ピアニストが読む音楽マンガ ボクたちクラシックつながり (文春新書 622)

  • 文藝春秋
3.36
  • (4)
  • (28)
  • (38)
  • (1)
  • (4)
本棚登録 : 183
感想 : 40
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606221

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • とても面白かった。

    「のだめカンタービレ」のドラマを見ただけで漫画もほかの作品も知らないのだがそれでも楽しめた。

    演奏会が終わるとすぐサイン会でCDを売るのはなぜなのかなんとなくわかってはいたがこのような仕組みになっているとは知らなかった。

  • のだめ、神童、ピアノの森を取り上げる
    最終章のピアニストの経済状況がリアルで悲惨
    CDのオーダーは200~300枚程度、1000枚は刷らないと
    収支合わないので本人買い取り
    自主公演は満席でも収支とんとん

    75 ショパン、即興演奏後に譜面に書き起こした
    145 カラヤン、練習短い。チェリビダッケは長。
    でベルリンフィルの指揮者争いに負ける
    172 フランス人、自国の音楽を尊重しない
    177 ベートーベン、少ない素材を最大限に使い緻密に組み立てる
    111 ベートーベンソナタ、新約聖書。平均律クラヴィーアは旧約聖書
    138 ホルン、繊細な楽器。唇の調子が悪いと音が出なくなる

  •  おもにマンガ「のだめカンタービレ」に寄り添いつつ、本物の音楽家としての注釈がおもしろい。多くの音楽を目指した人たちが、食べることすら難しい職業の実際を具体的に伝えてくれます。そして、有名になった人、はまたそのことでの苦労がまた大変なのですとのこと。そうまでして音楽につながっているのは、その魅惑の深さと身につけたものしか味わえない幸せがあるようなのです。簡単にああだ、こうだと批判する自分が薄っぺらく感じられます。

  • 著者のこの本を読んでから、著者の作品を全て読んでみようと思った。素人にも分かりやすく書かれている。なにより、音楽家を目指す子供を抱え、なおかつ、クラシック業界など全く分からない私にとっては、ピアニストになるには、ピアニストになった後は、ピアニストとして維持していくには、など、いろいろと参考になる本である。著者は音楽家ではあるが、作家としても非常に有能だと思った一冊である。

  • 「のだめ」などの音楽マンガをとっかかりにして、クラシック音楽界という特殊な世界を解き明かす。読みやすくて、面白かった。

  • 20130510読了

  •  このエッセイに出てくる、映画やマンガ、全部読んだり見たりしているので、よく話がつながって面白かった!
     でもその元を知らない人にはつまらないのかも…

  • 「のだめカンタービレ」と「ピアノの森」を題材に、それぞれの作品の中で取り上げられたトピックを専門家の立場から解説を試みている。意外にそれらの描写がそれなりに的確であることが分かる。もちろん全てのトピックを取り上げている訳ではないだろうし、たまたま整合の取れるものだけを選んだのかも知れないのだが。

    演奏する曲の選び方、コンクールにまつわるもろもろ、演奏家とその周辺の人々、話題に事欠かない。とても興味深く読むことができる。

    最終章、ピアニストは本当に不良債権か?でしょう。のだめの弟の発した言葉がこの章のきっかけになっている。音楽活動にまつわる費用、収入などなど。あまり魅力のある業界ではない、と言っていいのか。年収300〜1000万円のグループにN響以外のオケのメンバーが含まれる、という記述があるがN響のメンバーはそれ以上貰っているのか?

  • のだめ、や「ピアノの森」は読みましたが、実は「神童」はいつもDVD借りようと思っていてまだ実行していないんですよね。マンガもあったことをこの本で知るととともに、改めて神童を探してみようと決心しました。
    ピアノに関する関心が高まったところで読みきったので面白かったです。でも、ちょっと音楽の門外漢にはマニアックかな。

  • のだめカンタービレ(時々「ピアノの森」「神童」)をピアニスト的に検証するノンフィクション。
    書店員だったら、絶対のだめの側に置いて販売したい一冊。

全40件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×