ピアニストが読む音楽マンガ ボクたちクラシックつながり (文春新書 622)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606221

感想・レビュー・書評

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  • のだめカンタービレのブームを分析する、堅くなくクラシックの世界にメスを入れる一冊。

  • [ 内容 ]
    どうして音楽を聴いただけですぐに弾けるの?
    オーケストラが鳴る指揮者とは?
    『のだめカンタービレ』『ピアノの森』『神童』など音楽マンガを読み解き、クラシックの世界の深奥に誘う。

    [ 目次 ]
    第1章 一回読譜したらとっととやるぞ!
    第2章 楽譜どおり弾け!
    第3章 バレンボイム対ホロヴィッツ!?
    第4章 コンクール派と非コンクール派
    第5章 留学-クラシックをやるなら海外でなきゃ駄目?
    第6章 指揮者の謎
    第7章 コンサートで受けるプログラム
    第8章 音楽は人間が出る?
    第9章 ピアニストは本当に不良債権か?

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • のだめなどを用いて、分かりやすく説明されていた。色々な裏話が分かって楽しい。

  •  「のだめカンタービレ」「ピアノの森」「神童」からひもとくクラッシックの世界。

     ちょっと想像してたのと違うかな。
     上記のクラシックマンガの中の疑問(編集者が問う)に答えるみたいな形なので、私には特に新鮮味もなく。つか、そもそも、マンガの読み方が…。
     青柳さんは、基本的にマンガ読まない人なんだろうなと思ったですよ。

     ともあれ、お陰で「のだめカンタービレ」のストーリーはほぼ掌握(ww/でもそうやってわかってしまう評論もどき、ってちょっと困る)
     ま、のだめ、みたいに感性だけで弾いてしまうタイプや、千秋のように理詰めでいくタイプについて、両者の長短をとっても公平に書いてるあたりは好感がもてる。
     と、音楽家に金はないってところも強調してくださって…ww

     ホント、不良債権ですわよ。
     一人前(?)になるまで、お金をつぎ込まなきゃいけないのに、回収はできない。<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101482233/decembesdoor-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">最相葉月の「絶対音感」</a>の中で、すごい才能がある子なのにその親が「こんなリスキーな世界にこの子をいれて大丈夫だという保障があるのか」と詰め寄られた(五嶋みどりの義父の話)シーンがあったけど、それを思い出した。
     とんでもなく悪質な不良債権だとわかっているのにやめられない、愛しさ。
     
     結局、この1冊に詰まっているのは青柳いづみこの音楽への愛なのである。
     音楽が、ピアノが好きで好きでたまらないんです、っていうのが行間からにじみ出てるよ。

     ってことで、今度CD買わせていただきますm(__)m
     マンガを買おうと思えなかったという点では、マンガを扱ったエッセイとして問題有りだけど、ピアニスト青柳いづみこのプロモーションとしては大成功です。はい。

  • 読みやすくて、勉強になる本です。
    ちょっと縁があった指揮者の田部井さんのコメントが載っていると聞いて購入。田部井さんのプロフィールやホンネも見えて興味深かったです。
    ピアノ音楽には馴染んでこなかったこともあり、ピアニストのタイプについては知らない話でした。
    これを知ってコンサートのチラシなどを読んでいくと……なるほど!
    「個性を優先する演奏法は……個性喪失傾向にある時代風潮の中で極めて貴重な存在であり……」(ハイドシェックのリサイタルチラシの紹介文より)
    昔ホロビッツの「英雄ポロネーズ」を初めて聴いたときの“違和感”も、納得できたのでした。

    [08.4.10]

  • のだめやピアノの森など
    クラシック音楽漫画のピアニストから見た感想、補足などなど。

    クラシック音楽家なんてものは、
    一般人が考えるよりはるかに非経済的。
    精神的にも肉体的にもかなり消耗するくせに自立して生活できるかできないかトントンな非経済性。

    それでも多くの人がプロを目指すのは(或はアマチュアとして活動するのは)
    音楽があまりに魅惑的(麻薬だと言う人もw)だから。
    私もそう思う。

  • クラシック音楽関連の雑誌やら著名な演奏家の著作をいくつか読んでいる KiKi にとってさほど目新しい話題は書かれていなかったのですが、1つ1つの章で書かれていることに関しては「うんうん、そうだよね~」とか「そうそう、そんな話、どこかで読んだか聞いたことがあるよ」となかなか楽しくサクッと読み進むことができました。

    読んでいく中で意外に思ったのは第1章の中の「初見と暗譜の方程式」のところで、「初見が得意な人には、暗譜が苦手な人が多い」と書かれていたこと。  KiKi は真面目にレッスンしていた頃にはどちらも得意だったんですよね~。  でもね、年齢を重ねるにつれ、どちらも苦手になっていった・・・・そんな気がしていたんですよ。  特に暗譜に関しては間違いなく大人になるにつけダメになっていきました。  で、これは記憶力の低下 もしくは 「あがる」という心理と密接に関連しているんじゃないかと思っていたんですよね。

    (全文はブログにて)
      

  • 作者の青柳いづみ子さん東京芸術大学大学院博士課程を修了され、現在は大阪音楽大学で教授をされています。過去、出版された本は吉田秀和賞、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されています。そのうち、ピアニストとしてよりも文筆家としての方が有名になってしまうのでは?と思っているほどです。他の方が描かれたピアノが出てくる小説や漫画などもよく読まれていて、この本は、のだめカンタービレやピアノの森、神童と言った、ヒットしているピアノ漫画を著者が読みくだく…という解説本のようなものです。
    ページの大半がのだめについて書かれているので、のだめを読んだことのない方は楽しめないと思いますが、青柳さんは博識なので、知っているようでと知らないピアニストのエピソードなどを知ることができます。

  • 「のだめ」と「神童」と「ピアノの森」をベースにピアニストについて語っているが、「のだめ」を読んでないと少しツライかも。最後の章が身につまされる。

  • のだめ 理解に便利。クラシックの知識

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著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

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