人間関係の自我心理学 人と接するのがつらい (文春新書 74)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166600748

感想・レビュー・書評

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  • 20年ほど前に良く読んでいた本。古本屋で見つけて即買いしました。対人恐怖だけでなく、人との間で感じる生きづらさの原因はどこにあり、どう対処したら良いのか、きめ細かく書かれていて、ためになりました。
    こういった内面の問題について書かれた本は、合う合わないがどうしてもあるのですが、私にはぴったりでした。

  • なぜ人と接することが辛いのか?

    その理由は、その人の人生のルーツを探っていくことで明確になってくるようです。

    なるべく人と接さずに生きたい自分にとっては、読んでいて辛くなる部分も少なからずありましたが、書かれている内容は論理性があり筋も通っており、なるほどと思わずにはいられませんでした。

    期間を置いて、もう1度読み直したい1冊です。

  • アドラーは言っている。人間にとっていちばん実行するのが難しいことは自分自身を変えること。
    第一にいまの自分を好きになること
    弱さ、醜さ、欠点を含めて自分を好きになる。自己嫌悪しないこと、自己否定しないこと、自分が自分を好きにならないで、誰が好きになってくれるのでしょうか。
    人間はすべての人が、その存在事態に価値がある。すべての人間が、選ばれてこの世にいる。
    第二に、自分の素直な心で人に接する。他人といるとつい本心とは裏腹な行動をしてしまう。演技してしまう。仮面を被ってしまう。それで良い。そのように演技する自分も自分、そうでないようにしたいと思う自分も自分。どちらも自分。できるところでやってみる。つらければ、無理に努力しない、そのときどきの自分の心にまかせれば良い。
    公明正大に行動することは、人間関係のストレスを避けるばかりでなく、精神衛生にとっての基本的条件。
    公明正大ということは、次のようなこと
    ・見栄をはらないこと
    ・嘘をつかないこと
    ・その場しのぎの行動をしないこと
    あがりを避けるためには、まず第一に自身を持てるように十分準備をする。あがりやすい人は、そのことばかり心配して、以外に準備に時間をかけない。準備しようとすると不安になるので、避けてしまう心理が働くから。
    第二に、意識を自己に向けるのではなく、目的の遂行に向けるようにする。本来の目的をしっかりと確認すること。カラオケなら、自分が下手でないことを示す場ではなく、みんなで気軽に楽しむための場であることを確認する。
    発表ならじぶんがうまいことを見せるのが目的ではなく、内容をきちんと伝えることが目的。
    目的に専心するよう務める。
    第三に、どんな人でも多少はあがる。素人があがるのは当たりまえ、そう割り切る、あがっている自分に注意を向けるのではなく、何を伝えるべきか、と本来の課題に意識を集中すること。
    仕事が嫌なら、その仕事の良い点を見つけること、他の人が嫌なら、その人の良い点を見つけること、そして、それが見つかっても、見つからなくても、逃れられないものは、どうぞ!どうぞ!と正面から受け入れる。
    いまこの一瞬・一瞬が人生である。この一瞬一瞬を充実させ、満足して過ごすことが、人生を本当に豊かに生きることができる。
    集団のなかで楽にいられるコツは、背伸びせずに、自分のままでいられる役割期待をつくる。そのためには最初から無理をしないこと。がんばりすぎない事。好かれようとせず、目立とうとせず、自然体でいく。人間関係を苦にする人は、役割期待を過大に受け取ってしまいがち、
    人と会ったとき、なにか気の効いた話をしなければ相手が承知しないわけでない。あなたが面白い話をしないと、相手があなたを嫌いになるわけではない。
    日常会話で相手の話を聞く聞き方について
    ・防衛せずに自然体で接する。
    ・視線は無理に相手に向ける必要はない。
    ・あおづちを打ちながら聞く
    ・自分の枠組みで結論をくださない。
    ・自分が感じたことを素直に表現しながら聞く
    ・自分の素直な疑問を聞く。
    断ったほうが良い人間関係
    ・気持ちをむしゃくしゃさせる
    ・いつでも自分の思う通りにする
    ・会っている時よりも、別れた時の方が気持ちがほっとする
    ・愚痴が多い
    ・悪口を言う
    ・他の人を利用する
    ・裏切る
    ・やる気を奪う
    関係を続けたほうが良い人間関係
    ・ほのぼのとした気持ちにさせる
    ・勇気づけたり、エネルギーを与えてくれる
    ・その人の前で素直な自分でいられる
    ・明るく前進している。
    ・学ぶ事が多い
    いまいる職場の仕事と人間関係の良い点を楽しめない人は、そこに移っても仕事と人間関係を楽しむことは出来ない。
    読むだけでは何も変わらない。事態を変えるのは行動。とにかく自転車のひとこぎを漕ぎ出すこと。

  • ありのままの自分を好きになることと
    他人と比べずに楽しくて夢中になれることを見つけるのが重要ってことかな?

  • だれかの「生きづらさ」に目を向ける40冊

    所蔵状況の確認はこちらから↓
    https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001010131

  • ・交流分析理論:親の心、成人の心、子供の心を人はそれぞれ持っている。期待どうりの会話が行われる時、相手のどの心が反応するかをお互い理解しており、期待された反応が返ってくる(相補交流)が、そうでない時(交叉交流)心はかき乱される。
    ・自分に自信がある人は勝者の脚本を、ない人は敗者の脚本を持っている。自信がない人は、自ら自分が敗者になるような脚本のために行動を選択してしまう。(ゲーム)
    ・自己価値観ができていないと他人の評価が自己評価に直結する
    ・自分を変える、ではなく、ありのままを受け止める、そして、あるがままにもとらわれない、全ての肯定
    ・好きなことをやるために:社会的価値を考えない、実現可能性を考えない、最後までやろうとしない
    ・自己実現できている人は、広い人間関係ではなく、同じく自己実現できている人々と深い人間関係をもつ

  • ・夫婦で話すとき
    親の心
    大人の心
    子どもの心

    ・勝者
     →楽観的ですなお

    ・敗者
     →なんでも自責に

    ・行動
     好きな事に時間を使う

  • 本のタイトル以上に中身が充実している。
    自我心理学、交流分析の基本を解説されている。

    この本はネガティブなタイトルで損をしているのでは?

  • 人と接するのがつらい、人間関係がつらい、そう感じる人への状況改善のためのヒントがつまっていました。自分自身に自信をもって、周りに目は気にしない、自分の好きなようにすれば良いんだってわかりました。

  • 著者:根本橘夫(1947-)(ねもときつお)
    内容:アドバイス。


    【目次】
    はじめに [003-004]
    目次 [005-008]

    第1章 人と接するのがこわい 009
    人のなかにいるのがつらい/緊張からくる諸症状/人の目が気になる/巻き込む人と巻き込まれる人/異質性への不安/「普通の人」がうらやましい/ひきこもる若者

    第2章 人との接し方は人生を決める 033
    交流分析理論とは/無意識に現れるPの心/相補交流と交叉交流/自我をつくるストローク/勝者の心理と敗者の心理/あなたを縛る禁止令/禁止令に気づく/勝者の脚本・敗者の脚本

    第3章 なぜ人と接するのがつらいのか 073
    人は安心感をもって生まれてくる/無条件の愛の重要性/親の果たす二つの役目/なぜ人の目が気になるのか/過度の自己意識をつくる養育環境/安全を求める心理/親が生み出す競争心/傷つきやすい心/早熟な良心/見栄をはる心理

    第4章 人のなかで自分らしく生きる 117
    性格は容易には変わらない/とらわれから自由になる/あるがままの自分を受け入れる/自分を責めない/好きなことに力を注ぐ/社会的価値を考えない/行動から変化が起きる/目標が能力を生む/自分でつくる自分の人生

    第5章 人と楽に接するためのヒント 155
    公明正大であること/本来の課題を確認する/自分を守ろうとしない/逃げない、背のびしない/思い込みからの脱却/自分を素直に表現する/「私」を主語にして語る/みなに好かれようとしない/聞き上手になる/不毛な人間関係を捨てる/ビジネスライクな接し方/戦術としての逃避/他者に学ぶ/生きる場所はいくらでもある/行動を優先する

    あとがき(一九九九年十月 根本橘夫) [211-212]

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