八月の御所グラウンド

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 450
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917320

感想・レビュー・書評

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  • 万城目学さんの久々に京都を題材とした小説ということで、楽しみにしていました。

    中編2つが所収されている。
    方向音痴でコースすら迷う女子高生の駅伝のお話。
    何故かお盆時期に朝の6時から御所グラウンドで野球大会を行う大学生たち。

    どちらもくすりとしてしまう不思議な設定に、切なさを感じるお話でした。

    8月だからこそ読みたい一冊

  • 第170回直木賞受賞作。
    久々に直木賞受賞作を読みました。
    そして初の作家さんでした。
    何も前情報入れずに読みました。
    なるほど、単純なスポーツ青春小説かと思いきや
    ファンタジーや歴史要素が。
    久々にこの類の小説を読みました。

    京都は何度か行っているので、御所の周辺とか
    暑さとか、碁盤のような道とか
    イメージはわきやすかった。

    どうなっていくだろうのワクワク感はあったものの 
    やはりリアル×ファンタジーは得意ではない私でした。

    でも登場人物は魅力的で、作品自体もあったかい。
    京都の人たちにはきっともっと刺さる作品なんだろうなー。

    • マメムさん
      初コメです。
      個人的には前半の女子全国高校駅伝をシリーズ化して欲しい読後感でした♪
      初コメです。
      個人的には前半の女子全国高校駅伝をシリーズ化して欲しい読後感でした♪
      2024/05/06
  • 心に種火を宿す。大袈裟なことではなく、ずっと受け継がれてきた火をそっと受け渡す。知っている京都の景色と相まって、その瞬間を共に体験する人々と自分が重なりあう。
    読み終わったあとに、爽やかな気持ちになる。
    私の心に種火をつけるための空気が入ったようだ。

  • 万城目作品を読むのは初めてだったが、直木賞受賞作だったので読んでみようかなと思い手に取った。
    最初の短編も、タイトルになっている八月の御所グラウンドもテンポ良く読める物語だった。
    新撰組や沢村栄治が出てくるのも、非現実的といえばそうなのだが、京都だったらあり得るのかもと。
    そういう夢のある作品もいいなと思った。
    御所グラウンドは時代に関係なく人を呼び寄せる場所なんだなと思った。
    最後の試合もきっと三人は来てくれたんだと信じたい。

  • 京都を共通の舞台とした2篇。
    高校駅伝の方は短くも読み応えのある展開で満足できる青春小説。
    草野球の方は面白い設定から意外な展開になり、まさか戦争について思いを馳せることになるとは思わなかった。

    ストーリーは前篇の方が個人的に好きだが、読んだ後に余韻があるのは後篇だった。どちらも共通しているのは京都が舞台であることと、死んだはずの人が現世に帰ってくること。
    前篇の新撰組が走っているのは何か元ネタ(というか史実?)があるのか、突拍子もない展開のように感じてしまった。

    気になった点は、私はあまり本の帯を読まないから良かったけど、個人的に「死人が帰ってくること」は大きなネタバレだと思うので帯にこれを書くのはどうかと思う。

  • 京都を題材にした短編と中編。

    短編は珍しく王道若者スポーツもの?と思ったら様子がおかしくなってきて、こうこなくっちゃ!と思ったものの、そのまま終わってしまった。
    欲張りなので、これが導入でもっと長く読みたかった。

    中編。話の持っていき方、展開のワクワク感を楽しんでいると様子がおかしくなってきて、コレコレ!とニヤニヤしたものの、戦争がからんでて、安易に喜んですみませんでした…と思った。
    ただし重いものではなく、著者は主義主張のためでなくて、こんなところに京都に関連するエピソードが、と知って書いたのかなと勝手に思った。
    でも声高でない分、昔に思いを馳せ、今の平和の有り難みも感じました。

    京都で学生時代を過ごした(御所の目の前に住んでた)者としては全てが懐かしく、20年前のダルくて、楽しくて、ヒマで、悩んで、でも未来があったもう戻れないあの頃を感じて、、思えば遠くへ来たもんだ。

  • 京都文学というジャンル、私は大好きだ。京都には現実と幻が共存できる懐の広さ、得体の知れなさがある。

  • 今の当たり前が
    戦時中には許されなかったんだろなって気付かされる。
    気軽に天皇の住処で野球をすることも
    気軽に恋愛をすることも、
    当時の人たちは許されなかった。

    戦時中、他国へ兵隊として従事しながらも
    その国の一般人と恋に落ちるそんな事実もあったと耳にしたことがある。

    そんな許されない、だれにも知られてはいけない恋愛がこの小説には隠れていたりして…??

  • 表題の「八月の御所グラウンド」と「十二月の都大路上下ル」の2篇からなる。どちらも京都を舞台とした、スポーツに纏わる物語。御所のグランドも駅伝の西大路通りも、どちらとも京都市内に住んでいる者としては、馴染みのある場所。書かれる夏や冬の空気感に違和感がなく、まさに京都の夏、冬という感じが伝わってくる。

  • 優しい物語ではあったが、物足りなさも感じる。
    物語の肝となる過去との繋がりが希薄に感じた。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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