エンペラー・ファイル 天皇三代の情報戦争

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 29
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911779

作品紹介・あらすじ

「米国人は立憲君主をまったく理解していない」「君主は単にゴム印を押す存在ではない」(英外務省内部文書) 戦後、GHQによって「象徴」とされた天皇のあり方について、立憲君主制の老舗の英国は、そんな表現で、日本の宮内庁に助言をしていた。 そこで、昭和天皇はどう動いたのか――。 本書は、近年機密解除された英米の公文書をたんねんに読み解き、奇しき縁で筆者にもたらされた昭和天皇側近のインタビューテープを繰り返し聞くことで得られた、まったく新しい「象徴」天皇の姿である。 戦前、政府、軍部の上奏を信頼した結果、未曾有の敗戦を招いてしまったという苦い経験から、戦後の昭和天皇は自ら世界情勢の情報を集め始めた。とくに、国際共産主義に対する警戒心を隠そうともせず、英米の要人と情報交換をするさまは、あたかも天皇自身が国際政治のプレイヤーであったかのようだ。 さらに、次代を担う皇太子には、自分で考え、自分の意思で行動することを教えるため、バイニング夫人を招聘するなど、新しい教育環境を整えた。 昭和、平成と受け継がれた、新しい天皇像は、海外留学を経験した始めての天皇である令和の御世の新天皇のもとで今、花開こうとしている。 天皇三代の行動を「インテリジェンス」という側面から再構築すると、「象徴」という言葉だけではとらえられない、本当の君主像が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • なんやこられは

  • 書評はブログに書きました。
    http://dark-pla.net/?p=1211

  • 【私は、戦後の昭和天皇が駆り立てられるように国際情勢のインテリジェンスを求めたのは、情報を持たずに国を崩壊させたことへの悔悟の念だったのではと述べた。だが、それと同じく、いや、それ以上に思い知らされたのが、自分の意思で判断し、行動する力の大切さではなかったか】(文中より引用)

    昭和・平成・令和と三代にわたって続けられた皇室と国際情報綱の関係に光を当てた作品。公文書や私信を丁寧に紐解きながら、知られざる戦後史の内幕を描いていきます。著者は、英国ロイター通信の特派員としても活躍した徳本栄一郎。

    まだまだ戦後史って興味深い側面が残されているなぁと感じた一冊。国際社会の生の情報を入手しようとする昭和天皇の横顔と、それを手助けする田中清玄の関係性に特に引き込まれました。

    まだまだ発見を待つ宝のような文書がたくさんあるのだろう☆5つ

  • 【海外の機密解除資料が明かす天皇家三代の戦い】敗戦の反省から昭和天皇が立てた戦略。独自の情報網を持ち、自分で決断し着実に実行する。令和にも受け継がれた象徴天皇の本当の姿。

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