラハラする。特に演劇をディスる場面が火が出るようだった。ところが現代パートは、特に不妊治療に首をかしげる表現があって、飲み込みづらさを感じた。結末がバタバタと店じまいするような急展開だった。タイトルもふざけているような、半笑いのすかしている感じがした。全面的に絶賛はできないけれどとても面白かった。

  • 愛という形のない物が、いろいろな現実の出来事の中で表現されている気がしました。「愛を信じられない男」は、誰よりも愛を信じていたのではないかと思います。
    過去の若さからくる自信が年月を経て変化し、それぞれの人生と重なったからこそ、全員が愛を感じて満足いく結果が待っていたんじゃないかと思いました。
    読後感もよく、さらさらと読める物語なのに、さらさらと読んだ後、3人の関係や出来事の意味などずーっと考え続けてしまう深さがありました。読書の楽しさを感じた一冊でした。

  • 生活の中の何気ないかっこ悪い瞬間、一瞬のダサいポーズとか変な癖とか、身内にだけ見せられるっていう瞬間がバッチリ描かれてて愛おしくなる前田司郎のそれ。
    三人の過去の話では自分の感情も過去に連れてかれたような感覚がして失った何かの存在を思い出す。
    最後は怒涛の奇妙な滑稽さ。

    他者から愛を注ぎ込まれ、愛の実感をもらった二人。
    独りよがりな男のバカさ加減とか
    誰かの愛による疎外感の痛みとか
    生活感とか、いろいろ。もぐもぐ。

  • 【愛が信じられない男をめぐる三角関係】不妊に悩む結婚6年目の夫婦。諦められない夫の提案は、驚くべき解決策だった。男二人と女一人の、愛をめぐる危うい心理劇。

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著者プロフィール

1977年生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)で三島由紀夫賞候補。『夏の水の半魚人』(扶桑社)で第22回三島賞。その他の著書に、『逆に14歳』(新潮社)などがある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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