- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607204
感想・レビュー・書評
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中島敦が好きで全集も持っている。『山月記』の冒頭や中の一部は今でも暗唱できるぐらい。生誕100年記念なので手に取ってみたが、読了したのは年明けだった。
帯に初めて明かされる悲しい秘密……とあるので気になったが、要するに早世した敦の朋友たちが官僚や文学者の位置で彼の作品を教科書に推したという点をあおって書いたことがわかってほっとした。
頭にあるものを全部はき出してから死にたいと言ったという敦の早すぎる死は悔やまれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いいですねえ、中島敦。個人的には「山月記」よりも「弟子」の方が好きですが……。敦の親友の一人、氷上英廣さんはあたしの勤務先からニーチェの翻訳を出していらっしゃるので、そういうところも面白く、興味深く読みました。
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2009年11月14日購入
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週刊文春で広告ページで見つけてチェケラっちょ。
高校の教科書で熱く読んだナー山月記。文庫も持ってます。
「性、ケンカイ」(ずるがしこい、だったっけ?→その後注釈を読み返して、k他人と協調しようとしない、という意味らしい)という言葉が
なぜか脳裏に焼きついてます。
→10月30日、早速購入。
虎は中島敦そのものだった・・・?世の中に認められないことへの叫びと、その原因の一端は自らの性格からという分析。
山月記を中島の魂の叫びと捉えると、さらに心が揺さぶられる。
高校の教科書に掲載されるようになったのは、友人の尽力のおかげ、というところも興味深い。
「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」・・・この年齢になって、やっとちょっとわかったような気がする。