資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608300

感想・レビュー・書評

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  • 『資産フライ』という言葉で聞くとなんだか特別のことのように思えますが、外貨預金などを含め、海外に自分の資産の一部を移す人は増えているようです。

    海外投資などに興味がある方はぜひ読んでいて損はないと思う一冊です♪

  • 事前勉強を兼ねて読みました。
    海外に口座を作ることを想定しているならきっと知っておいた方がよいと思いますが、海外投資に興味があるだけなら、役立ち度は少ないと思います。そういった意味で読む人を選ぶ本だと思います。

  • 書店で何気なく買った本だが、富裕層に属する人たちが資産を海外に移し、場合によっては非居住者となって海外で暮らす実態のルポとして、なかなか面白かった。
    この手の本は、最初だけ面白くて、後半に行くに連れて、紙数を埋めるためだけのようなつまらない話や著者の主観に堕していくことが多いが、本書は、そういうことが少なく、中間や終盤にも面白い事実のレポートがあり、山場が何回か来るのがよい。
    英語教育の必要性や改善の主張など、本書のテーマからは派生的な論点もそれなりにまっとうであるが、日本が悪い方向に向かっているのは何でも官僚のせいだというステレオタイプの主張は、ちょっといただけないように思う。

  • 遺産というのは、もともと税金を払ったうえで残った資産。贅沢もせず、きちんと税金を払ってコツコツ貯めたお金が相続税として召し上げられる。時には支払できず物納しなければならないことも。自分は遺産も貰っていないし、遺産を残すこともできない人間だが、それでも日本の様々な不条理な制度は。金持ちを国外に逃避させるに十分なものであることを激しく実感。嫉妬心が生み出すさもしい庶民感情。自分も含めてあらためなければこの国に残されるのは滅びの道。

  • お金持ちだけでなく、一般OLも香港へ口座開設旅行。
    現金をそのまま持ち出したり
    ローレックス(≒マネー)を持ち出し換金したり。

    31 日本銀行は単利、オフショアは複利が主流
    121 富裕層は一般人と一緒に扱われることを嫌う

    「メリット=得する」は和製英語、214
    What's in it for me?
    What's in it for us?

    日本のマスコミは社会の底辺にいる人のことは
    よく取り上げるのに、富裕層の動向は
    ほとんど報じない

    日本は嫉妬社会
    霞ヶ関の官僚が政策で金持ちを潰す

    などなど
    貧弱な英語教育は、資産フライをを防ぐためではないか
    と邪推も

    基本は日本だめ論
    投資信託などのボッタくり手数料はそのとおり

    英語、経済、エレクトロニクス(IT)
    3つのEの大切さ

    七夕、アメリカの子供の願いは
    「I wanna be rich」ばっかりで例外は二人だけ、209

    海外に逃げ出した人ほど、日本のことを憂えている、と書く。
    武富士裁判で日本を見捨てた金持ちも

  • 日本と世界の経済の状態が分かりやすく書かれた一冊。

    その中で、資産を国外に飛ばすことの重要性が書かれています。

    タックスヘイブン(租税回避)etc・・・

    資産を分散することはリスクを分散することにも直結します。


    ぜひ、読んでほしい一冊です!

  • 資産を守るための分散投資の手段として、資産の一部を海外に持ち出すいわゆる「資産フライト」がリーマンショック以降、裕福層のみならず普通のサラリーマンやOLの間でも一般化しつつある。この「資産フライト」の現状と背景についてのよくある話。

    ややセンセーショナルな書き方や、「既に資産逃避を済ませた裕福層とそれに続く一般層」、「なんでもかんでも政府が悪い」的な切り口がイマイチ。

    大前研一の類著のほうが内容があり、かつ本書の要点の大部分を包含する。

    なお、資産フライトのメリットや具体的な方法論を詳述した本ではない。

  • 投資を始めて色々な情報に接してみると、著者が言うように日本は資産を増やすのには適していないと言うのが分かります。

  • お金持ちを大切にしない日本という国(というか、政治家、官僚、“中流”の人たち)への文句と、それに対処するために「資産フライト」をする富裕層の言い訳がいっぱい書いてある本。

    (p.230より)-------------------------------------------------
    「この国では幻想にせよ「1億総中流時代」があったのだから、ほぼ誰もが自分を中流の人間と思っている。
    じつは、この中流であるということが、人間としてもっとも醜いことなのである。
    <中略>
    なぜ、中流が人間として醜いのだろうか?
    それは、この層がもっとも激しく内部抗争をしているからだ。周囲と自分を比較し、少しでも上に行きたい、もっとお金がほしいと、嫉妬心を隠しながら、建前と本音を使い分けて生きている。日本の官僚はその典型だ。」
    -------------------------------------------------

    「富裕層と下流層はリアリストで日本を純粋に愛している」んだそうですが……。

    集団を大雑把にセグメントやレイヤーで切ってレッテルを貼るのは、やり方としてどうなんだろう。そんなに単純な話かな? 「日本をダメにしたのは団塊」というのと同じで、大まかな傾向としてそうだという話ならわかるけど、そのような単純化は危険じゃないんですか。

    しかし、富裕層でも堤義明のようにあらゆる節税スキームを駆使して「納めるべき税金」を納めない連中を切って捨てているが、私たち“中流”から見ると資産フライトしているあなたたちも同じ穴の狢に見えるんですがね。

    日本の経済の現況や見通し、これから生き抜いていくのに必要なこと(とくに英語)に関する認識は当たっていると思う。一読をおすすめする。

  • 自分も海外在住経験があるため、興味深く読んだ。
    しかし実際こちらを読むと本質的な解決策は、本気で海外に移り住む(しかも一族)以外は難しそうだ。

    なので、インフレリスクをいかに避けるか、例えば海外株式投資なのか何なのか、自分で勉強してみる必要がある。

    この本では、結局具体的解決策がわからないまま終わってしまうので、評価は低めとなっている。

    あと、日本人が英語ができない理論の杜撰さはいつもながら辟易とする。英語はできないというが、数学/算数は12年やってもほとんどの人ができないだろうに…。

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著者プロフィール

1952年、神奈川県横浜市に生まれる。立教大学文学部を卒業後、光文社に入社。「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務めた後、2010年からフリーランスになり、国際政治・経済・ビジネスの分野で取材・執筆活動を展開中。
著書には『出版大崩壊』『資産フライト』(以上、文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館新書)、『「中国の夢」は100年たっても実現しない』(PHP研究所)、『円安亡国』(文春新書)、『地方創生の罠』(イースト新書)、『永久属国論』(さくら舎)、翻訳書に『ロシアン・ゴッドファーザー』(リム出版)などがある。

「2018年 『東京「近未来」年表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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