中島敦「山月記伝説」の真実 (文春新書 720)

著者 :
  • 文藝春秋
3.65
  • (7)
  • (12)
  • (16)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 137
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607204

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中島敦が好きで全集も持っている。『山月記』の冒頭や中の一部は今でも暗唱できるぐらい。生誕100年記念なので手に取ってみたが、読了したのは年明けだった。

    帯に初めて明かされる悲しい秘密……とあるので気になったが、要するに早世した敦の朋友たちが官僚や文学者の位置で彼の作品を教科書に推したという点をあおって書いたことがわかってほっとした。

    頭にあるものを全部はき出してから死にたいと言ったという敦の早すぎる死は悔やまれる。

  • いいですねえ、中島敦。個人的には「山月記」よりも「弟子」の方が好きですが……。敦の親友の一人、氷上英廣さんはあたしの勤務先からニーチェの翻訳を出していらっしゃるので、そういうところも面白く、興味深く読みました。

  • 2009年11月14日購入

  • 週刊文春で広告ページで見つけてチェケラっちょ。
    高校の教科書で熱く読んだナー山月記。文庫も持ってます。
    「性、ケンカイ」(ずるがしこい、だったっけ?→その後注釈を読み返して、k他人と協調しようとしない、という意味らしい)という言葉が
    なぜか脳裏に焼きついてます。
    →10月30日、早速購入。
    虎は中島敦そのものだった・・・?世の中に認められないことへの叫びと、その原因の一端は自らの性格からという分析。
    山月記を中島の魂の叫びと捉えると、さらに心が揺さぶられる。
    高校の教科書に掲載されるようになったのは、友人の尽力のおかげ、というところも興味深い。
    「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」・・・この年齢になって、やっとちょっとわかったような気がする。

全25件中 21 - 25件を表示

著者プロフィール

1955年長崎県生

東京大学文学部卒業、東京大学大学院修了。博士(文学)

電気通信大学名誉教授

2020年4月から、NHKラジオ第2 古典講読「王朝日記の世界」を担当。2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当。

主要著書
『新訳十六夜日記』『新訳うたたね』『新訳紫式部日記』『王朝日記の魅力』『新訳 蜻蛉日記上巻』『新訳 和泉式部日記』『新訳 更級日記』『和歌の黄昏 短歌の夜明け』(いずれも、花鳥社)、
『塚本邦雄』『竹山広』(コレクション日本歌人選。共に、笠間書院)
、『源氏物語の影響史』『柳沢吉保と江戸の夢』『心訳・鳥の空音』(いずれも、笠間書院)
、『北村季吟』『三島由紀夫』(共に、ミネルヴァ書房)
、『源氏物語に学ぶ十三の知恵』(NHK出版)、
『大和魂の精神史』『光源氏の人間関係』(共に、ウェッジ)
、『文豪の古典力』『中島敦「山月記伝説」の真実』(共に、文春新書)
、『源氏物語ものがたり』(新潮新書)、
『御伽草子の精神史』『源氏物語の話型学』『日本文学の眺望』(いずれも、ぺりかん社)、
歌集『夢の遺伝子』(短歌研究社)

「2023年 『新訳 建礼門院右京大夫集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島内景二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
有川 浩
有川 浩
有川 浩
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×